LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:本格的なIFRを久々に経験 第二話(IFR Flightの勲章)

2009-10-16 | Flight Log (機長)
第一話からの続きとなるが、ひさびさに低気圧の雲の中を飛び続けるような本格的IFR Flightをすることになった。サンタモニカ空港からエルモンテ空港まで、VFRで飛べばなんてことない行程だが、Grumman AA1のような機体で雲の中を飛び続けるとかなり疲労する。本来はすぐに帰途につくつもりだったが、流石に機体から下りて10分ほど休憩。

休憩中にAirport Facility & Directoryを手に取り、念の為にエルモンテ空港からサンタモニカ空港までのTower Enroute Clearance Routeを確認しておいた。このルートをIFRで飛ぶのは初めてだからだ。

頭も冴えてきたので帰途につくことにした。機体に乗り込みエンジン始動、とりあえず給油に向かう。給油後にエルモンテ空港のグランドコントロールを呼び、Tower Enroute IFR Clearance to Santa Monica Airportをリクエストした:

EMT Rwy19 Departure Procedure, PDZ VOR, V186, DARTS Intersection, 3000ft / 6000ft 10min after departure, Departure Frequency XXXX, Squawk 4xxxx

予想通りのコース取りだが、”EMT Rwy19 Departure Procedure”の内容を知らない。SIDの一つなので、アプローチチャートを調べれば分ることだと思い、さっそく調べ始めた。ところが、ここでDeparture procedureを知っているか?エルモンテ空港グランドコントロールの管制官がきいてきた。すかさず自分で調べるよ!と軽く返答すると、向こうから教えてくれた。要は、

Fly Runway Heading to 800ft, Climb Left Turn and Intercept PDZ 278 Radial, East Bound

というものだった。すぐに離陸許可が下り、800ftまで上昇していった。ここで気付いたのが、パラダイスVOR(Paradise VOR / PDZ)278というV186のコースはエルモンテ空港の真上を通っているということ。そのまますぐにPDZを目指してV186に乗って上昇。比較的良い感じで上昇し、2000ftくらいから雲に入った。先ほどよりも体が暖まっているのか頭が冴えているのか、雲の中でのProcedureは先の先を読んで手際良くこなせた。しばらくしてSocal Approachから指示があり、180度近い旋回をして逆コースのV186に乗れとのこと。4800ftくらいで雲の上に出て、順調に6000ftまで登った。

ここで思ったのが、こういう厚い雲のIMCを飛べるのは、これくらいの時期だけだなということ。やはりGrumman AA1だとこれ以上の高度は辛いし、冬場のIcingがありそうな本当に寒い時期には飛びたくない。こういう秋口のIMCは貴重な機会だ。

そのままDARTSを目指して巡航していたが、途中DARTSに着く前に4000ftまで降下するように指示。ここで再び雲の中に突入、一気に気温低下。すぐにキャブヒートオン、Fuel Pumpオン、念の為にピトーヒートオン。さらに3000ftまで降下。これでやっと雲の下を這う感じ。ハリウッドサインが見え、やっと”ここに居たのか”と気付く。そのままサンタモニカ空港のVOR-A Final Approach Courseに乗り、すぐにサンタモニカ空港管制塔へとハンドオフされた。

目を凝らして西を見ていると、サンタモニカ空港を発見した。飛び慣れたコースだからこそ5-6マイルの距離で空港を見つけられたが、この日の視程の悪さだとサンタモニカ空港に不慣れなパイロットなら2、3マイルくらいまで来ないと見つけにくいと思う。視程が悪い中でサンタモニカ空港を見つけるポイントは、センチュリーシティーのビルの南側からFreeway 405を見つけ、Freeway 405とFreeway 10の交差点に向かって線を引くようにするといい(自己流)。特にApproach Minimumぎりぎりの雲の時には、Freeway405/Freeway10の交差点を見つけるのは極めて有効な手段だと思っている。

サンタモニカ空港管制塔にAirport Insight!と言うと、Cleared for Visual Approachとのこと。とくに問題なく着陸。少しフラット気味な接地だったが、アプローチから着陸までスムーズで気持ちよかった。

機体を駐機すると、雲と雨の中を飛んできた跡がくっきりと残っている(写真)。拭き掃除したいなとも一瞬考えたが、IMCを飛んできた勲章をしばらく残しておこうと決めた。Grumman AA1だって雲の中にガンガン入れるんだと、空港のみんなに見てもらいたいものだ。







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