まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

怖い話

2017-08-10 00:06:35 | 日記

怖い話を作ろう、という企画に乗ってみた。
どんな話にしようかな、と考えながら
テレビで百物語を見てた。
鬼、幽霊、化け物の話は、面白いなとは思うけど
リアリティは感じない。
霊感もないし金縛りにもあったことない。

実体験というか、実際は自分じゃなんにも見てないから
なんて言えばいいかわからないけど
その場に私がいた時にあった
不思議な話がある。

大学を出て最初に就職したのが
金融系ソフトウエアハウスで
最初の半年は給料もらいながら
学生の延長よろしく勉強の日々。
同期もみんなクラスメイトのノリで
夏休みに中禅寺湖ヘ遊びに行った。

夜になりお決まりの怪談大会で
右隣に座ってたエミちゃんが
話の途中で居心地悪そうに
そっと左へ移動した。

エミちゃんちはお盆時期になると
親戚同士の電話での会話に
亡くなったおばあちゃんが今
うちのお風呂場にいるとか
今度はそっちのうちに移動したとか
当たり前のように出てくるような家庭で
エミちゃん自身もその手の感覚を持っている。

なので翌日こっそり
昨夜なんかあった?と聞いたら
「天井の角のところに顔があったから
見えないところに移動した」という。
怖い顔?と聞くと
「男の子。怖い顔はしてなくて
多分みんながする話を興味深く聴いてたと思う」

ふーん、と私。それ以上でも以下でもない。
後日、その場にいた別の友達から
全く同じ話を聞かされるまでは。
さすがにちょっと肌寒くなった。

勘ぐるとしたら
エミちゃんとその友達が
示し合わせて話を作ったかもしれない。
けど少なくとも私が半年見てた範囲で
その二人は特別仲良くしてたとは思えず
まして結託して無邪気な私を騙そうとか
考えるとは思えない。

じゃあ私に見えなかっただけで
天井の角に男の子が実在したのか
となると、それもちょっと理解できない。

その時に私が出した結論は
きっと二人は似てる感性を持ってて
そこで繰り広げられる怖い話を
何かが寄って来て聞いてたとしたら
男の子なんじゃないかなあ
なんて思ってそれがビジュアルになったんだ
という感じのものだった。
20代の若さにはこじつけが必須なのだ。

今、こうして思い返してみて
思うことは
「あの瞬間は体温下がったなあ」
ってだけで
男の子が本当にいたかどうかは
わりとどっちでもいいような気がする。

そんな、理屈はどうでも
体温が下がるようなお話を作りたいな。