LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:IFRで飛んでいる時ラジオ故障、、、、

2009-10-26 | Flight Log (機長)
この日はCFIのR氏とSeneca II を飛ばすことになっていた。さっそくSenecaが駐機してあるトーランス空港まで愛機ヒヨコで向かうことに。朝からサンタモニカ空港とトーランス空港は低い雲の為にIMCだった。サンタモニカ空港に至ってはCeiling100ft Overcastと、雲というよりも完全な霧。ATISではRVRまで読み上げられている。トーランス空港は500ft Overcastとのこと。

ヒコヨことGrumman AA1のプリフライトをし、スクリューのマシ締めやオイル足しなどをやっていると、少し天気が良くなってきた。サンタモニカ空港は300ftくらいのCeilingとなり、トーランス空港でも600ft Broken 1500ft Overcastと楽勝の天気。

早速サンタモニカ空港のGround Controlにコンタクトし、Tower Enroute IFR Clearance to Torrance Airport (TOA)をリクエスト。クリアランスはいつもの通り:

fly runway heading, upon LAX315 turn right 250, Radar vector SMO VOR, SMO VOR 125, V64, SLI VOR, Direct, 3000/4000ft 5min, Socal Departure 125.2Hz, Squawk4xxx

比較的すぐに離陸許可が下り、Hazy / Foggyな中を飛び、雲の上に一瞬で出れた。雲の高さは1000ftちょっとしかない。ストレスなく3500ft位まで登り、ここで右ターンでSMO VORまで戻った。軽々と4000ftまで登り、そのままSMO VOR out-bound125をトラック。ところがすぐにHeading 180!と海岸線を飛ぶように指示された。いつもの通りだ。

トーランスビーチ上空くらいで3000ftへの降下、そしてPalos Verdesの真上を飛ぶ感じで東へ向かい、ロングビーチの海上で2000ftに降下することになった。この辺りは雲の上だった。そしてHeading020、310と振られ、Torrance Airport Rwy29R Localizerに乗った。ここでSocal Approachから”Cleared for Approach”と許可が下りた。そしてすぐにトーランス管制塔へとハンドオフ。

ここからが問題。さっきまで大丈夫だったラジオの調子が悪くなり、何度呼んでも返答なし。すぐにトランシーバーに手を伸ばしたいところだが、雲の中で変な動きはしたくない。何か起こった時の最初の行動は、 FLY THE AIRPLANE 。Squawk 7600に換えたり、トラブルシュートする前に、まずは飛行機をきちんと飛ばすというのが基本中の基本。


この時の自分を取り巻く状況は:

1)すでにトーランス空港までのIFRクリアランスが下りている
2)すでにTOA ILS/LOC Rwy29R Approachのクリアランスが下りている
3)自分は短時間で出られることが予想されるが、雲の中を飛んでいる

自分の周囲のAirspaceはIFR機として守られているはずで、レーダーにも写っているはず。まずはアプローチを続け、雲を出るまでは飛行機を飛ばすことに専念した。


雲から出て、空港が見え、ここからはVFR。すぐにトリムを取って機体を安定させ、ラゲージコンパートメントからトランシーバーを取り出し、トーランス空港管制等の周波数135.6に合わせた。すぐに管制官の声が聞こえた。他の機体に対し、"I am not talking to an aircraft on ILS Rwy29R"と言っている。ヤバいと思い、すぐにヘッドセットを外してトランシーバーで交信。5マイルくらい向こうから呼んでいたぞ!と怒られた。それでもすぐに着陸許可をもらい、気持ち良く着陸ができた。

グランドではトランシーバーだけで交信。特に問題なくTransient Parkingまでタクシーできた。ここで当然ながらラジオをいじってみた。不思議な事に、どうやら135Hz台の周波数、もしくはそれより大きな数字の周波数が聞こえないようだった。修理しないといけない。

反省を込めて書くが、このGrumman AA1の無線は1個しかないのは失敗だった。やはりIFRを飛ぶなら2個必要だなと思いつつ、機内には常にトランシーバーがあるから大丈夫と思っていた。ただ、今回のように雲の中で無線を失った場合、トランシーバーに手を伸ばしてトラブルシュートするのに時間がかかったり、かなり気流の荒れた雲の中では機体操作だけで手一杯になることも考えられる。やはりパネルマウントの無線はもう1個必要だ。

それにしても、Seneca II を飛ばすべくトーランス空港まで乗り込んだが、その前にだいぶ体力精神力を消耗してしまった。



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