おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

ひょんなことから雉鍋の夜

2016年03月16日 | 和食
昨日は次号「そう」発刊に向け
三遠南信の「間食」を集めての撮影でした。
隣接している市町村でも
風土の違いで間食も変わるから面白い。
いろいろ勉強になるわ~。
記事を書くのはこれからですが(〆切来週 汗)

撮影が終わってから
編集長と2時間以上もお話し。
様々な話題から刺激をいただき
自分の立ち位置というか
進むべき道を再認識しました。
うーーん。いい仕事するぞ!



さて、本題に入ります。
「そう」の蕎麦コラムで
引佐の「二五七」さんを取材することになり
車を走らせたら到着が早すぎました。
空いた時間をボーッと過ごすのはもったいないので
以前から気になっていたここへ。




奥浜名湖 きじの里


日本でも珍しい養雉所。
養殖といっても
雉は野性が強くメンタルがデリケート。
育てるのに大変神経を使うそうです。
卵も一年のうち限られたシーズンしか生まず
孵化させるのも一苦労だとか。




半羽

そんなお話しを伺ったら、
買わずにはいられません。
もっといろいろ伺いたいので
今度あらためて取材させていただきます、
と名刺を置いてきました。




二五七さんでけんちん蕎麦

取材では話が盛り上がりすぎました^^;
北関東流のけんちん蕎麦も美味し。
この件は改めて書かせていただきます。



半羽

黄色い脂身が食欲をそそります。




雉鍋ベース

カツオと昆布でとった出汁に
酒と醤油と塩で味付け。
焼いたネギや茸から甘みが出るので
味醂を入れるのはやめました。



雉の胸をしゃぶしゃぶ

おいちぃ!
鶏にはない深いコクと歯ごたえ。
タタキにするつもりだったけれど
面倒臭くて止めた自分を恨む。
今度買うときはタタキにしよう。




モモはドボン

これも少し焼いてから入れるべきだった…
その手間を省いても美味しかった!
〆は五島うどんを入れて楽しみ
オーラスはご飯を入れてスープを飲み干す。
満足の極み一歩手前です。
きっと焼いたら極み。


手間暇かかっているので
価格はやや贅沢な設定ですが
この美味しさなら納得。
4月から6月に卵を産むそうなので
雉の親子丼・・・絶対やる。
完全予約制のお食事も気になります。
でも、あの立地では飲めない…
ハンドルキーパー求めてます。


ごちそうさまでした^^


奥浜名湖きじの里



食卓に春のことぶれ

2016年02月07日 | 和食
最近外食のことしか書いておりませんね。
超ランダムな更新ですから
しょっちゅう外食しているように
映るかもしれませんが
いえいえ、ほぼおうちごはんですよ。
久々に最近のお品書きを
ザクッとご紹介します。ザクッと^^;




いい型の魴鮄

春のお魚ですね。伊良湖水揚げです。
捌いたら大きな卵が入っていたので
メスの魴鮄ちゃんです。




魴鮄と赤烏賊のお造り

赤烏賊も伊良湖水揚げ。
たまらなく美味です。




めばるの煮付け

これも早春の味覚。
煮魚は自分で作るに限ります。
外でいただくのは大抵甘すぎる…



新玉ねぎポン酢

新玉ねぎの出盛り期になりました。
水に晒さずとも辛くなく
スライスしてしばらく置くと
刺激臭も飛びます。
ポン酢と鰹節でシンプルに。




出し巻き卵

砂糖を耳かき一杯いれてしっとりと。
砂糖は保水のために必須です。
でないと、出汁が流れ出てパサパサになりますから。
砂糖は上白糖ではなく黍砂糖。




伊良湖の真鯛

抱卵前でお腹は空っぽでしたが
産卵期に向けて身は太り始めています。




お造り三種

昆布締め、松笠造り、そのまま。
この日は作りたてを賞味。
適度に脂が乗って美味です。



2日後のお造り

身の硬直もほぐれ旨味炸裂。
白身の魚は変化を楽めて
二度も三度も美味しいです。



兜ごはん

お頭は鯛めしに。
塩してグリルで焼いてから
昆布出汁に浸水したお米と鍋で炊飯。
味付けは白たまりだけかな?



ほぐしてお櫃へ



出来上がり

ちまちま解すのが面倒臭いですが
間違いのない美味しさ。




小烏賊と大根、菜の花の炊き合わせ

大根はコックリした味付けに。
烏賊は大根に旨味を預ける程度の煮方。
菜の花の苦みでアクセントを加えます。
鉄板の煮物ですね。




碓氷豌豆の茶碗蒸し

鹿児島からグリーンピース前線が
北上し始めました。
地物が出回る前にフライング。
茶碗蒸しにたっぷり入れています。



幸せなビジュアル

小さい頃は冷凍モノのせいで
いい印象など持ちようがなかった素材ですが
今は出回るのが待ち遠しくて仕方ありません。




凍り豆腐の炊き合わせ

先日宮城で取材した岩出山の凍り豆腐。
独特の歯ごたえと風味が特長です。
少し動物性蛋白質を加えたほうが好み。
よって、豚のバラ肉を炒めて脂を落とし
炊き合わせてコクをプラスしました。
ホッコリする味わいです。




豚肩ロースのロースト

中心温度67度まで焼成して
常温になるまで休ませています。
なかなかジューシーな仕上がり。
満足です。


とまあ、こんな日々を送っております。
肉比率がどんどん減っていく…
ベジタリアンになることはまずないと思いますが。
お魚とご飯とお酒はやめられませんw




ジビエ料理 かたつむり

2016年01月05日 | 和食
2016年がスタートしました。
本年もよろしくお願い致します。
昨年、母が急逝しましたので
慣例に則り「あけまして…」という言葉は控えますが
母のことをお伝えしていない方には
普通に「あけまして…」と言っております^^;
うちの母、そういうことに無頓着な人だったので
冠婚葬祭の場で失言だらけでした。
そんな母ですから、別に怒ったり拗ねたりしてないでしょう。
この場でお詫びしますが
昨年中に喪中ハガキをお出ししておりません。
私の中で心の整理がついておりませんでして。
心と体が落ち着きましたら
寒中見舞いのお便りをお送りしますので
賀状をいただいた皆様
今しばらくお待ちくださいませ。


さて、昨年のおもひでをご報告。
最近マスコミにも取り上げられている
岐阜のかたつむりさんへお邪魔しました。
東京組と名古屋組が岐阜の山奥に集結。
美味しいものに貪欲な人々は
時間と距離の障害もなんのそのです^^




かたつむりさん

今回はお友達のYちゃんが
運転手を買って出て(?)くれたので
飲む気満々での出陣です。




お酒勢揃い

もろもろの道具をを持ってきてくれた
大盛さん、ありがとう♪




前菜

零余子の荏胡麻和え、味噌漬け豆腐
間引き蕪、鮎の甘露煮、菱の実素揚げ、
アジメ泥鰌の唐揚げ、猪、冬苺、蕪の酢の物



長良川の天然鮎



私のはお腹パンパンでした^^



香茸のリゾット

むせ返るような香りぷんぷん。




鯉のカルパッチョ風

ドレッシングはいらなかったかな…



蓮根・零余子・銀杏・山栗の素揚げ



天魚・芋・干し柿・薊の天婦羅



窒息鴨のロースト

お刺身とローストから選べて
私たちはローストをセレクト。
今回の火入れはうーむ。
お肉が冷たいところからの火入れだったのかな?




熟成鴨お刺身

少しおすそ分けを頂きました。
これは美味い!
今回はお刺身に軍配が上がりましたね。
しかし、わらびさんとダックさんに言わせると
まだまだ…だそうな^^;






中に入っている天然ナメコとムキタケは
参加者さんが収穫してきて下さったもの。
ここへ…



穴熊

をシャブシャブしていただきます。
脂がしつこくなく、ほんのり甘い。
口の中でサラッと溶けていきます。



穴熊エキスと天然キノコの旨味がが移ったスープで
お雑炊をいただきますよ。
不味くなりようがありませんね。



デザート

やや奇を衒った感が否めませんでしたが
ここでしか頂けない食材はやはり魅力的。
次回は穴熊をお腹いっぱい食べてみたいです。


柿を食むヌートリアのヌーちゃん。

今頃どうしているのでしょう…


ごちそうさまでした!


と大人しく帰ればいいのに
帰らない、帰れない私たち。
いざ、モカイオさんへ(笑)



フォカッチャ



ポレンタのフリット



リボリータ

優しい旨味が胃にしみるねぇ~



イカのズィミーノ

山の幸の後は海の幸が欲しくなる。
我らチェーンイーター♪



ソプレッサータの温製

豚の部位を余すところなく使ったテリーヌのようなもの。
こんがり焼き上げて登場します。
存在感のある料理ですが
優しい味わいなのでパクパク食べちゃう。



山ウズラのラビオリ

だんだん記憶が薄れてく~る~


一日中食べて飲んでいた気がします。
健啖家に産んでくれた両親に感謝!



ご一緒いただいた皆様
楽しい時間をありがとうございました^^
また美味しいものを追い求めて
全国津々浦々を行脚しましょうね。


生誕祭前後のちょっと贅沢おうちごはん

2015年11月13日 | 和食
最近、外食と旅の記録ばっかりですが
取材や外食の予定がある日以外は
ちゃんと三食作っております。
そういう時は完全引きこもりの身ですが
参考文献と電話とPCと複合機を駆使して
お仕事に精を出していますよ~
ダイニングテーブルが仕事場と化すので
自分に「仕事場だ」と言い聞かすため
どなたかとお会いする予定がなくとも
身なりだけはきちんとしています。
流石にスーツは着ませんが
いつお客様にお会いしても恥ずかしくない装いと
化粧はほどこしております。
これが私なりのケジメ。
このプロセスを踏んでスイッチを入れるんです。
フリーに成り立ての頃は
スイッチの切り替え方が分からなくて
鬱々したまま一日を過ごしたり、
〆切までエンジンがかからなかったり
それはもう大変でした^^;


さて、話は変わりテーマのお料理。
お誕生日に際しまして
どうしてもやりたかったのが

おうち牡蠣小屋

べつに掘っ建て小屋を建てる訳じゃぁありません。
好きなだけ、良質な牡蠣を食べると言う試みです。
ということで、仙鳳趾から3Lの特大牡蠣を10個取り寄せ♪



来た!



手からはみ出ます
厚みも立派でズッシリ。


生牡蠣、行きまーす♪



ぶるんっ

たまらないですわ…
何度当たったってリバースしたって
この味に別れを告げることはできません。
もうこうなったら、運命共同体です。




焼き牡蠣



味がギュッと凝縮バージョン

また違った芳香が楽しめます。
合計8個食べました。
2時間ぐらいは飽きを感じましたが
それを過ぎたらすぐに食べたくなる中毒患者。
特別な時に独り牡蠣小屋、再びやる。



いくらご飯

今年は5回以上仕込んだなぁ。



違う日の生誕祭前後パーティ。




鰆とヤリイカ

伊良湖の昼競り直送です。
大好きな組み合わせ。




まったけご飯



残念ながらカナダ産

今年は国産の松茸を
記憶に残る程食べてません。
紛れ込んでる程度しか…
これはそれなりに美味しかったです^^




あいち鴨のロースト

ちょっと余熱で火を入れ過ぎましたが
素材がいいので美味しかったです。



れんこん蒸し

下には鰆を忍ばせて
蓮根には伊良湖のアオサを混ぜています。
つなぎは少量の卵白のみ。
一番出しを葛でまとめて銀餡に。
ムッチリして美味しいんですよ。
心もホッコリします。


こんな感じにジミーな内容でしたが
年寄り染みた私の味覚には丁度いいです。
最近、醤油味か味噌味、塩味の料理しか食べてない…
身体に問いかけると返って来るのは上記の味わい。
それ以外は外部のシェフに一任します。


さて、もう一仕事してご飯つくろう。
お腹空いた…

猛暑の朝ご飯

2015年08月09日 | 和食
連日暑過ぎて洗車する気も失せ
しばらく水玉模様の車に乗っていましたが
昨日、日が傾いた辺りでようやくシャンプーしてあげました^^
キレイにしてあげるとより愛情が湧きますね。
放っておいてゴメンナサイ。


朝ご飯は専らご飯党です。
パンを食べることは年に片手で数えるしかないかな?
基本はご飯、お味噌汁、納豆、香の物、青菜という構成。
しかし、こうも暑くなると
お味噌汁を頂いた後の体力消耗が半端でありません。
そういう時は、冷や汁で体力を温存します。



冷や汁

私のは簡易バージョン。
鯵の干物から出汁を取るのではなく
前日にいりこ出汁をひいて冷やしてあります。
あとは胡麻と松の実をすり鉢で当たって
そこへ麦味噌を入れて良ーく当たり
その後コンロにすり鉢を被せて味噌を焼きます。
そうすることで生だとちょっと気になる麹の香りが飛び
胡麻や松の実も香ばしくなるので欠かせないひと手間です。
あとはいりこ出汁を注いで汁ベースを作り
塩して揉んだキュウリ、崩したお豆腐、
大葉、茗荷、小口切りねぎ、ジャコを入れて出来上がり。





炊きたてのご飯

ここへたっぷりかけていただきます。
発汗が押さえられるからラクです^^;
発汗はした方がいいですが、
ここでしなくても一日中汗ばんでますんで(笑)



稚鮎の有馬煮

冷や汁のお供に。
大人の味付けにしてあります。
煮凝って周りがプルン。



野沢菜

スキーで長野に行ったとき
新漬けを買って冷凍しておきました。
これをまだ少し凍っている状態で食卓に。
ひんやり冷たくて新漬けの初々しさそのまま。
酸っぱい古漬けも好きですけどね。



お昼ごはんは基本的に鮭弁ですが
この日はどうしても麺類が食べたくなり…



酢橘きしめん

食べたいと思ったけれど
いりこ出汁と昆布を昨夜から水出ししただけで
まだ火入れしてない…
火入れしてから冷やし始めたら
食べるまでに2時間掛かりました^^;
返しは味醂とヤマヒサの薄口、塩少々。
これを出汁で割って冷やかけ汁に。
麺は金トビさんのきしめんです。
最後に酢橘のスライスを散らしていただきましょう。
ペラペラの麺がいりこの出汁に絡み
食べ進めるうちに酢橘の香りがぷーんと立ち昇りまして
なんとも清涼感溢れるランチでした。




鴨ロースと鴨のフォアグラ、Wねぎ

これはある日の夕ごはんです。
あいち鴨のロースがお値打ちだったので購入し
先日パーティ料理の材料を注文する時に
自宅用の鴨のフォアグラをついでに取り寄せたため
鴨×鴨の一品を作ってみました。
ロースもフォアグラも表面が色づくぐらいにサッと焼き上げ
脂を切ったフライパンに日本蜜蜂の蜂蜜を入れてカラメリゼし
酒でこそげとるようにデグラッセし、
醤油を入れて煮詰めたものをソースにしています。
ねぎは鴨とフォアグラを焼いている端っこで焼きました。
最後にねぎのスプラウトを載せて出来上がり。
フォアグラ、たくさんは食べられませんが
たまに食べるとリッチな気分になれますね^^
とても美味しかったです。


ダイジェストですが
盛夏の食生活をご報告してみました。
さーて、今日もお仕事頑張るぞ!

作り過ぎラプソディー

2015年07月08日 | 和食
ある日とある日、考え事をしていたら
料理を作りすぎるという事態に陥りました…
ということで1.5日分のお料理をまとめてドンします。
現実逃避と現実直視の狭間で
お料理をし始めると
こういうことをしてしまいがち。
残さず食べましたからご心配なく^^;



新ジャガの素揚げ

梅干し大の新ジャガが手に入ったので
菜種油で低温からじっくり揚げて引き上げ
最後に皮目をパリッとさせるために二度揚げ。
塩をまぶして出来上がり。
この時期ならではのおつまみですね^^
パリッ&ホクホクで美味しいですよ。




麻婆豆腐

最近迷走している麻婆豆腐。
この日は豆鼓無しのピーシェン豆板醤のみ。
味噌系も入れていません。
朝天唐辛子と二種の山椒入りで
スッキリとした味わいに仕上りました。
ヒーヒーが気持ちいいです。



茄子と茗荷の即席漬け

夏らしい一品ですね。
食卓に並べるとシアワセを感じます。




小豆バイ貝の醤油煮

バイ貝、大好きなんです。
日本酒が止まらなくなりますよ~。



モロッコインゲンの金胡麻和え

最近知り合いによくいただくモロッコインゲン。
柔らかめに茹でて
サッと炒った金胡麻と和えています。
お弁当にもよく取り入れる一品。




こんにゃくの炒り煮

織九さんの生芋から作ったこんにゃくで。
一枚100円切るお値段はお安過ぎ。
もっとお値段上げてもいいのに…
味染みがよく、モチッとした歯ごたえがいいんです。




麩の卵とじ

同じく織九さんの滋養麩。
卵との相性抜群ですよ。
車麩などよりもフワフワとした食感。
私が幼い頃から慣れ親しんでいた麩です。




飛び魚のタタキ

サンヨネさんで三重水揚げの飛び魚が2尾で280円。
しかもお刺身可だというじゃないですか。
三枚におろして半身は炙りにしました。
上品な出汁がとれるお魚ですから美味しいに決まってます。
水っぽいのでちょっと炙った方がいいですね。




飛び魚のヅケ

先ほどの半身をヅケにしました。
先述のように水っぽいので
醤油に漬けて水分を除いた方が旨いです。




インゲンと杏茸のバター炒め

お友だちのcaieさんが
更にお友だちからもらったという杏茸。
お裾分けいただいたのでバターで炒めました^^
フローラルブーケを思わせるような
華やかな香りがしますので
和よりは洋の方がいいと思いまして。
バターとの相性、良かったです。
ご馳走様でした!


とまあ、こんな1.5日を送っておりました。
これらに加えてご飯とお味噌汁はデフォ。
狭いキッチンでよくやりますわ、と
我ながら感心します^^;


さあて、小休止も終わり!
もう少しお仕事頑張ります♪


三河の海魚vs川魚で初夏を堪能

2015年07月06日 | 和食
ずーっと雨降ってますね。
洗濯物が乾かない…
部屋干し・乾燥機は苦手なので
強引に軒下に干している今日この頃。
鬱陶しいばかりに思いますが
いいことが一つだけあります。
それは肌がツヤツヤしてること♪
単に湿度が高くて
ベタベタしてるだけって話もありますが^^;

さて、テーマのお話。
私の故郷であり現住地は
山海の幸に恵まれています。
少し車を走らせば大海も清流もある。
そこに棲む生き物も容易に手に入るという
食いしん坊にはたまらない街。
今回も恩恵にあずかりました。



先日い行なわれた展覧会

ギャラリーサンセリテさんの
アンテナギャラリーである
ギャラリー入船さん開かれました。
お酒が大好きだという作家さんの作品は
私の創作意欲をグイグイ刺激します。
若さと“男前な女性らしさ”がミックスし
独特の世界観を作り上げていました。



冷やしお抹茶と「したたり」

作家さんと料理やお酒談義をしながら
とても楽しい時間が過ごせました^^

そこで私の心を捉えたのは…






透け感の無い黒の小鉢に銀箔

銀なので時間とともに変化していきます。
ガラスなのに漆器のような漆黒にも惹かれました。
会場で盛ってみたい料理が思い浮かんだので
その足でスーパーアツミさんの魚コーナーへ。



伊良湖直送の鯒

伊良湖の昼競りから届いたもの。
活き〆にしてありました。
半身は昆布締めに(写真無し)
もう半身はこちらの料理に。



鯒のしんじょう・冷やし翡翠冬瓜餡

なるべく多色使いしたくないので
白と翡翠色だけで統一。
蒸したしんじょうも餡も冷製です。
冬瓜は外皮の緑を少しだけ残して塩茹でし
鯒のアラでとった出汁で炊いています。
あとは本葛で綴じて冷やし
しんじょうにかければ出来上がり。
本山葵を少しあしらっていただきます。
五感で初夏を感じられましたよ。



さて、別の日。
「そう」の連載コーナーで
鮎を扱うことがありました。
本物を追求する雑誌なので
養殖物を掲載して天然を語ることはできません。
っていうか、そんなこと私がしたくない。
でも、友釣りはもう何年もやっていないし
やったからってすぐに釣れるものでもない…
どうしようかと考えあぐねた結果
寒狭川で天然のおとり鮎を扱っているところを
何とか見つけることができたのです。



ご主人が毎日釣って来る天然鮎

もちろんこの流域でも放流してますから
厳密に言うと天然じゃないかもしれませんが
稚魚から成魚に至るまで
清流に生える苔を食んで育ってます。
全体的に黄身がかっているのが天然の証。
クンクン嗅ぐと西瓜の香りがしますよ~。
ご主人曰く「今が一番美味い」そう^^
「そう」用に購入するのはもちろん
ここまで来たからには自宅用も♪




鮎の塩焼き

踊り串をしましたが平坦(笑)
腸が美味し過ぎます!
青さと苦みを感じ、燗酒が進みすぎる。
身もふっくらとして甘みが強い。
いや、美味しいですわ。



小鮎の天ぷら

ご主人とお話ししていたら
「これお土産に持っていきなさい」と
おとり鮎には使えなさそうな
おチビさんをもらいました。
お腹が爆発しないように天ぷらで。
これもたまらない美味しさ!
本当にご馳走様です。



虹鱒の肝塩焼き

釣りから帰ってきたご主人が捌いていたので
何をしてるんですか?と伺ったところ
虹鱒の肝を取り出しているところだったみたい。
虹鱒の身より、こっちがお目当てなんですって。
塩焼きで食べると絶品だよとおっしゃるので
「食べてみたいなぁ」と呟いたら下さいました^^;
釣り人だけが食べられる珍味、最高でした!


海魚も素晴らしいけど川魚もピカイチ。
この土地に生まれたことに感謝します。




鶏の唐揚げ

脈絡はありませんが突然食べたくなりました。
米粉と片栗粉半々で揚げると
カラッと軽やかに揚がりますね。
もちろん油は圧搾の菜種油ですよ~。


以上です!

昨今の夕食風景

2015年05月25日 | 和食
のらりくらりお仕事をしていたツケがまわり
気ばっかり焦って遅々として進まず
ゴールが見えない今日この頃。
5月も終盤に差し掛かった…
6月の足音も聞こえてくる…
ほら、夏はもうすぐそこ…
的な表現を耳にすると
心拍数が160ぐらいに上がりそうです。
先日スーパーに行ったら
パートのオバサマ達が
お盆休みをいつとるか話し合っているのを耳にし
心底焦ってワキからヘンな汗が出てきました。
といいつつ、煮詰まっていては
余計に進まないので
ガス抜きさせてください。ぷすぷす。
料理の組み合わせや順番はバランバランです^^;



牛蒡と鴨もも肉の合焼き

牛蒡と鴨の脂の相性は抜群。
と私は思う…あまり聞かないが。
照りを纏った牛蒡は最強に美味しいです!
ちょっと濃いめの味付けが味噌。




魴鮄の中華風刺身

シンプルな酢と醤油ベースのドレッシングで。
お値打ちで見た目も美しく美味しいですよ~。



蕨ポン酢

ネットリしていい食感。



蕨・淡竹・豆ご飯

初夏の食材を一緒くたに。
ようは有り合わせってことです^^;
辻豆腐のお揚げさんでコクだし。




茶碗蒸し


子供の頃に食べ過ぎて
しばらくイヤになっていましたが
最近は急に食べたくなるものの一つ。
フルフルの火入れ具合で自画自賛。




アスパラ×エッグ

黄身の味を前面に出したかったので
ポーチドエッグに致しました。
福津農園さんの卵は
非常に優しい印象ですが
黄身の旨味成分は後からくる。
買うには早起きしなければならないのが難点^^;




アボカド豆サラダ





豆ご飯




初夏野菜の塩炒め


最寄りの産直がグリーンピース祭りなので
今年はやたらと食べている気がする…
そろそろ飽きてきたという贅沢な悩み(笑)
だいぶ皮が硬くなってきたからシーズンも終わりかな?
飽きる前にシーズンオフを迎えるから
来年も待ち遠しくなるのです。



あずき菜の菊花和え

あずき菜は美味しいけれど繊維が硬いので
長めに茹でて細かく刻むのが味噌。




三重県産蛤

三恵水産で500gが600円!安い!



う、うまっ。

塩も醤油も入りません。
本当は焼き蛤にしたいけど
うまく蝶番が切れないので蒸し蛤。
出た出汁は翌朝の雑炊用^^




朴葉寿司



中身は椎茸煮と去年のガリ、鰯の酢〆

巻く時に身が寄っちゃった。
美味しかったけれど。
そして葉っぱが表裏反対だったことが判明。
そう言えば去年作った時はツルツルを中にしてたよな…
香りはしっかり移りまして
味には影響ありませんでした。
次の山野草の会で作るので気をつけよう。




ある日の昼食

有り合わせです。
毎日判を押したような内容でして。
しかしこれを食べないと
午後のパワーがでないのですよ。
時報的な意味合いも強いかな。
取材以外は家に籠って執筆しているので
メリハリをつけるためにも
必要なランチタイムなのです。



と、こんな日々を送っております。
本当はGWの合宿のことや
先日のワイン会のことも書きたいのですが
それをやり出すと本業に支障をきたすので
もう少し落ち着いてから書くことにしますわ(~~;)

さーて。要分刻みの取材に出かけま~す。


浅蜊・筍、春うらら。

2015年04月24日 | 和食
恐らく今シーズンラストと思われる
潮干狩りに行ってきました。
漁場はもちろん小中山です。
今回はcaieさんご一家も一緒に^^
Dounagirls3人+殿方で黙々と狩りました。
新月の大潮翌日なのでよく引きましたが
蒔いた浅蜊も減少の一途を辿りつつあるのか
いつものスポットでの漁獲高は少なめ。
しかし、数多の熊手から難を逃れたでっかい浅蜊が
時折ひょいと顔を見せてくれるので
また出会えるに違いないと夢見て
エッホエッホ掘ること3時間。
良形ばかり選り好みしていたので
規定量一杯にするため最後焦りました^^;




漁獲高

かなり大きいのも混じり
形的には今年一番の粒ぞろい。
ただ、水温が高くなっているので
干潟の中でも処々臭うスポットがあり
もうシーズンは終わりだなぁと認識した次第です。



先ずは酒蒸し

開きたてを食べたいので卓上で行ないます。




今回一番大きい子^^




パカッ

身はまだパンパンです。
夕方には砂も吐いてくれていて
新鮮獲れたてをいただきました。
もう言葉になりません。



浅蜊のぬた

むき身の浅蜊と分葱に
八丁味噌のぬた衣で。
ぬたによっては信州味噌を使ったりしますが
浅蜊の場合は豆味噌が好きです。
熱燗が進みますね~。



浅蜊ご飯

浅蜊の出汁で炊いてから
蒸らし上がりに身を投入。




底のお焦げも混ぜちゃったので
薄汚い見た目ですが味ははなまる^^




浅蜊のお味噌汁

言わずもがな。
日本一美味い浅蜊で作ってますから。
うん。多分日本一だと思う。




地蛸の酢の物

三河湾の活き真蛸が手に入ったので
ヌメリをとって茹で蛸に。
蛇腹キュウリと合わせて
サッパリとした口取りにしました。


翌日も浅蜊づくし。
浅蜊と新玉葱と仙台油麩の卵とじ、
揚げ出し豆腐の浅蜊あんなどを作りましたが
ちょっと疲れてたので写真は無し^^;
残りはアッサリ目の佃煮にして終了です。
信頼できるお料理屋さんで頂く、
又は三恵水産さんで買う意外は
食べることは無いかもしれません。
私的浅蜊シーズン終了!
今年も一年分楽しませて頂きました。
ご馳走様でした!



さて、後半のお料理です。
産直で小ぶりの筍を4本買って
朝から下茹でしておきました。
取材の後にちょうどアツミさんの前を通りまして
昼競り到着する頃だったので
スーッと吸い込まれるように入店。




平貝



鯒と細魚

丸魚ならば提示された価格よりも
安価に手に入るのでもちろん丸魚で。




平貝、細魚、こちのお造り

あーー美味しい。
これが全部で1,550円。
ちなみに平貝は半分しか使用していないので
お造り代としては実質原価1,200円。
“外で食べたら換算”をするのが楽しくなる(笑)
添えたのは渥美半島でとれる浜防風。
天然ものですよ。全国的にも珍しいです。
まだあるので酢味噌和えにするつもり。



平貝のソテー

バターで焼いてお醤油タラリ。
ヒモ部分も味が濃くて好きです。
平貝の身はサクサクしていて
他の貝にはない食感。
お刺身ももちろん好きですが
ちょっと火を通した方が
旨味が出て尚いいですね。



鯒と細魚のアラの味噌汁

鯒は鱗が細かいので
熱湯をかけてしっかりと鱗取りします。
もちろんエラもとりましょうね。
濃くも上品なお出汁で美味ですよ。




筍ご飯炊きあがり



木の芽をパーンと叩いて添えて。
出汁は先日浅蜊をむき身する際に出た煮汁。
不味いわけがないでしょーよ。



アスパラの肉巻き

筍と一緒に買った地元の刈りたてアスパラ。
コップに水を張ってブスッとさし
立てたまま冷蔵庫で保管します。
アスパラは立てて保存しないと
乾燥するばっかりですから。
ボトムの方まで皮が柔らかいので
袴だけとってサッと下茹でし
館ヶ森アーク牧場の三枚肉で巻き
米粉を付けてクルクル回して焼いただけ。
シンプルですが贅沢な美味しさなんです。
アスパラ最高。




今日のお昼ご飯

前日の筍ご飯の残りを賞味。
美味しい外ランチもいいけれど
最近ばーさん味覚が顕著な私は
こういう地味なお弁当がお似合いです。


今晩は残りの鯒が楽しみだなぁ。
ぐふ。


普段使いできる朱塗りの鉢

2015年04月15日 | 和食

先日、ギャラリー入船で開催されていました
川勝英十津氏の「普段使いの漆器」展にお邪魔しました。
漆器と言うと、お手入れが大変なイメージが強く
安物の塗りの椀を使い古すぐらいしか能がない私ですが
「普段使い」というキャッチに思わず反応。
器は使ってなんぼ、という考え方を持っているので
愛でるだけの器に余り興味がありません。
蒔絵や螺鈿が施された類い稀なる漆器を見ても
美しいなぁ、とは思っても
手に入れたい、という思考には結びつかないのです。
それが、川勝氏の作品を見るやいなや
「わっ、欲しい!」と即物欲に直結。
錫を混ぜたいぶし銀さながらの皿や、
顔料を混ぜたシックなクリーム色の椀
使い道を考えると浮き浮きする片口など
私が財閥の娘だったら…と地団駄を踏みたくなるほど
どれにするか決めかねるラインナップでした。
そうそう、手にすると…驚くほど軽いんです。
ベースを桐で作っているため
持ち上げるとハッとする軽やかさ。
そして手に吸い付くような感覚が心地よいの。
ギャラリーオーナーのMさんと
「手が滑らないからいいですね」と
実用的に優れていることも相互確認。
最近、手元が危うくなっていますからねぇ(老人か)。
お手入れも普通の陶器とほぼ一緒で
難しく考えなくていいみたい。
まさに普段使いの漆器で理想的です。



里芋の揚げ出し

散々悩んだ結果、
布目のテクスチャーが印象的な朱塗りに決めました。
手にとってイメージをいろいろ膨らませ
地味な素材を合わせる想定を何度もしました。
里芋を盛ってみたいと思ったので揚げ出しに。
里芋を大きめに切って二度ほど茹でこぼし
だし汁をたっぷり煮含ませてから水気を切り
米粉をまぶして菜種油で揚げた後、
一番出汁の吸い地の上から盛っています。
面倒くさい工程を踏んでいるにもかかわらず
言わなければ分からない、
そうは見えない朴訥な料理こそ
この器に盛ってみたかったのです。
私ごときが言うのも何ですが
川勝氏の仕事にも通づるように思えたので。
Mさんにもお墨付きをいただいて嬉しい限り^^
いろいろご相談にのっていただき
本当にありがとうございました!



若竹煮

翌日は若竹煮を盛りました。
うーん。素敵だ。



肉豆腐

その翌日は肉豆腐に。
じみーな料理もこの器に盛ると
馬子にも衣装的な晴れやかさになりますね。
決してゴージャスではないけれど
人を惹き付けて止まない華がある。


大切に使えば一生もののこの器。
使い込んで私の色に染めていく所存です。


さて、その他のお料理を順不同でズラッと。




平飼い卵と白アスパラ

自家製のタルタルソースで。
実はこの白アスパラ、半額でした^^;
アスパラや椎茸は鮮度が落ちていると
半額でも絶対に手を出さないんですが
これはどうみても半額以上の価値がある。
そう睨んで調理したらやっぱり美味でした。
常に厳しい目で食材を見る鍛錬の賜物です。




筍ご飯




豆ご飯

春のご飯2連発^^
春の気候は苦手ですが
味覚には楽しませてもらってます。




ザル海老の唐揚げ

安ウマの最高傑作。
材料費200円以下でこの2倍あります。



黒ムツのお造り

三河湾産の丸魚を買ってきて
半身は皮を引いてお造りで
半身は皮付きのまま炙りにしました。




鱸のお造り

知人に頂いたので即三枚下ろし。
半身は現在昆布締めにしています。
伊良湖水道で獲れた鱸だそうですが
今まで食べた鱸の中でもベスト10に入る美味さ。
知人が当日の朝漁師さんにもらったそうなので
間違いないクオリティですね。




鯵の南蛮漬け

小鯵がひとザル100円だったので思わず購入。
ちょっと大きめなので丸1日合わせ酢に漬け
柔らかくしてからいただきました。




キャベツのまぐろ味噌炒め

先日、まぐろの頭が500円で売っていました。
グリルに入らないのでオーブンで焼いて
一生懸命食べましたが一晩では完食ならず。
翌日、余った身を屋久島名物の鯖味噌風に仕立てたのです。
そのままだとコラーゲンがプルプルで食べにくいので
炒め味噌にしたら調味料いらず。
今後活躍しそうです。



餃子

皮から作りましたよ。
見た目は悪いですが美味です^^
やっぱり餃子の皮は自家製に限ります。


つらつら書き連ねましたが
この様な日々を送っておりました。
新しい器が仲間入りして
またまた料理が楽しくなりそうです。