LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

フライトログ:Low level wind shear

2014-05-29 | Flight Log (機長)

引っ越しなど相まって、毎月の駐機料請求が届かずにいた。最近やっと新しい住所にまとまって請求書が届いたので、駐機料支払いの為に空港を訪れた。せっかくなので、そのまま飛ぶ事に。比較的強い風が吹いていた為か、あまり飛ぶ機体がいない。

ランナップの後に離陸。ちょうど着陸してきたKing Airですらフラフラしているほどの風。Light sports、あとCirrusがWindshearをレポートしていたらしい。管制塔がそのKing Airに対して、low level windshear alertを出していた。いっしゅんどうしようか考えたが、Light Sportsが飛べる程度なので大丈夫と判断。空に上がることに。

Rwy21から離陸許可をもらおうとすると、Low level windshearと管制官からレポートあり。Rrogerと返答してRwy21から離陸。ここでRolling take offをしたのが間違いだった。風はほぼ右からの真横、風向は280-300、風速は15ktくらいあるだろうか。右側から垂直尾翼を押され、フルレフトラダーでもなかなかノーズが左を向かない。結果的になかなかセンターラインに乗らない。やっとセンターラインに乗せた瞬間に、離陸。その後もフラフラとする凄い揺れ。高度100−300ftくらいの気流の乱れが酷い。久々に怖!と思うほどの揺れだった。普段ならSMO VOR上で左ターンだが、そのまま風に流されてペンマーゴルフ場の上に来てしまった。Lincoln Blvdの上空で左旋回し、ぐんぐん流されながらVenice Blvd上空でダウンウィンドを作る。ここで追い風となり、なおかつ気流の乱れもなくなった。1000ft以下の高度で気流がめちゃくちゃなようだ。

その後、左後方からの追い風となり、さらに右へ旋回しながらFwy10にそって飛ぶと、完全な追い風となった。気温29度、IAS90kt台なのにGS125ktまで出ていた。計算上は30ktくらいの風速。1700ftの高度にしては凄い風だ。そのままダウンタウンの横を飛び、LAX Class Bの下を抜けるようにして飛ぶと、ハリウッドの山から来る気流の乱れで酷い揺れを体験。トーランス空港のATISを取ってもGust25ktなんていっている。今日のロサンゼルスは低めの高度が荒れている。

突然襲ってくる揺れの中を飛んでもつまらないので、さっさと帰ることにした。すぐに反転し、もと来たコースを逆戻り。旋回中、LAXに降りる機体とすれ違った。かなり近かった。今度は機体が前に進まない。すごい向かい風だ。そして空港まで7マイルの地点で管制塔を呼ぶと、また先ほどのWindshear advisoryをくれた。Cirrus1機、ヘリも1機はいってきていたが、彼等にもWindshear advisoryが伝えられた。Over Fwy10 Rwy21 straight inと管制官。普段ならRwy numberまで真っすぐ飛んで滑走路上で旋回して着陸するが、今日はちゃんと短いながらファイナルを作った。高度が500ftを切ったくらいで機体がガタガタ揺れはじめ、400ftくらいで凄い右からの横風。地上は270−280at15-17kt Gust 23-25ktの幅でwind checkの情報が変わる。400ftから300ftでは8ー10ktくらいのWindshearがある。機体が右を向いたと同時にがつん!とエアスピードを失った。進入は85ktとしていたが、正解だった。フラップは出さず、クラビングでwind correctionし、滑走路上で左ラダー右エルロンのクロスコントロール、そして右メインギアから設置した。これだけの横風だとフレアで伸びることはない。あと、地上に来ると気流の乱れも酷くない。やはり300−400ftで風向が変わる層があるようだ。

すぐに管制塔に”400ftで10kt失った。”と伝えた。風が強いだけなら何とななるが、ここまで低高度で風向が変わると危険だと思った。


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