おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭

2015年12月30日 | お出かけ
奥三河が鮮やかな紅葉を纏っていた頃
お友達のかずくんに誘っていただきまして
鹿ジビエを堪能するために
ざんざ亭さんへと足を伸ばしました。
それにしても治部坂高原の紅葉は見事でした。
途中、激遅地元カーが
私の前を亀のように歩んでいて
予定の時刻を大幅に遅れてしまったため
写真を撮る余裕がありませんでした。
心はレーサーのように逸る一方、
運転はジェントルにと言い聞かせ…
来年は紅葉目的でドライブするぞ。



古民家を改装したざんざ亭さんのダイニング




怪しげな保存瓶がゴロゴロ



本日のお品書きです

完全予約制でコースは2種。
今回は一番シンプルなコースをセレクト。





前菜

お野菜の味が濃くて美味しい!
鹿土のアイデアも面白かったわ。
コンビーフ?のようなものなのです。
コンディアーか。




鹿のシャルキュトリーが満載。
春巻きの中も鹿肉パンパン。
これはお酒が進みますよ。
かずくん、わらびさん、ゴメンなさい^^;




自家製パンとレバーペースト

レバーペーストは新食感。
幾分記憶が薄れましたが…




猪と野菜のスープ

やや塩が弱いように感じましたが
猪の旨みを吸った野菜が美味しいです。
隼人瓜の新たな可能性を知りました。
煮物に入れたのを食べるのは初めて。



鹿骨ラーメン

鹿の骨からスープを抽出。
いりこも少し使っているようです。
味噌仕立てで少し濃いめのおみそ汁みたい。
こちらももう一塩欲しいところでしたが
飲み干すスープ、というコンセプトなら
まったく問題無いですし、美味しいです。



食用鬼灯とジェラート

鬼灯(ほおずき)が酸っぱくて目が覚めた。
食後感のいいデザートでしたよ。

お食事の途中、鹿が捕れたぞーっと
地元のおじさんがショベルカーを操り
命乞いの目でこちらを見つめる鹿を運んできました。
わらわらと外へ飛び出し
ひとしきり観察したあとは
また席に戻って鹿肉をいただく我々。
やっぱり感覚が常人離れしている^^;



シェフの腕と引き出しを探りたいので
宿泊してフルコースでいただこうとうことに。
雪の山道が心配ですが、
かずくんに運転技術を磨いてもらって
なんとかしてもらいましょう(笑)


ごちそうさまでした!

鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭


わらびさんご夫妻とお別れしまして、
Hちゃんと私は飯田のかず亭へ。




トリッパ・ビアンコ仕立て



フワ(牛の肺)煮込み



マッシュルームのファルシ



香茸リゾット


ダラダラ飲んで夜の帳が下りました。


かずくん、ごちそうさまね~♪
来年も合宿所の提供、宜しくお願いしますm(_ _)m

A trois temps 一周年コラボディナー

2015年12月29日 | お出かけ
もう今年も残すところあと3日なんですね…
仕事に区切りをつけるのも自分次第な私め、
まだまだ年末気分に浸っっている暇はございません^^;
お客様がお休み中のこの期間に
サクサク仕事を進めておけば年明けはラク。
大晦日まで頑張る所存でございます。


さて、すんごい前の楽しい記憶を
忘れ去る前に記録させていただきます。
実際にお会いしているのは数回なのに
なぜか旧知の友のように
親しみを感じてしまう
アトワタンさんのオーナーシェフから
オープン1周年コラボディナーのお誘いがありました。
山田シェフの師匠である
ムッシュ酒井さんとのコラボと聞けば
お断りする理由などございません。
で、意気揚々と一人で参加^^



スペシャルディナー



ライブ感がギンギン伝わってくる
厨房を見渡せるカウンターの
特等席に座らせていただき
これまたムッシュの弟子にあたる方と
マニアックなお話で盛り上がりました。



アミューズ
山田シェフ担当



ジャンボン ペルシェ

刻みパセリを効かせた豚の煮こごり料理。
ゼラチンは使いたくないというシェフの考えで
口どけはトゥルン、儚く溶けていきます。
私の心、しかと掴んでいただけました。




シャンピニオン ファルシ

生ハムなどを刻んだファルシ。
シャンパーニュが進みますよ。
実際進みすぎて、おかわり。




冷たい前菜
ヤリイカのブリュレ
焦がしバターのカリフラワーピュレ
からし菜とライムキャビアのサラダ
山田シェフ担当

ヤリイカは長崎産だったかしら?
飾り包丁を入れてサッと火を通したイカが甘いわ。
ピュレの塩梅も良かったです。



温かい前菜
栗の蜂蜜でキャラメリゼしたリー・ド・ヴォー
帆立貝のポワレ
菊芋のフォンデュ
酒井シェフ担当

フレンチの王道を行く料理でした。
リー・ド・ヴォーは
たっぷりのバターを使ってアロゼ。
作っている工程も丸見えだから
とてもお勉強になります。
そして、美味しかったなぁ。



伊良湖のスズキムニエル・石臼挽きの粗い小麦粉で
三河湾の赤海老・藻蟹のクリュスタッセソースヴァニラ風味
山田シェフ担当

かなり大型のスズキで体高もあるそう。
それに国産の粗い小麦粉をまぶして
香りも味わいもトースティーに仕上げてあります。
クリュスタッセソースは甲殻類と魚のソース。
どこまで手間をかけてくださるんでしょう^^
王道フレンチの存在感がありました。




あいち鴨とフォアグラのトゥルト
ソースポワヴラード
根菜のミルフィーユを添えて
酒井シェフ担当







美味しい…の一言に尽きます。
フレンチはこうあって欲しい。
クラシカルなレシピを堪能しました。
やっぱりすごいです、ムッシュ。




イチゴのクレームダンジュと洋梨のシャーベット

洋梨のシャーベット、美味し!


美味しいお料理を全身で堪能させていただきました。
酒井シェフと山田シェフの師弟関係を垣間見まして
お二人が真剣勝負で料理に望む姿は
見ていて清々しい気分になります。
料理って本当に奥が深い。
そして味は「人」が創り上げるものだと
改めて体感した次第です。


ご馳走様でございましたm(_ _)m

ディナー後にムッシュ酒井と
カウンターで楽しくお話できましたが
翌朝に福岡出張を控えていたので
深酒は禁物と、自制しまして帰宅。


いやはや楽しかったです^^
2周年も期待しています!









Kiitos会

2015年12月25日 | お出かけ
老人のように早い朝が続いております。
夜は掃愁箒(ようは酒)の誘惑で
店仕舞い時間が早々に来るので
朝にしわ寄せがくるだけの話です(笑)
お仕事の小休止がてら
過去の楽しき日々を振り返ります。
過去すぎて忘却の彼方へ旅立った部分も多いので
サラリ説明でご勘弁を。


過日、友人のYちゃんが主催してくれた会のこと。
一度は訪れてみたかったKiitosさんで
全てお店のご主人お任せの貸切会という
魅力的な内容に二つ返事で参加表明。
ワインも全てコミコミ価格という割には
後半、セラーに足しげく通う人がいて
いろんなワインをポンポン開けてたのは気のせい?
美味しかったから結果オーライの大歓迎ですが(笑)




生牡蠣

私のために生まれてきてくれてありがとう。




カプレーゼ

ブッファーラです。
水牛のミルクが濃厚。





ブリのカルパッチョ




サンマのグリルと有機野菜のサラダ





サーモンのグリル



シェフお手製のサルシッチャ

いい塩梅でワインがすすみます。




チキンの型押し焼き?




トマトソースのパスタ

これは鮮明に覚えています。
かなりニンニクが効いていますが
病みつきになる美味しさ。




すみません。
ほとんど説明なしです。



友人たちとの会話が盛り上がりすぎて
声を張ったせいか喉がカラカラ。
潤すべくワインを滔々と流し込んだら
いつもの通り詳細は失念。
しかし、シンプルながらも美味しかったことは
舌がしっかりと覚えております。
先ほど申し上げたように
後半魅力的なワインが数本開いたから
その写真ぐらいは撮っておくべきだったと後悔。
最近、美味しいと思ったワインさえ
覚ようとする気概が無い自分が情けないです。
昔はエチケットの回収とメモを欠かさなかったのにな。

ま、酒は愁の玉箒。
楽しい記憶も掃き清めてしまうのよ。



Kiitos


ということで、仕事に戻りまーす🎶



讃岐うどん紀行 in 東京

2015年12月16日 | 旅(国内)
先週から今週にかけて
刈谷での取材が続いておりました。
噂には聞いておりましたが
有楽街の充実ぶりがハンパない…
真っ昼間っから客引きの男性が
お店の前で揉み手をして待ち構えております。
しかも周りの駐車場はほぼ満車^^;
場違いな街に迷い込んだ私は
年甲斐もなくオロオロ・ビクビク。
レフ板やカメラやら三脚を提げて
客引きのお兄さんの視線を感じながら
小走りで通り過ぎようとしたら


「・・・・・・」


お兄さんが私に向かって何か言ってます。
まるで漫画のように肩をビクッとさせ
恐る恐るお兄さんの方を見ますと


「後ろから車来てるから危ないよ」


後ろを振り返ると
エンジン音をほとんどさせず
HV車が至近距離まで近づいてました…
お兄さん、ただのいい人じゃん。
私は一体何を怖がっていたのか。
はたまた一体何を期待していたのか。
連れ去られて働かされるはずもないのにね。
でも、熟女●●●とかもあったしさ(笑)


さて、テーマの話。
ちょっと前になりますが
用事があって東京に出まして
ついでに讃岐うどん巡りをしてきました。




神田一福

讃岐の名店が神田に出店。
一度は訪れたいと思っていましたので。
大混雑を予想していたら
肩すかしを食らったように空いてました。




とり天とひやかけ



本店と同様に細マッチョ。
のど越しがいいですね~




丸香

こちらは打って変わって大混雑。
昼のピークとか関係ないですね。
訪れたのは14時頃でしたが
外の行列は途切れることを知りません。




ひやかけ

相変わらず美しい容貌です。
照明がLEDなのか
ホワイトバランスがおかしいのはご容赦を。
歯を押し返す弾力は流石。
ちょっと醤油がひっかかりますが。




いわい

十条まで足を伸ばしました。
人情味溢れる商店街に位置します。



ひやかけ

お値段も良心的でびっくり。
東京価格じゃありませんよ…
そしてうどんも出汁もレベルが高い!
3店舗の中で一番好みです。



何度も言いますが基本蕎麦党です。
讃岐うどんを食べるのは
オリエンテーリング的な楽しみ(笑)


ご馳走様でした!


さて、仕事にもどります。
現在の時刻は午前6時…
時間がいくらあっても足りないわ^^;

かもし部 第一回部活動 at 西尾&碧南

2015年12月10日 | イベント
かなーり前の話ですが
プリミティブの某オーナーシェフが
有志を募って「かもし部」なるものを結成しました。
記念する第一回目の部活動を
醸しの里・碧南を中心に行なった訳です。
あれはまだ残暑厳しい頃でした…
北海道から帰ってきた翌日だったっけ。


ここでちょっと私の醸しストーリー。
小学生の頃から食に対する興味が異常で
会席料理やフランス料理に連れて行ってもらうと
自分でまねごと的なことをしていました。
しかし、まねごとの粋を出ることは無く
調味料の善し悪しまでは考えが及びません。
それが大学に入りまして
日本酒を売りにしている割烹でアルバイトし
見たことも無い銘柄の調味料が
ズラリと並んでいるのを目の当たりにしたのです。
板さんは京都の有名料亭で花板まで勤め上げた人で
素材と調味料にはひとかたならぬ思い入れがありました。

「mieちゃん、腕に自身が無いなら
まず良い調味料を揃えることだよ。
良い調味料さえ使っていれば
そこそこ良い味にはなるから」

ここから私の料理観がガラリと激変。
一人暮らしには似つかわしくない調味料を揃え
出汁の取り方もきっちりと教わり
出汁巻き卵の作り方を盗み見し、
角煮を上品に作る方法も会得。
発酵調味料と歩む人生がスタートした訳です。
そして今現うちの冷蔵庫には
味噌が5種類、醤油が6種類存在。
全部封開けてガンガン使ってます(笑)



さて、私のストーリーはここまで。
部活動のご報告をサラリとしますね。




西尾のはと屋さんへ

社長のマニアックな講義を拝聴。




木桶



熟練を要する石積み



味噌玉



3年ものの豆味噌




3年ものの生引きだまり

これ、感動的に美味しかった!
ちなみに非売品です^^;



お次ぎは角谷文治朗商店さんへ

言わずと知れた三河味醂の醸造元。



飲み比べします



餅米の使い方が贅沢過ぎる




工場も見学







お次ぎは日東醸造さんへ



会議室?の梁と水車が歴史を物語る



社長の熱い思いが詰まったしろたまり

前にもご説明しましたが
しろたまりは足助で醸しています。
瓶詰め加工は碧南工場で行ないますが。



白醤油の製造工場見学



板滓

かなり塩っぱいです。




白醤油としろたまり嘗め比べ




過去にワークショップで作ったしろたまり

私も自分で作ってみたいなぁ。



いやぁ、有意義な時間でした!




懇親会は小伴天さんで

発酵調味料をふんだんに使った特別メニュー。
最後に名物の鰻丼が登場して
皆さんかなりお腹が一杯になった様子。


三河が誇る発酵調味料文化に触れ
この地のポテンシャルの高さを
改めて認識しました。
味噌・醤油・味醂・酒(?)・塩。
砂糖以外の基礎調味料が揃う三河万歳!


もう、2回目・3回目の部活動もしてますが
私は仕事が忙しくて行けて無いわ。
4回目は何としてでもいかねば…


Bシェフ、日東醸造の蜷川社長、
お世話になりました&有り難うございました!



作ること 仕事すること

2015年12月07日 | つぶやき
去る土曜日、
「あいちトリエンナーレ2016」のプログラムのひとつ
「トリエンナーレスクール」で
招待作家であり、我らが編集長の
味岡伸太郎氏の講演を拝聴して参りました。

結論…

味岡伸太郎氏は偉大過ぎる。


お話を伺えば伺う程
突きつけられる事実です。
刺激的な2時間でございましたが
一番大きく感銘を受けたのは

倦怠からは何も生まれない

ということ。
天才と賞賛される画家や音楽家が
破滅の道を辿るケースが多々あるように
やり切ってしまったその先に
何も見いだせなくなったら
自暴自棄になり、最後には自刃することも。
味岡氏はそのことを十分理解しているから
「やり切る」というゴールを設けず
仕事に境界線を引かないのではないでしょうか?

画家であり、陶芸家であり、華道家であり
フォント制作もし、グラフィックデザイナーでもある。
雑誌の編集長であり、自らも執筆寄稿。
これと、あれをやってやろう、という意思はなく
全てが繋がっているのだと私は理解しました。


季刊誌「そう」の成り立ちも
7年も携わってようやく解った気がします。
旅行本でもない、歴史本でもない・・・
季刊誌「そう」はどのジャンルにも当てはまりません。
何故なら、毎回内容が流動的だから。
キーワードをひとつ設定し
そのキーワードにひっかかる事象を
片っ端からかき集めて
この地域に関連するものを抽出し
ライターが自分のフィルターを通して書く。
キーワードは星の数ほどあり
何百年経っても尽きることは無いでしょう。
だからゴールが無いし、飽きないのです。
味岡伸太郎氏の真髄ですね。
そこへ参画できていることを
心から幸せだと感じることができました。


また、現在味岡氏が行なっている
土に関する活動の話も
私の頭にガツンと衝撃を与えました。
まさに味岡道をいくものです。
テーマに沿って掘るポイントだけは決めますが
掘った土を選り分けることはありません。
土と対峙し、ありのままを受け止めて
作品へと昇華させるのです。
この内容に私はハッとしました。


「今の私に仕事を選んでいる余裕は無い」
という理由で全てのお仕事を
断ること無くお受けしておりますが
こう考えること自体が烏滸がまし過ぎますね。
今まで執筆してきた事実があるから
また違う執筆のご依頼をいただくのであって
それは選り好みするも何も
お受けするのが至極当然なのです。
新しい出会いと新しい知識をもたらし
自分の人生を豊かにしてくれるに決まってる。
嗚呼。何で今まで気付かなかったのでしょう。
ひとつとして同じ仕事などはなく
仕事に飽きている暇なんかありません。
「そう」が毎回キーワードを違えるように
毎回新たな気持ちで臨み
完成形から入るのではなく
結果として面白いモノになっていた…
そういう姿勢でありたいと思います。


私自身、何が言いたいのかよく分からないんですから
読んでいる方はさっぱり分からないと思います(笑)
とにかく、衝撃的な講演だったとご理解下さい。




才能が無いことを嘆いたって何も始まりません。
物事は捉え方次第で
つまらないものにも、魅力あるものにも見える。
だったら、つまらないものと捉えなければいい。


がんばるべ。