LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

100 hour Inspection完了

2008-10-11 | 航空関連エッセイ
Mooney M20Cの100Hr Inspectionが完了した。特に悪い箇所はなく、オイル交換やプラグ掃除と基本的な点検のみで終了。この機体は商用目的で使っているわけではないし、レンタル機でもないので、法的には100Hr Inspectionをしなくても問題ない。1年に1回のAnnual Inspectionだけで良いのだが、現在二人で飛ばしているこの機体は年間に200-300時間は飛ぶ忙しさ。念のためレンタル機並みに100時間毎に簡単な点検をすることにしている。

整備から戻ってくる度、自分でも念入りに機体各所を見て回るが、本当にMooneyは面白い作りの機体だなと思い知らされる。前後付け間違えたかのように見える垂直尾翼と水平尾翼はMooneyの特徴だが、それ以外にもMooneyならではの不思議な設計が沢山ある。まずは主翼。通常は左右主翼がそれぞれ別の部品となっているが、Mooneyは左右一体のなった強靭な主翼を胴体の低い部分に取り付けるようになっている。この問題点は主翼を損傷した場合に左右とも全交換になってしまい、修理費が非常に高額になってしまうこと。その他の特徴としては、胴体がステールケージで作られており、そこに軽量のアルミパネルが貼ってあるような構造で、まるで当時のグライダーの胴体のような設計。グラーダーのように前面投影面積が小さなデザインにする為の工夫だったのかもしれない。速さを追求するもう一つの工夫はエレベータートリムが水平尾翼自体を動かすというもの。水平尾翼とエレベーターのコードラインが一致することで、空気の剥離を不正で抵抗をするなくする為の工夫なんだと理解している。それからラダー、エレベーター、エルロンの3軸コントロールがワイヤーではなく図太いロッド!というのもMooneyの特徴。操縦した時のソリッド感がワイヤーとは段違い。面白いことに、これらの特徴は、現在の最新型のMooney Acclaim S(247ktで巡航する化け物)にも引き継がれていること。

Mooney Aircraft Pilots Association (MAPA)の公式サイトのトップページに、

”Owning and flying a Mooney airplane can be one of life's most rewarding experiences”

と書いてあるが、本当にそうだなと思う。セスナ172がカローラ、セスナ182がクラウン、セスナ206がランドクルーザーなどのSUV、ボナンザがメルセデスの大型セダン、アクロバット機がレーシングカーだとすると、Mooneyはバランスの良いグランドツーリングカーだと思う。車種で言えばポルシェ911、4人乗りだが大人4人で乗るには狭く、ハンドリングも良く、高速道路をかっ飛ばしてロングツーリングするのが得意。

アイシングレベルが下がってくる冬が目前に迫っているが、10月から11月は飛行機で遊ぶには最高の季節。できるだけMooneyの特徴を活かすべく、ロングクロカン飛行に出かけたいものだ。





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