おうちBAR開店

本格的なパーティー料理から手抜きお手軽料理まで、私のキッチンから発信します。毎日の出来事を含めて楽しくご紹介。

旅は道連れ、余は食欲。/2日目

2017年11月29日 | 旅(国内)
貧乏で暇より
貧乏暇無しの方が100倍幸せだと
自分に言い聞かせております今日この頃(笑)
みなさま、お元気でらっしゃいますでしょうか?

さて、1日目の投稿から日にちが経ちましたが
北海道取材旅2日目のご報告をいたします。
ジンギスカンをたっぷり食べた翌朝って
羊くさいんですね(笑)
取材先様は北海道民なので
きっと理解してくださるだろうと
体から漂う羊フレーバーから意識を遠ざけ
元気に出発いたします。

お約束の時間まで少し時間に余裕があったので
十勝清水町のあすなろファームへ。



北海道らしい風景が広がります



仲良く水飲み

と目を細めて眺めていたら
この後熾烈な水場争いが始まりました(笑)



あすなろファーム

ここで作っている数量限定の
バターが欲しかったんです。
牧草を食んで育つこの時期のミルクには
カロテンが豊富に含まれています。
よってバターもオレンジがかっているんですよ。
この日はかなり日差しが強くて暑かった・・・
バターなんか買って大丈夫か?と思いつつ
買い物欲求には勝てませんでした。
最良の状態ではないかもしれませんが
なんとか無事連れて帰った次第です。



珍しくソフトクリームなぞ

今でこそ甘いものは我が人生に必要無し、
なんて言っておりますけれど
お酒を嗜むようになるまでは
三度の飯と甘いもの!な乙女でした。
特にソフトクリームが大好きで
大学の学食でよく食べたものです。
その学食、自分で盛らせてくれたんですよ。
いわば詰め放題的なシステム。しかも100円!
調子に乗った私は
コーンの上でグルグルグルグル巻き続けました。
重さに耐えかねたとぐろ状のソフトクリームは
ピサの斜塔のように傾斜していくではありませんか。
危ない!と思って小皿でキャッチし
学食のレジへ意気揚々と向かったわけです。
すると、レジのおばさんの眉毛がピクリと痙攣。
「それはアカンわ。150円もらうで」ですと。
「お皿で受けちゃダメなんて書いてないじゃないですか…」
と弱々しい声で抗議するも
鼻で笑われ相手にされません。
何事も節度を持って行動しなければダメなのだと
世間の厳しさを知った18歳の春でした。
その後、セルフシステムは撤廃されました(笑)


さて、そんな思い出は置いといて
時間があるうちにお昼ご飯を食べてしまおうと
また彼にお店探しをしてもらいました。




スープカレーのビリーブ


札幌の有名スープカレー店のプロデュースですって。



サフランライス



スープカレー

鶏もも肉と根野菜がゴロゴロ。
桜エビが加えられていますが
よく考えたら私、そっち方面から来たんですね。
ボリューミーでしたが
サラサラスープなので食後感は軽やかでした。


この後、無事十勝の農家さんを取材。
お忙しいことは承知していたので
あっという間に終わってしまうかもしれない…
と覚悟していたところ
思いの外お話が盛り上がってロングインタビューに。
終了したのは陽が傾き始めた頃でした。
色々お土産を頂戴しまして農園をあとに。
写真の撮れ高次第によっては
翌日も撮影にさく予定でしたから
二日目の宿はとってません。
この日も帯広で宿泊するか
札幌まで行ってしまうか協議しまして
札幌で宿泊することにしました。
200キロ強走りまして21時ごろ札幌市内へ。
午前中のスープカレー以来
何もお腹に入れてないので
とにかくお腹空いております。




味噌ラーメンとチャーハン頼んじゃった

あまりにもお腹が空き過ぎていて
夜の炭水化物を制御する理性は何処へやら。
色々と不安があった取材が無事終了し
心からホッとしたこともあり
炭水化物がするする入ること(笑)
ま、たまにはいいですよね^^



旅は道連れ、余は食欲。/2日目 〜完〜

旅は道連れ、余は食欲。/1日目

2017年11月21日 | 旅(国内)
母の3周忌の翌日から
お仕事で北海道に旅立ちました。
出発に際してすったもんだがありましたが
無事北の大地へ到着。
今回の取材は
私よりもふた周り以上年下の
若いライターさんが同行してくれました。
一応一人取材の奥義をお教えする目的です。
あまりにも歳が離れているため
ジェネレーションギャップなぞ生じもせず
私としては息子を見守るような心持ち(笑)
珍道中の始まり始まり。



支笏湖

翌日に十勝で取材があるため
前日に北海道入りしました。
せっかくなので景観のよろしいところへ
ライターさんをお連れします。






曇天ながらも雄大さに心打たれますね。


その後は富良野へ足を運ぼうと思いましたが
空港のレンタカー手続きに思いの外時間がかかり
断念して江別の蕎麦屋へ向かいます。



手打ちそば 雪月花

私は運転に専念するため
お店選びは彼にお願いしました。



庶民的な佇まいながら



中はモダン

外観と内観のギャップが凄すぎる(笑)


私は例のごとくもりとかけをオーダー。



もりそば

綺麗に断たれていかにも美味しそう。
北海道は早稲が多いので
しばらくすると新蕎麦が出回るでしょうが
このタイミングではまだでした。
とはいえ、香り高く喉越しもよし。
噛むと蕎麦の甘みと香ばしさが広がります。
蕎麦汁も変に昆布とか立っておらず
非常にスッキリとした味わいでした。



かけそば

湯伸びせずかけでも喉越し健在。
かけ汁も甘すぎず好感度高いです。


若いライターさんは豚丼ともりのセット。
同時に出てくるセットメニューよりも
時間差で出てくる私の方が
怒涛の追い上げで先制ゴール(笑)
食べるの早すぎる…
何とかしたいのですけど
これは幼少時からの習慣で治りません。
近所のうどん屋で
熱いうどんを驚異のスピードで平らげる父に
置いてかれまじと培った早食い技術。
そして会社員時代に紅一点(紅と言っていいのやら)だったことから
男衆と同じスピード、
場合によってはそれを上回るスピードで
食べ切る習慣が身についてしまったのです。
ちなみにお酒が入ると食べるスピード牛歩です^^;


そんなこんなで
遅めのお昼をとりまして
この日の宿泊地である帯広へ。



六花亭本店でマルセイバターサンドアイス

一度食べてみたかったんです。
甘いものに興味はさほどありませんが
アイスクリーム類は比較的好き。
ライター君におすそ分けしたところ
ちょっとお腹いっぱいになっちゃったみたい。
お連れすると約束していた絶品ジンギスカンは
一人でつつくことになりました。



有楽町

2年ぶりの訪問です。
帯広から西帯広までは電車で向かいました。
これまた電車の本数が少ないんですよ^^;


こんな感じ

帰りの電車時刻を逆算して食事しなければなりません。
東京みたいに一駅だったらタクシーワンメーター圏内
ってわけにはいきませんからね。



お疲れ様ビール♪

やっぱりサッポロですね。
周りを見渡すと皆大ジョッキ。
妙齢の私は中ジョッキを重ねます。



一人二台体制で贅沢仕様



まずはホルモン1人前

エッジが立って新鮮さを物語っています。
味噌を絡めながらしっかり焼いていただきますと
ビールが嘘のように進みました。



ジンギスカン2人前

厚切りにしたジンギスカンが
いかにも美味しそうですね。




鍋に直近で食べたい分だけ載せます

臭みが全くないので
サッサと焼いていただくのがベター。
一人焼肉は下手すると10分で終了するので
帰りの時間を頭に入れながら
焼いて休んで焼いて休んで…



ふと目を前に向けると

ストイックなTシャツだわ(笑)
高校生たちの猛烈な食欲に圧倒されました。
私も高校の水泳部時代には
食べ放題の焼き肉店店主を
底なし沼のような食欲でビビらせたものでした。


私が黙々と食べビールをお代わりしていると
陸上部と思しき彼らがチラチラと振り返る。
「一人ジンギス、寂しすぎー」とか
「あいつ誰かに似てね?」
とか盛り上がっていたのでしょうか。
会話の内容はわかりませんが
ジンギスを囲み貪る彼らに
楽しい話題を提供できたのなら本望です。


ジンギスカンは相変わらず美味でした。
高校生のお財布に優しいお値段も魅力的です。
すなわち私のお財布にも優しい^^
満足して予定通りの時刻に西帯広駅ホームへ到着。
しばらく涼みながら待っていたところ
反対方向のホームにいたことに気づく。
電車到着間際に陸橋を駆け上って間に合いました。
ゼエゼエ…
旅にうっかりはつきものですもんね。
私だけか^^;



旅は道連れ、余は食欲。/1日目 〜完〜

母の三回忌は食べ供養

2017年11月15日 | お出かけ
9月3日は母の命日。
命日、という言葉を使うこと自体
まだまだしっくりこないです。
しかし時は無情にも刻み続け
とうとう2年が経ってしまいました。
姉からの電話で母の急逝を知り
スマホを握りしめながら
「嘘でしょ?嘘でしょ?」と言いながら
子供のように地団駄踏んだあの瞬間。
不思議な話ですが
そんな自分を俯瞰で見ている自分がいました。
極度のストレスを受けると
妙に冷静になる私がいるみたいです。
そこから荼毘に伏すまでは
狐につままれたような時間でした。

ちょうど命日が三回忌。
伯父や叔母家族、姉家族が一堂に会し
お寺さんでお経をあげていただきました。
そのあとは私セレクトの席でお食事会。
とんでもない食いしん坊の母でしたし
母の兄たちや妹も同じく食いしん坊。
適当なお店では許されません。
以前取材でお世話になった
「三幸寿司」にお願いしました。



お造り



渡り蟹





焼き大蛤と畳鰯


茶碗蒸し


桜エビ・鱚・稚鮎の天ぷら


握り寿し


わらび餅

三河湾の幸を中心に
極力天然物を提供したいという三幸寿司さん。
この日は他にも法事が入っていたようですが
出していただくタイミングも抜群で
皆美味しいと喜んでくれたようで何よりです^^
ごちそうさまでした。
うちの母も根っからの天然でして(笑)
そんな母の思い出話に花を咲かせ大笑い。
底抜けに明るいT家に生まれてよかったと
運命に感謝した次第です。



一番上の姉家族はこの日豊橋に宿泊。
真ん中の姉も蒲郡だから帰れるのに
同じく豊橋で宿泊。
その理由は、時間を気にせず飲みたいから(笑)


ってことで



かんぱーい♪

夜の部はFUCAさんでアラカルト。
ワインのセレクトをお任せすると
ソムリエさんが嬉々として対応してくれます。
私がたくさん飲むことはご存知なので
まるで水を得た魚のよう(笑)




田舎風パテ



ヤリイカのフリット



タコのマリネ


秋刀魚のコンフィ



2本目行きますよ

これ美味しかったなぁ。



ハタのグリル



牛ほほ肉のワイン煮込み



段戸牛のタリアータ



リゾット



オレッキエッテのジェノベーゼ

すみません、説明もなく^^;
引き続き母の話で盛り上がり
写真を撮るのが精一杯でした。
幼い頃から逃亡癖があった私の話や
(パンツ一丁で家から飛び出す癖があったそうです^^;
それが今の放浪癖につながっているのかしら…)
私が意識不明状態になったら
眉毛がつながらないように剃ってね(笑)
なんて馬鹿な話をしながら夜は更けました。


思えば母の旅立ちを見届けるまでの数日間
号泣の合間にも笑いがあった私たち三姉妹。
一人では押し潰されそうな悲しみも
三人いたので乗り越えられました。
朗らかな姉たちの妹として産んでくれた母に
改めて感謝しております。
目指せ!銀さんの娘さんたち♪



翌朝は早朝から北海道出張

かなり酔っ払いましたが
なんとか起きることができました^^;
2年前もこの時期北海道出張だったな…
最後に母の声を聞いたのが北の大地の空の下。
「センスのいいお花屋さんを教えて」
という内容の電話でした。
母の家に残っていたその時のメモ。
私のお財布の中に入れてあります。

さて、
50歳で初めて会社員になった母に負けないよう
私もお仕事頑張らねば!

淑女会Vol.11・葉月の章/Rocco

2017年11月14日 | 淑女会
牛歩更新のため3ヶ月遅れの投稿です^^;
以前は飲食した当日に更新したりしてましたが
そんなマメな時代は遠い昔のおとぎ話レベル。
どんどん遅れてどんどん忘れていきます。
こうして人間は年月を重ねるとともに
図太く大らかになっていくんですね(笑)


さて、あれはまだ暑さ残る夏の夜の宴。
とはいえ8月の終わりは
陽が傾けば秋の気配を感じるため
このタイミングで浴衣を着ないと
今シーズンは箪笥に直行だね、と
メンバーのYっ子ちゃんとともに
浴衣を着る約束をしました。
クーラーをガンガンにかけて
YouTubeで帯の結び方を再確認し
何とか着付け完了させて
日の高いうちに名古屋へ向かいます。



まずはビアブレイク

まずはゼロ次回で3人集合。
大須のトランクコーヒーで
クラフトビアを駆けつけ一杯。
こちらのお店
バリアフリーとは真反対の設えで
まずお店に入るときに一苦労。
浴衣だと股が開かないから
エントランスの階段が登れない^^;
しかも空いているお席が
螺旋階段を上った先だったので
表面張力生じるまで注いでもらったビールが
ここまで減っちゃいました(笑)
洋服着用で足腰に問題抱えてなければ
ストレスフリーだと思いますので悪しからず。

さて、ほんのり良い気分になったところで
本日のメイン会場へ移動します。



小皿料理 Rocco

鶴舞にありますシチリア料理店。
以前みんなで貸切会をいたしまして
非常に気に入ってしまったお店です。
素材使いや塩づかいが私のツボまっしぐら。
晴れて淑女会会場になりました。



まずはイル・ヴェイで乾杯♪

伸びやかで少しクリスピーな白。
暑さ残るこの時期にぴったりです。
あっという間になくなりました。
ここから食欲に取り憑かれた我々を
魅了・満了する料理達がドドーッと続きます。



その前にオッキピンティの白


なぜかもう一回乾杯^^;



岩手県ジオファームのフレッシュマッシュルームサラダ

このマッシュルームが驚くほど美味!
これが食べたいがために
会が発足したみたいです。私は不参加。
歯がサクッと入るのは新鮮な証拠。
広がる香りと旨味に酔いしれました。



旬のイワシのマリネ

イワシの旬は真夏です。
脂ノリノリのイワシをマリネ。
シェフ、塩と酸のセンスが本当にいいの。


パネッレ

シチリアの郷土料理です。
ひよこ豆の粉を水で練って揚げた
香ばしくて味わい深いスナック的一品。
塩味がちょうどよくて
ワインがいくらでも進みます。



詰め物をしたヤリイカのオーブン焼き

こちらもシチリアの郷土料理。
現地ではリピエーニと呼ばれています。
オイルを含ませたパン粉とゲソなどが
イカの胴体を押し広げるようにぎゅうぎゅう詰め。
パン粉に卵が入ってるのかな?
とてもしっとりしています。



米ナスとトマトのパルミジャーノチーズ焼き

間違いない組み合わせです。
ナスがトロリとして美味♪



肉団子のトマトソース煮込み

シチリアでいう「ポルペッテ」。
肉感のしっかりした肉団子を
トマトソースで煮込んであります。
香味野菜も相まって味わい深い。



ナポリの溺れダコ「ポルポ・アッフォガード」

ナポリの名物料理ですね。
タコにトマトの旨味を纏わせて
シンプルに煮た一品です。
以前、各国の郷土料理を紹介するテレビ番組で
漁港の岸壁にタコを何度も叩きつけ
繊維をほぐして柔らかくする光景を見かけましたが
イタリアでは今もそうやって柔らかくしているのかしら?
見てみたいww



手羽元のイスキア風煮込み

ナポリ湾に浮かぶイスキア島。
現地ではウサギを煮込むらしいです。
ロッコさんでは鶏手羽を代用していました。
定義は骨つきの肉を使い
白ワイン、ニンニク、トマトで煮込むらしい。
イスキア島のマンマの味なんでしょう。



フォカッチャ

もちろん自家製です。



自家製ソーセージの軽い煮込み

デーンと一本登場しました。
皮にナイフを入れて口に放り込むと
肉の旨味がジュワッと広がりますよ。




岩手県ジオファームのマッシュルーム玉子焼き

マッシュルームがあまりにも美味しかったので
玉子焼きもオーダーしました。
火を入れると生とは違う香りと旨味が楽しめます。




子羊のラグー「パスタ・ヴェスビオ」

子羊のお肉がゴロッとしていました。
ヴェスビオ火山をかたどった(?)
耳みたいな構造のパスタにソースと具が絡み
余すところなくお口へと届けてくれます。
これ、かなり美味でございました。




あさりとトマトの手打ちパスタ

平打ち太打ちのパスタが
あさりのエキスをたっぷり吸収して逃しません。



トマトと無花果のパスタ

料理に果物は苦手な私ですが
無花果には寛容です。
穏やかな甘みと塩加減がマッチし
ラストを飾る一品にふさわしかった気がします。
記憶がだいぶ曖昧…

小皿料理とはいえ
よく食べてよく飲みました^^;
どれもこれも美味しくて
食べてない料理に興味と期待が
際限なく湧いてくるから仕方ないです。
近くにあったら絶対通いたいお店。
ごちそうさまでした!


淑女達ととりとめも無い話に興じ
美味しいお料理と自由なワインを飲めば
気分も開放的になって行動も大胆に。



ヨタヨタ夜道を歩きます

私(右)が介抱しているようですが
実は私の方がヨタヨタ(汗)
中央線を乗り継いで豊橋まで帰宅したのでした。
おしまい。


と言いたいところですが
そうは問屋が卸さないのが
うっかりクイーンの異名を持つ私め。
なぜか目覚めたら
名古屋駅とは真反対の「神領駅」でした。
何が起きたのか分からず下車。
もう名古屋行きの最終電車は終わってます(涙)
神領駅周辺は夜の静寂に包まれ
ここで一夜を過ごすのは無理だと判断。
宿を探そうとタクシーに乗り込み
春日井駅前のホテルで降ろしてもらったところ
この日は満室だとさ(号泣)
またタクシーを拾って運転手さんに事情を説明すると
確実に宿を取りたいなら
名古屋まで行った方がいいとのアドバイス。
運転手さん、浴衣でオロオロする私を不憫に思ったのか
名古屋のだいぶ手前でメーターを止めてくれ
ホテルまで予約してくれました(T_T)
おかげさまで浴衣で野宿の危機は避けられた次第です。
タクシーと宿、無駄遣い極まりない出費ですけど
身から出た鯖、じゃなくて錆。
優しい運転手さんの懐が潤うなら本望だわ。
起きたことは仕方ないと忘れ(これがいけないw)
綺麗にメイキングされたベッドで休みました。
泊まることなんか想定していないので
翌朝は再び浴衣を着付けチェックアウト。
平日の通勤ラッシュに浴衣姿は浮きまくりです。
目線を落として歩くと
後ろ暗いことをしてきた人みたいなので
胸を張って堂々と電車に乗り込みました。
「今から盆踊り行きますけど、何か?」的な雰囲気で(笑)

そんなこんなで
淑女の定義から丸外れな私ですが
これからも淑女会のメンバーとして
居座り続けさせていただきます。
かしこ。


淑女会Vol.11・長月の章/Rocco 〜完〜

石臼挽き手打 蕎楽亭

2017年11月10日 | 蕎麦
東京二日目。
お昼が蕎麦モードなのはいつものこと。
たまには新規開拓したいと思うも
行ってみたいお店は拠点からかなり離れています。
思い立ったら吉日で
サクッと手繰りたいのが蕎麦。
思い立ってから足を運ぶと
空腹マックスどころか
電池切れになること間違いなしなので
遠出する気になれないんですよね^^;
ということで神楽坂の蕎楽亭へ。



石臼挽き手打 蕎楽亭

神楽坂の目抜き通りから
一本入ったところにございます。
この日は待ち客もそこそこおり中に入れず
しばらく外のベンチで座ってました。
8月終わりの昼下がり。
暑くて仕方なかったです。



ということで昼ビール

一人カウンターにねじ込んでいただき
まずはビールで喉を潤します。
両サイドの方は日本酒を楽しんでいらっしゃいました。



稚鮎の天ぷら

前回はカウンターから
油の臭いが少々立っていたので
天ぷらは遠慮しました。
今回は大丈夫そうなので鮎を一匹。
生簀から網ですくって揚げてくれます。
匍匐前進を始めそうな鮎は
ほろ苦い肝が好印象でした。



むぎめおと

ひやむぎとざるそばの合い盛りです。
ひやむぎ、前回とはかなり印象違います。
全粒粉を使っているのかな?
ほうじ茶のような色をしておりまして
つやつやと輝いております。
艶かしいタッチで唇をすり抜け
韓国冷麺をソフトにしたような弾力が感じられました。
小麦粉の香りも高いですよ。
これは美味。


ざるそばは滑りある食感ながらも
噛むと確かな歯ごたえを感じさせ
穀物由来の甘さが後から追いかけてきます。
荒々しさとは真反対にある蕎麦です。



去年のむぎめおと

参考までに去年の写真。
ね?全然違いますよね。
去年の方がいわゆる冷麦の見た目です。



お汁はひやむぎと蕎麦別々で用意

ひやむぎの汁はやや甘め。
蕎麦の汁は江戸前ではなく
ご主人の出身地である
福島風なのかな?
返しも出汁も丸みがあります。


かけも行きたいところでしたが
おやつにヴィロンのカスクルートが食べたいという理由で
グッとこらえて店を後にしました。
期待を裏切らないいいお店です。
近所に欲しい、というか
この近辺に住みたいわ・・・無理か。


ごちそうさまでした!


イタリアン・レストラン DA OLMO

2017年11月09日 | お出かけ
昨日、お顔のファンデーションがなくなったので
化粧品メーカーのカウンターへ立ち寄りました。
ついでにお肌診断をしてくれるというのでお願いすると
肌のキメが整い、ハリもあるとの診断結果。
ちゃんとお手入れされているんですね、と問われ
ちゃんとしたお手入れってなんだろう…と自問自答。
実は最近、熱燗の余りを顔にパシャパシャ叩きつけ
皮膚科でもらった保湿クリームに
日本蜜蜂の蜂蜜を混ぜて塗っているだけなんです。
それでこの診断結果。
高級な化粧品は必要ないと悟ってしまいました(笑)
若い頃は化粧品に大枚をはたきまくりまして
ブツブツが出たと言っては
ジプシーのようにあらゆるメーカーを彷徨い
30代前半には酷い肌状態だったんです。
そんな折、たまたま取材で訪れた皮膚科の先生が
「それ化粧品かぶれじゃないかな」と
私の顔をまじまじと見つめて言うではありませんか。
見るに見かねたのか
保存料に頼らない使い切りのドクターズコスメを薦めてくれました。
それまで使っていた化粧品から切り替えたところ
嘘のようにお肌の状態が回復。
長年、肌が弱い弱いと思っておりましたが
弱いというよりは不必要なものに反応する
正常なお肌だったんですね。
それからと言うものどんどん引き算美容になり
今では先ほど述べたようなものしか塗ってません。
お金がかからなくていいわ♪

思えば風邪もひかないし
アレルギーもないし(アニサキス以外)
目も歯も胃腸も丈夫。肝臓は知りません。
その点ではお金のかからない人生です。
しかし…お金が一向にたまらないのはなぜ?
それどころか湯水のように流れ出ていく。
答えは簡単。
飲み食いに費やす予算が半端ないから!



ということで本題に移ります(笑)


まだ暑いさなかの上・京・物・語。
飲みたくないお酒は飲みたくないと言う
当たり前すぎる理由でお店選びをし
虎ノ門のダ・オルモさんへ伺いました。

まずはビールで喉を潤しまして
メニューにじっくり目を通します。
サービスの女性が非常に感じよく
「色々召し上がりたいなら
ポーションの調整をいたしますよ」
とありがたいお言葉をかけてくれました。
しかし、調整しなくてもレギュラーで大丈夫です(笑)



アンティパストミスト
上から時計回りにポルチーニのアランチーニ
エビとしらすのオムレツ
熟成したメイチダイ
藁燻製の鴨
生ハムを入れたそば粉の何とかかんとか(イタリアの郷土料理です)

どれもいい塩梅でワインを呼ぶ味わい。
鴨は火入れも香りも絶品でした。



白ワインをグラスで



熟成但馬牛のボロネーゼスパゲティ

どこか懐かしい味わいです。
イタリア人にとってマンマの味わいなのかな?



赤はボトルでね♪

ここからは赤を呼ぶメニューが続きます。


カネーデルリ プレサーティ

硬くなったパンを再利用した料理です。
パルミジャーノで塩分と旨味をプラスし
押し焼きした感じ。
日本で言うならば焼きおにぎりかな?
イタリアのパンはフォカッチャ以外
そのままだと非常に味気ないですが
マンマの知恵が注入さればご馳走に早変わり。
パンに塩をほとんど加えないのも
こうした汎用性を狙ってのことなのかも。
勝手に納得。



短角牛レバーのフリット

これはワイン泥棒ですよ♪
ヘモグロビンを感じるも臭みは無し。
凝縮されたレバーの旨味とモワッと感が
サクサクの衣に閉じ込められまして
歯で開封すると口いっぱいに広がります。



マンガリッツァ豚のロースト

ハンガリーの国宝に指定されている
マンガリッツァ豚。
モフモフ?と言うか
ボサボサな毛並みで知られていますね。
美しい赤身部分を
タンパク質変性温度ギリギリラインで焼成。
…したに違いない。
旨味の権化がお皿に横たわっているような状態です。
噛み締めるとほとばしるアミノ酸。
そして歯切れの良さが素晴らしい。
いいものいただきました。合掌。


赤を一本飲み干して
そろそろ締めに入りたいところで
見上げればそこにはレヴィ。



この棚の横に私を座らせるのは危険ですよ(笑)

レヴィをじーっと見つめていると
ソムリエさんの目がキラリと光りました。




レヴィの本

「どうぞご覧ください」とニコニコ顔。
ソムリエさんも大のレヴィファンらしいです^^
本だけ眺めて帰るわけにはいかないので



ハーブ入り

何のハーブだったか忘れましたが
清涼感があって食後には最適な余韻です。
ソムリエさんのレヴィ愛に耳を傾けながら
いい気分で夜は更けたのでした。


東京は何かにつけて競争が激しいから
生き残りをかけて皆必死。
飲食業界は最たるものでしょう。
だからこうした佳店が生まれるんですね。
お料理とワインのセレクトはもちろんのこと
付かず離れずの接客がとにかく心地よい。
いいお店でした。ご馳走様です!
またきっとお邪魔します。



イタリアン・レストラン ダ・オルモ





津軽塗に伝統工芸を思ふ

2017年11月06日 | 和食
青い森紀行は終了いたしましたが
青森の津軽地方にまつわるお話を一つ。
今旅の最大の目的は
アルチェントロを再訪することでした。
そしてサブ目的が津軽塗の器を買い足すこと。
10数年前、人生の節目で
津軽塗の小さな重箱をいただきました。
漆塗りと言えば
朱や黒に艶っぽく仕上げられたものが代表的ですが
津軽塗は螺鈿の細工のように
一つとして同じでない文様が
一面に施されております。
その精緻な伝統工芸に初めて触れた私は
なんて美しい重箱なんだろうと
事もあろうに仕舞い込んでしまったのです。
使ったのは片手の指で数えられる程度かしら。



そこで今回はもっと気楽に使える
汁椀を求めようと
重箱と一緒に入っていた
お店の案内を頼りに
弘前の街へ向かいました。


弘前城のすぐ近くにある
田中屋さんの前に到着すると
お店が閉まっているではありませんかっ。
臨時休業とはなんと運の悪い…
と自分の運の悪さを恨みつつ張り紙を見ますと
臨時休業ではなく閉店してしまったとのこと!
ななな、なんと数日前に。
そんなはずは、とネットで検索すると
老舗の閉店を惜しむ記事が多数見受けられました。
どうやら諸事情で
商売が立ち行かなくなったみたいです。


がっくりと肩を落としてしばらくボー然するも
気を取り直して他の製造販売店を検索。
中心部から少し離れた
小林漆器さんがヒットしました。
もうすぐ閉店時間だというのに
「ちょっ、ちょっと待っててください〜」
と電話で引き止める図々しさよ…
そこで念願だった唐塗りのお椀を購入。
包装していただいている間に女将さんが
「津軽塗は50回近く塗り重ねるんですよ。
『馬鹿塗』なんて揶揄されますが
ちょっとやそっとでは剥がれません。
もし欠けたり剥がれたりしたら修理します。
だから毎日じゃんじゃん使ってくださいね」
と津軽塗の頑丈さを説いてくれました。

この言葉を受け止めて
物の価値観について考えさせられた次第です。
確かに津軽塗の椀一つ買うお金で
100円ショップのお椀が80個買えます(数字に表すと凄いな…)
しかし職人が数ヶ月かけて作った工芸品とは
一線も二線も画すと思うんです。
料理を食べる楽しみはもちろん
作る楽しみももたらしてくれます。
それに職人から直接購入すれば
修理してもらえるので使い方次第では一生物。
いや、子から孫へと継承できるかもしれません。
100円の椀は100円の使い方しかしないし
きっと壊れたらゴミ箱行きでしょう。
手軽に入手できるから
手放す時も罪悪感や未練はない。
そんなファスト文化が
老舗を閉店へと追い込んだ一因かも、ですね。
私はこれからも愛ある買い物をし
大切に使い続ける道を選びたいと思います。
お重も使用頻度を上げなくちゃ。




これがきっかけとなったお重



ある日の昼食

前日の残り物と常備菜、
最近のお昼の定番「ネバネバ丼」、
煮干しの出汁ガラとくず野菜のスープ。
なんてことないどころか
質素極まりない内容ですけど
職人の魂が宿った器に盛ると
ゴージャスに見えるから不思議です。
器の力は偉大だわ♪


他にも津軽土産がありました。


津軽りんごTシャツ

弘前のセレクトショップ
THE STABLESで一目惚れ。
りんごの絵は「彦様木版工房」が手がけています。
遠目に見ると日の丸に見えるとか見えないとか(笑)




八戸の鯖グリエとトマトのクーリ

八戸で購入した塩鯖に
オリーブオイルをかけてオーブンで焼成。
酸味が合うと思ったので
トマトのクーリの優しい輪郭をレモン汁で締め
オリーブオイルでコクを与えています。
お豆は津軽の毛豆です。
大粒で味わいが濃いんですよ。




嶽きみと八戸塩うにのスパゲットーニ

岩木山の麓で採れるトウモロコシ「嶽きみ」を
ピュレ状にしたものとホールを使って。
八戸の市場で買った塩ウニで塩梅を調整。
なかなか美味しゅうございました。


こうして津軽を振り返っていると
夕暮れをバックに突如として現れた岩木山が思い起こされます。
津軽平野にどんと腰を据えるシンメトリーな形状が
なんとも美しくて感動しました。
頭に浮かぶBGMはもちろん吉幾三の「津軽平野」。
リアル岩木山を見た後に太宰治の「津軽」を読み返し
この山が津軽の人々の誇りであり心の拠り所だと改めて知り
一層威厳ある山に見えるようになったんです。
豊橋でいう「石巻山」かしら…規模が違いすぎるか。


津軽、いいところです。
また行こう、必ず。