西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

鏡獅子―67

2009-07-11 | 曲目 (c)yuri saionji
連獅子―3

始まりもそうだが、次の清涼山の描写も、さすがに河竹新七(2世・後の黙阿弥)だ。
安易な書き直しはしていない。
本質をとらえた上で、自分なりにアレンジし、独自の世界を転回している。

『是ぞ文殊のおわします
 其の名も高き 清涼山
 
 峯を仰げば千丈の
 漲る滝は雲より落ち
 谷を臨めば 千尋の底   
 流れに響く 松の風
 見渡す橋は 夕陽の
 雨後に映ずる 虹ににて
 虚空を渡るがごとくなり』  

(意訳)
「ここは文殊菩薩のいらっしゃる清涼山
 峯を見上げれば、3000メートルもの高さから
 落ちる滝。
 まるで雲から落ちているようだ
 谷底を見れば、1500メートルもの深い底
 滝の音は松風に同化し、
 見渡す橋は、まるで夕日に映える雨のあとの
 虹のような形をし、空中に掛かっているように見える」


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tea breaku・海中百景
photo by  和尚
コメント
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