LOS ANGELES FLIGHT DIARY

愛機ビーチクラフトボナンザで南カリフォルニアの空を駆ける日本人飛行機乗りの日記。

二人乗り小型飛行機、Grumman AA1を衝動買いしてしまった:第二話 訓練編

2009-05-20 | Flight Log (飛行訓練)
第一話からの続きだが、オーナーパイロットからGrumman AA1を購入することになり、そのオーナーは飛行機を飛ばせる体調ではない。なんとか自分でGrummanを飛ばさないといけないが、一番問題になるのが保険。さっそく購入するその機体が現在契約している保険会社に電話を入れてみた。アメリカの保険会社とは思えないほどの親切な対応ぶりで、こちらの状況を理解してくれた。私のFAAライセンスの種類、ライセンス番号、飛行時間などの情報を提供すると、すぐに購入するその機体に私の名前でも保険をかけてくれた。ただし、与えられた条件がただ一つ、

”2座席のGrummanの飛行時間が最低5時間以上あるインストラクターから1回チェックアウトを受け、ログブックにサインをもらうこと。”

Grumman AA1なんてそんなに見かける機体じゃなく、レンタルできる機体も限られている。この購入する機体で訓練するわけにはいかず、少し考え込んでしまった。Grumman AA1の操縦経験があるインストラクターを見つけ、その人にお願いして私が購入した機体の保険に一時的に入ってもらい、その後で改めて訓練を受けるという手段も考えたが、そんな事をやっていてはPre-purchase Inspectionのフェリーフライトをするまでに延々と時間がかかってしまい、この購入話しも立ち消えになってしまうかもしれない。

そんなこんなで途方に暮れていると、Torrance Airportにある老舗の日系フライトスクール(SBIFA)に訓練機Grumman AA1が1機あることを思い出した。すぐにSBIFAに電話をかけ、こちらの状況を話し、Grumman AA1のチェックアウトを至急お願いしたいと言ってみたところ、気持ちよく承諾をもらうことができた。これは助かった!

予約を入れた時間に機体前で待ち合わせた。通称"赤とんぼ"とよばれるSBIFAの訓練機、Grummann AA1Bだ。非常に感じの良いインストラクターが既にプリフライトをしていてくれて、軽く挨拶をかわしたあとに機体に乗り込んだ。変なんプレッシャーを感じるインストラクターと、和やかな雰囲気を作るインストラクターとがいるが、この日に一緒に飛んでくれたインストラクターは後者。Grumman AA1のシステムにはいまだ不慣れなので、一つ一つ手順を聞きながら、チェックリストに沿ってエンジン始動。マグニートのスイッチは鍵式だが、セルモーターのスタートが別のボタンになっているのが面白い。軽い雰囲気が出る。エンジンを始動し、タクシー開始。ノーズギアがラダーで操舵できないので、ブレーキでコントロールしながらタクシー、これが慣れないと不思議な感じ。最近の機体ではDiamondもCirrusもこの方式だ。

ランナップを終え、いよいよ離陸となった。Rotation Vrは60kt、climb Vyは75ktくらいと言われた。スロットル全開、いよいよグランドロール開始。60ktで機首を上げたが、ピッチ変化に敏感な機体で、機首を上げたあとは少し操縦桿でピッチを抑え気味にして上げたほうが綺麗に離陸していくようだ。O-235エンジンなのでパワーはないが、初めて乗る機体なのでワクワクする。パターンを回って1回目のタッチアンドゴー。ベースとファイナルでフラップをだし、75ktくらいでアプローチする。55ktで失速するという機体なので、低速でのアプローチは危険だ。フラップも揚力効果よりも抵抗が増すことの方が顕著だそうで、失速に気を付けるようにと念を押された。1回目の着陸ではラウンドアウトとフレアの高さの微調整ができず、綺麗な着陸!とはいかなかった。ただ、インストラクターが操縦桿に思わず手を伸ばしてもらうようなひどい着陸ではなく、”これはいけそうだ?!”と手応えを得た。それから2、3回は高さを探るような着陸を続けた。何よりもSink Rateが高く、アプローチ中でもエンジン出力は1700-1900rpmくらいを維持しないといけない。なんとも不思議な機体。

タッチアンドゴーも5回、6回目となり、最後のフレアで接地を調節する感覚がつかめてきた。訓練でのスピンが禁止されている機体なのでラダーが効かないと予想していたが、通常の飛行条件ではそこそこ敏感に反応するラダーだ。この日のTorrance Airportは混雑しており、6回目の着陸でフルストップを命じられた。エマージェンシーの時のブリーフィングを受けてチェックアウト無事終了。インストラクターから無事にチェックアウトのサインをもらうことができた。

これでGrumman AA1を無事にフェリーフライトすることができる! いよいよ明日、緊張のフェリーフライトとなる。



ランキングアップに御協力を。
にほんブログ村 その他趣味ブログ 航空・飛行機へ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。