春興鏡獅子―15
胡蝶が引っ込むと、獅子登場の囃子事である”乱序”が始まる。
そして乱序がピークに達した頃、花道の揚幕が開き
大口袴に白頭、隈取を取った獅子が飛び出す。
上の巻「小姓」の弥生が扮する、後ジテで、
女形と立役の二色を演じ分ける所が、この曲の眼目だ。
舞台中央に進んだ獅子は、雄々しく”狂い”を舞い、
二畳台の上にドカリと座り込んで、暫しまどろむ。
そこへ先ほどの胡蝶が登場し、獅子に戯れる。
ここが「美女と野獣」に例えられる、幻想的なシーンだ。
『牡丹の花に舞い遊ぶ
葉陰に休む蝶の
風に翼交わして飛びめぐる』
蝶の悪戯で目を醒した獅子。
『獅子は勇んでくるくるくると
花に戯れ枝に臥し転び
実にも上なき獅子王の勢い』
そしてクライマックスは皆様ご存知の、毛を振り回しての”髪洗い”。
ここは最後の力をふりしぼっての熱演。
三味線方も力の限り”髪洗い”を弾き続ける。
獅子が限界に達すると、ドンと足を踏む。
それを合図に三味線方は”髪洗い”をやめ、段切れとなる。
『獅子の座にこそ 直りけれ』
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
phpto by 和尚
胡蝶が引っ込むと、獅子登場の囃子事である”乱序”が始まる。
そして乱序がピークに達した頃、花道の揚幕が開き
大口袴に白頭、隈取を取った獅子が飛び出す。
上の巻「小姓」の弥生が扮する、後ジテで、
女形と立役の二色を演じ分ける所が、この曲の眼目だ。
舞台中央に進んだ獅子は、雄々しく”狂い”を舞い、
二畳台の上にドカリと座り込んで、暫しまどろむ。
そこへ先ほどの胡蝶が登場し、獅子に戯れる。
ここが「美女と野獣」に例えられる、幻想的なシーンだ。
『牡丹の花に舞い遊ぶ
葉陰に休む蝶の
風に翼交わして飛びめぐる』
蝶の悪戯で目を醒した獅子。
『獅子は勇んでくるくるくると
花に戯れ枝に臥し転び
実にも上なき獅子王の勢い』
そしてクライマックスは皆様ご存知の、毛を振り回しての”髪洗い”。
ここは最後の力をふりしぼっての熱演。
三味線方も力の限り”髪洗い”を弾き続ける。
獅子が限界に達すると、ドンと足を踏む。
それを合図に三味線方は”髪洗い”をやめ、段切れとなる。
『獅子の座にこそ 直りけれ』
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