LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:コロナ空港の浸水被害

2010-12-29 | Flight Log (機長)
雨上がりのロサンゼルスの空を飛び、プラクティスエリアで1時間ほど遊んだ後、しばし巡航フライトをすることにした。この日のオイルレベルは5クオーツを切っていたので、悠々とクロカンフライトをするつもりはなかった。ただ、東の空に広がる雲の上をのんびり飛んでみたいと思っただけだ。2500ftから3000ftくらいに不整な雲が広がっており、VFR-on-topのクリアランスを取らずともそれが楽しめる天気だ。2400rpmの低出力設定、でも90kt台後半の速度で気持ちよく東の空に向って巡航。巡航時のコクピットの視界からみても、夏場の2400rpmでのフライトより明らかにピッチが下がっているのが分る。気温10度前後の空気の密度を感じる。

そうこうしていると、雲の絨毯の西端にさしかかった。ちょうど雲はコロナ空港の辺りから始まっていた。Topは3000ftくらいだった。ふと空港に目をやると、先日の大雨、そして昨日の晩の雨のお陰で浸水の回復の兆しがない悲惨なコロナ空港を目の当たりにした。空港の東側、比較的高地になっているランプ/滑走路/空港外の道に、非難させた飛行機がびっしりと並んでいた。西側のハンガーは完全に水没しており、対応に送れたハンガー内の機体は完全に水没しているはずだ。一人一人のオーナー達の気持ちを考えると気の毒でならない。飛行機好きとしては見たくない光景だ。

そんな悲惨なコロナ空港の上空を越え、しばし雲の上を飛んだ。しばらくすると、どうしても雲の中に入りたいという衝動に駆られ、これは駄目だと引き返すことにした。今度は西向きフライトになるので4500ftまで上昇、オンタリオ空港とサンタアナ空港の二つのClass C Airspaceを避けるように飛行。サンタアナ空港のClass C AirspaceのトップはVFR機に配慮した4400ftなのだが、この機体のMode C Transponderは100ftくらい低めの信号を送るので、面倒なことにならないようにギリギリのクリアランスでAirspaceを避けないようにしている。そのままフラトン空港に向うことにした。空港まで10マイルの地点で管制塔を呼ぶと、Left traffic Rwy6、Squawk02xxとのこと。この辺りはScatteredからBrokenの雲の低めに張りつめており、フラトン空港が確認でいなかった。空港まで4マイルくらいの地点でやっと空港を見つけることができた。トラフィックパターンの高度でダウンウィンドを飛ぶと、雲を避けるクネクネ飛行をしないといけなかった。一応管制塔にはAvoiding Cloudsと伝えておいた。すぐにCleared to landとなり、Rwy6に着陸した。

とりあえず、燃料よりもオイルレベルが気になる。そのままFuel Pitに向かい、燃料トラックの横に居た巨漢の白人男性にオイル売ってる?と話しかけた。そうすると、売ってるよ!と満面の笑みで返答してきた。非常に良い感じの人で、外観とそこに宿る心に大きな差がある人だった。いつも使っている15W-50のSynthetic Oilを発見、2本購入した。すると、その巨漢の白人男性は私の後についてきて、オイルを入れるファンネルとオイルを拭く布切れを持ってきてくれた。何という親切、朝から気分が良くなった。

オイルレベル6クオーツ、燃料も満タンとなり、気持ち良くフラトン空港を離陸することになった。Rwy6から離陸、Left Downwind Departureでトーランス空港を目指すことに。アップウィンドを飛んでいる時、管制塔からcontinue upwindとの指示。しばらくすると、Traffic 11 o'clock Robinsonとのこと。はっきり言って点々とする雲でみえずらい。やっと雲の影からフォーメーションフライトをする2機のRobinsonを見つけた。先行するRobinsonは白いR44で、追走するのがR22のように見えた。もしかして白いR44のような機体は最新型R66タービンヘリで、点々とする雲の下を飛ぶR66の姿を撮影していたのか?と思った。そんなRobinson2機を追いかけるように西の空へ飛ぶ。向うは500から1000ftくらいを飛んで行くが、こちらは3000ftまで上昇した。そしてロングビーチ空港のClass Dの上を越え、Goodyear Fieldの上空からトーランス空港管制塔を呼ぶ。すると、Enter Rt Base Rwy29R Cleared to land!と、Airspaceの外なのに着陸許可を出すというやる気のない管制。そのままノーフラップでRwy29Rに着陸、ノーズアップのままタクシーウェイCを曲がり、Hold Short Lineの前でノーズギアを接地させるというお遊びをした。

コロナ空港の惨事を見てちょっと気分が滅入ったが、フラトン空港のFBOで親切な対応を受けて気分も回復。愛機をトーランス空港のTransient Parkingに駐機し、自分が飛んできた空を眺め、さらに気分が回復した。





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4 コメント

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今年は、、、 (うえだ)
2010-12-30 13:26:40
お久しぶりです。  長い長い空白が空いてますが、久しぶりに。今日は正月休みの会社に来て、留守番してます。 思い出してここに来てみました。 

Californiaは凄い雨だと聞いていましたが、Coronaは本当に凄い事になってますね。 まあ、水没した飛行機も復帰は可能だろうけど、Airframeに付いた水が錆の元に成るのが気に成りますね。計器類もアウトだろうけど、買い替えが可能。でもAirframeは致命的の可能性が高い。

飛行機が好きなもの同士、新年も宜しくお願いしますね。
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Unknown (C2)
2010-12-31 04:25:01
>うえださん
コロナ空港の水没機は本当に気の毒です。エンジンはオーバーホールでしょうし、計器は交換。内装なども取り外しての清掃や張り替え買い替えになると思います。そうなると、よっぽどの市場価格がある機体じゃないと、経済的全損扱いになってオーナーの手を離れる機体もおおいんじゃないかと思います。例え完全に直しても、水没による徹底整備の記録がログに残りますし、、。

今年はお世話になりました。CFIJapanのサイトは勉強材料に使わせてもらっています。来年もよろしくお願いします。
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コロナ空港 (鉄太郎)
2011-01-02 10:17:28
20数年前ですが 免許を取った時コロナ空港周辺が訓練空域でした。
空港が浸かるほどの大雨とは・・・。
変わり果てた空港の姿にびっくりしました。
ボブズカフェのベーコンチーズバーガーを思い出しました!(笑)
ブログ楽しみにしています!
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Unknown (C2)
2011-01-02 14:57:44
>鉄太郎さん
コメントありがとうございます。20年前にコロナ周辺で訓練されたということは、RALあたりのスクールでしょうか。私が飛び始めたのは5年前からですが、コロナの浸水は知っている限り2度目。本当に水はけの悪い地域にあります。私もよく立ち寄る空港なので、早く復旧して欲しいものです。
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