西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

五郎と少将

2019-09-18 | 武者絵
これは奥村利信(生没年不詳・江戸初期に活躍)の役者絵だ。
制作年は享保10(1725)年とある。

荻野伊三郎の五郎と、松島長太郎の少将だ。

   
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五郎と祐経

2019-08-15 | 武者絵
これは鳥居清信(寛政〜享保14・1664〜1729年)の役者絵だ。
坂東彦三郎の工藤祐経と尾上菊五郎の五郎。
制作年は寛保4(1744)年とある。

菊五郎は京の役者で女方だったが、
1742年に、大坂での出演を終えた海老蔵が江戸に連れて来たのだ。
菊五郎は江戸で立役として活躍することになる。

この絵の五郎は七種打(ななくさうち)の趣向のようだ。
「春調娘七種」(はるのしらべむすめななくさ・1767年・杵屋六三郎作曲)
の先行趣向なのだろう。

   
  


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小狐丸

2016-06-18 | 武者絵
これは歌川国貞(3代目豊国・天明6~元治元・1786~1865年)の武者絵だ。
制作年は天保14〜弘化4(1843〜47)年で、タイトルは特にないが
三条小鍛冶と稲荷の精が描かれているので「小狐丸」とでもしておこうか。

   

書き入れを見てみよう。

「宗近(むねちか)は天延元(973)年 河内国産
 一条院の御宇(ぎょう・在任)永延(987〜9)の頃上洛して 三条に住(じゅう)す
 春日明神へ祈請をこめらるに 不思議や霊験有りて 天下無双の名剣(小狐丸)を鍛(きた)くて
 その名を後世に挙(あ)ぐる也」


先行芸能の謡曲「小鍛冶」を長唄に移したものが、同名の「小鍛冶」(天保3・1832・杵屋勝五郎作曲)だ。

絵の書き入れによると、小鍛冶が参籠したのは春日明神となっているが、
ほかにも伏見稲荷や合槌稲荷などの説がある。
どうしてそう違って伝わるのだろうか。
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