アクロバット用の機体が並ぶなか、星形エンジンを搭載した比較的大型の高翼機がタクシーしてきた。Cessna195だったが、これがなんともレトロで格好よい雰囲気を漂わしていた。戦後すぐの時代のセスナの高性能機、240-300馬力のエンジンを搭載し、4人乗りで巡航速度はTrue Air Speedで150ktくらいらしい。1940年代後半から1950年代前半の機体なので、当時にしては超高性能な4人乗りGA機だったのだろう。この機体はセスナ初の総アルミ製で、巡航時のドラッグを減らすためにCantilever Wingを最初に採用した初期の頃のセスナだ。クロカンクルーザーとしてこだわりをもった作りが感じられる。
星形エンジンに小型のフロントシールド、そして尾輪式、これではタクシーするのも難しそうだ。前方視界が極めて小さそうで、パイロットは顎を上げてフロントカウルの向こうを覗き込むようにしながら、ゆっくりとタクシーしていた。
この日はクロスウィンドのコンディションだったが、離陸も綺麗に決めていた。こういう癖のある古い機体をソロで飛ばせるようなパイロットは腕も確かなのだろう。こういう機体がピカピカに磨かれて現役で飛んでいるのもアメリカのGeneral Aviationの懐の深さだ。自分もこれくらいの大きさのTail Draggerを飛ばしてみたいなと思う。
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