まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

2017母子すちゃらか旅 機内危険物持ち込み編

2017-08-09 23:34:45 | 日記

成田空港で合流し、わりと時間に余裕を持ってチェックインしたのが良かった。
スーツケースを預けた後、手持ちのペットボトルのお茶をがぶ飲みして
空ボトルを捨て、ゲートへ向かう。
するりと検査を抜けて続く母を待つ。
黒いゴムの暖簾をくぐる母のウエストポーチは
何度トライしてもブザーが鳴る。

高校生みたいに見える係員の男の子が
ちょっと失礼します、とポーチを開け
白い手袋で中を探ると
出てきたのは折りたたみナイフ。
山登りに持って行き、そのまま入っていたのを
忘れていたという。

母はうわーとかきゃーとか言いながら
ニコニコと「大事なものなの、捨てたくないの」を
繰り返す。
男の子は困って何度も刃渡りを測りなおすが
どうしても規定にかかってしまう。

屈強な警備員もやってきて
ナイフを眺めながら
「なんでナイフなんか持ってるんですか」
と母に問うと
「山でリンゴ切ったりするの」と
やっぱりニコニコ言い放つ。

男の子がおずおずと
もう一度出て、預け入れ荷物にナイフを入れて
それからチェックインし直しますか?と聞く。
そんな手があるんだ。
急いでカウンターに戻って事情を説明すると
小さなダンボールに入れて預かってくれた。


私はその一部始終が面白くてずっと笑ったり
写メ撮ってSNSにアップしたり。

飛行機は無事に飛び、テロ事件も起きず
目的地のブリスベンに着いて荷物を全て引き取った。

夜にスーパーマーケットで買った果物やスモークチキンを
翌朝ホテルの部屋で寝ぼけたまんま食べる時に
なるほどナイフは活躍してくれた。

ゴールドコースト2泊め
明日はシドニーへ飛行機で移動という晩に
母がパッキングをしながら
あらゆるアイテムが装備された救急袋を掲げて
知香ちゃんが転んだらこれで手当てするからねと言う。
多分母は常に自分が山の中にいるつもりで行動するんだな。
それに五十に手が届く娘の転倒を心配してくれるんだな。

翌朝、ナイフをスーツケースにしまったことを
二回くらい確認したのち空港へ。
すると今度は母のリュックサックがワーニング。
ハサミ入ってますよと言われ、開けると
例の救急袋が入ってた。
包帯を切るためのやつね。

しかし今度は何の思い入れもないハサミだったので
没収してポイの憂き目に。
やっぱりうわーとかきゃーとか
国内の移動だからいいかと思っちゃったわとか
ニコニコしてる母を見て
やっぱり面白くて写メ撮る私。

でも心の中では
もし3度目何か刃物を飛行機に持ち込もうとしたら
愛機ペンちゃんで撮った写真全部消去してやるからな
と考えていた。

そしていよいよシドニーからの帰国の途につき
3度目の正直でするっと検査をパスした母は
やったー!と小さくガッツポーズ。
前の事を気にしてたのかな。
笑っちゃって悪かったよ。


でもねお母様
それ、わりとフツーだから。