LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:対気速度計(Airspeed Indicator)の誤差を測定する為のテスト飛行

2009-07-17 | Flight Log (機長)
ここ2ヶ月の間、Grumman AA1を飛ばしていていくつか気になる事項があった。その中でも一番気になっていたのがAirspeed Indicator(ASI)が不正確(実際の対気速度よりもかなり遅めに表示される)なのではないかということ。もちろんASIが全然機能していなければ離陸しないし、離陸すれば違法。そして実際の対気速度(TAS)と計器の表示速度(Indicated Air Speed / IAS)に誤差があるのも当然だが、その誤差の範囲が大きすぎるという意味。

そこでTASとIASの誤差が少ないSee Levelでの飛行試験とまではいかないまでも、ロサンゼルスの某海上で、500ft MSLの高度を東西南北の4方向に一定のIAS(約100MPH)で飛び、その時のAltimeter Setting、IAS、Temperature、GPSで計測した正確なGround Speedを記録し、誤差を計算してみることにした。

ちなみにこのGrumman AA1のASIはメーター外側にMPHの速度表示があり(こちらがメイン)、内側にKnotsの表示があるタイプのもの。

離陸前に燃料を確認、そしてオイル分量やその他のエンジン周りを確認した。機体の調子は悪くない。GPSをセットし、Ground Speedを測定することにした。エンジンもスターターを回して1秒以内に始動する素直さ。サンタモニカ空港(Santa Monica Airport / SMO)Rwy21から離陸してVFR Local Flightを楽しみ、合法的に500ft MSLを飛べる場所、そしてその高度を飛行してもTrafficが少ない場所を選んだ。LAX Class B Airspace (Surface to 10000ft)の直近の海上をあえて選択。ここならVFR訓練機もClass B Airspaceを嫌って近づいてこない。

2500rpm / Mixture Full Richとし、500ft MSL (この日の条件だとPressure Altitude 約530ft)で直線飛行を開始。ASIを見ると、だいたい100-105mphの間くらいを示している。平均すると103mphくらいのIASで安定する。この日は15ktくらいの南西の風が吹いていたので、風の影響をなくすために正確に90度ずらして同じパワー設定で4方向を飛び、それぞれのGround Speedを測定した。どの方向に飛んでも当然103mphくらいでIASは安定している。それにしても、500ft MSLで海上を飛び、海岸線の丘が自分の目線より高いところを流れていくのはなかなか面白い光景だった。

全てのデータを記録し終わると、すぐに高度を2500ftくらいまで上げた。大分燃料も使ったので、そのままトーランス空港(Torrance Airport / TOA)のRwy29Rに着陸し、Fuel Pitまでタクシーして給油した。そのままLAX Mini Routeでサンタモニカに帰還となった。

その後、Flight Computerを使ってTASを計算してみたが、結果的にこの日は105ktくらい出ていた計算になり、103mph(約90kt) という計器の表示は12%の誤差があることがわかった。つまり、ASIの"MPH"の表示を"Knot"に置き換えれば、TASに近いIASを得ることができるようだ。

TASよりIASが遅く表示される誤差なら危なくて仕方ないが、IASがTASより遅く表示されるのでまだマシ。そしてMPHの表示をKnotだと思えば良いという超短絡的な解決策も見いだしたが、やはり修理しないといけなさそうだ。とりあえず知り合いのA&Pに相談してみることにする。





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