うちの8ひきのネコのうち、2番目に長老の、福吉(ふくきち)は、1歳の頃にうちにやってきた、元野良猫だ。
近所の路地で母猫と暮らしていたのだが、母猫が姿を消したあと、ふらふらしていたのを保護した。
非常に頭のいいネコで、ドアの取手にぶら下がって、ドアを開ける方法を編み出し、他のネコたちに伝授したり(伝授するなよ~)二階のベランダから屋上にジャンプして逃亡する術をみつけたり・・・
気が向くと、開けた扉を自分で閉めもする。
若い頃は、しょっちゅう家を抜けだして、あちこち放浪の旅に出ていたのだけれど、さすがに16歳にもなって、ずいぶんおとなしくなった。
去年くらいから腎臓を悪くして、療養食を食べさせていたのだが、これが劇的に不味いらしい。
このごろ、ハンストをしてくれちゃうのだ。
病気のせいで痩せがちなので、たくさん食べて欲しいのに、全然食べない。
恨みがましい目付きで、下から見上げてくる。
なんやねん、オババん、もっと美味いもんあるやろ、知ってるんやで。
こんなしみったれたもん食べさせやがって。
もっと美味いもん食べさせや~~~
仕方がない。
獣医さんに頼んで、腎臓食のサンプルを色々頂いてきた。
色々試してみると、ひとつとても「気に入ったように思われた」のがあった。(ここが大事)
早速、ネットで取り寄せて、カラカラとお皿にいれてやると・・・
フンフンと匂いを嗅いで、一口二口召し上がり、後足で、砂掛ける振りをして、立ち去った。
なんてご無体な仕打ち・・・
ネコ飼いは、マゾでなければ務まらないのは、本当らしい。