LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

夜の空港で思うこと

2010-12-12 | 航空関連エッセイ
夏時間も終わり、日没が早くなった。結果的にナイトフライトの時間も増えるし、夜の空港にいる時間も増える。そんな中、毎年のように気になることがある。点灯できる電灯を全部点灯させてタクシーしているパイロット達だ。どんなチェックリストを使っているのか?、それとも使っていないのか知らないが、ランナップエリアなどでパシパシストロボを点灯させ、隣の飛行機の迷惑など気にしない阿呆が多い。

私が自家用免許の訓練を受けている時、特にリージョナルターボプロップやリージョナルジェットを飛ばしているようなインストラクター程、他のパイロットに迷惑をかけるライトの点灯はするなとうるさく教えられた。今はUAのジェットの機長、当時はターボプロップを飛ばしていたアメリカ人インストラクターのC氏と一緒に訓練飛行をした時、ストロボを付けるタイミングにはうるさく注意された(訓練日記31話 2006年5月13日)。また滑走路の対面で離陸待ちする飛行機がいる時、その機体に向けてランディングライトを点けたりするなと厳しく言われた。そんなC氏と2006年の冬にナイトフライトに出て、ロングビーチ空港での着陸訓練を行った時の事。ロングビーチはJetBlueのAirbus320が頻繁に離着陸する空港だ。当時の自分には大きな空港に思えた。最初はRwy25Lに着陸、そして夜の滑走路の錯覚を体験させる為、ジェットが下りるRwy30へと着陸することいなった。当然ながらRwy30の五分の一くらいの距離で停止し、そのままインターセクションテイクオフをすべく離陸待ちとなった。そうこうしていると、向かいからタクシーしてくるガルフストリームと思われるビジネスジェットが1機。そして、滑走路を挟んでセスナ172で離陸待ちをする私たちの向かいに停止すべく機首を曲げたが、なんとそこでランディングライトを消灯した。同乗していたCFIのC氏は、"See, they turned off the light for us." お行儀の良いパイロットだったのだと思うが、小型機にも気を使い合うエチケットの良さに感激したのを覚えているし、そのCFI C氏が教えてくれた事は本当なんだと身を以て体験した。

そんな訳で、私はライトの点灯タイミングなどにつて、教えられた通りのこだわりがある。というか、これはこだわりじゃなく、エチケットだと思う。それと同時に、消費電力の事など何も考えず、自分が普段乗っている自動車のような感覚で点灯できるライトを全部付てタクシーしているパイロットを見ていると、彼等はきっと下手クソパイロットなんだろうなと確信する。地上で機体のシステムを理解できていないパイロットが、そしてそれを上手く使えていないパイロットが、上空で機体を上手く使いこなせる訳がない。昼夜を問わず、機械故障による緊急事態に対し、的確に反応できるはずがない。タクシーウェイをストロボライトをビカビカ光らせタクシーしていく機体は、”私は下手くそパイロットですから私に近づかないで下さい”と警告を発しているようにしかみえない。

Garmin G1000を搭載した最新の機体とて、夜に発電機故障することだってある。私の友人はほぼ新品のセスナ182ターボで発電機故障を経験している。彼は発電機修理のレスキューが来るまで、緊急着陸先の空港を動けなかった。昼間の飛行だったので、無線を含めたグラスコクピットが25分程度稼働できる残存電力があったとの事だが、ナイトフライトならもっとその時間が短かったはず。そういう自体に備え、無駄な電力は使わない、他のパイロットに迷惑をかけるストロボは滑走路内で点灯するなど、節電とエチケットを両立して欲しいものだと思う。






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3 コメント

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Unknown (Area88)
2010-12-15 07:14:05
なんだかかっこいいー
緊急時処置はBig7と習い、チェック項目が7個無いよといったら形だと言われました。
着陸前は、L.C.G.U.M.P.S.と習いました。
着陸後は、チェックリスト通りやってます。
声は出していませんが、指差し確認はしています。”粋”なPilot目指します。
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Unknown (C2)
2010-12-15 06:46:02
>Area88さん
コメントありがとうございます。暗順応には一定の時間がかかるというのもFAA Written Testにあるくらいなので、他のパイロットの暗順応を妨げないストロボ点灯のマナーの良さは、”粋”な飛行機乗りに必要な事項かと思ってます。

チェックリストとは別に、離陸前に私が確認するとこは、

Fuel(fullest tank, fuel pump on)
Mixture(rich)
Prop(full forward check)
Flap (for take off)
Light (ここでストロボオン!にします)
Camera(Transponder on)
Action(ATC)

この順番です。離陸前にはfuel mixture prop flap light camera actionと口ずさんで最終確認します。


着陸後はチェックリストに従うのが正しい方法ですが、私は”7 up”というやりかたを当時のインストラクターにならい実践してます。センターコンソールの下から上、そして左へとスイッチをチェックし、描く軌跡が7に似ているから7upというものです。これは本来エンジン故障などの緊急時に使われる方法ですが、私は着陸後もこの方法でスイッチ操作します。燃料セレクター、カウルフラップ開く、フラップ収納、トランスポンダースタンバイ、ストロボオフ、ランディングライトオフ、タクシーライトオン(必要なら)、ミクスチャーリーン、燃料ポンプオフという感じです。

いずれにせよ、離陸直前にストロボオン、着陸した後はタクシーウェイに入る前にストロボオフになるような手順になってます。

色々なスタイルがあると思いますが、マナーのよいパイロットは粋だと思います。
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Unknown (Area88)
2010-12-15 01:46:42
こんにちは。初めて投稿させて頂きます。
1ヶ月前くらいから楽しく拝見させて頂いていました。先週PrivateのCheck rideに合格したので、コメントしてもよい権利が得られたのではないかと思い投稿させて頂きまました。(まだダメ?)
まだまだ余裕が無いので、ストロボ、ランディングライトのつけるタイミングまで、気が回っていませんでした、こうゆうマナーも大事なんだと痛感致しました。
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