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国際列車で行った、モンゴル高原

2010年08月02日 14時55分24秒 | チベット・モンゴル


この写真は北京駅のホーム。

先日、北京発ウランバートル行きの国際列車に乗ってきたのです。モンゴルの首都ウランバートルまでは1泊2日(約30時間)の行程です。もっとも、中国とモンゴルとではレールの幅が違うため国境で車両の台車を交換する作業があり、それに3時間ほどを要します。

台車の交換はどうやるのでしょうか、興味深いです。


乗車したのは2名1室の特等寝台車。

コンパートメントはこんな感じ。2つのコンパートメントに1つの洗面所(トイレ及びシャワー)が付いています。比較的新しく、小奇麗な車両です。



製造はモンゴルではないと思いますがモンゴル側の車両で、乗務員はモンゴル人。英語はほとんど通じず、したがってコミュニケーションが大変難しい・・・。

でも愛想がまあまあ良かったので、以前のような“官僚的”高飛車な対応が無くなったのは時代の流れでしょうか。


さて、線路の幅の件。

モンゴル側は広軌(1520mm)で、中国側は標準軌(1435mm)ですから、列車はそのまま走ることはできません。したがって中国側の国境の町・二連浩特で客車は台車を交換します。ちなみに貨物列車は荷物そのものを積み替えるそうです。どっちにしても非常に煩雑な作業で、コストを考えると合わない気がします。

それはともかく、ここで疑問に思ったのはレールのこと。

列車は国境ので台車を交換しましたが交換後も同じホームに入っていくのです。台車を交換したのなら別のレールを走るか、レールが二重になるなど複数なければならないはずです。それなのに列車は、台車交換後も、一対のレールしかない同じ二連駅のホームに入るではありませんか!

なぜでしょうか?

二連駅に着いた列車は、出国手続きの係官が乗客のパスポートを集めて下車すると、駅のはずれにある倉庫のような建物に入っていきました。建物の中には線路が敷かれ、建物の端から1両ずつ切り離して車両をつり上げるジャッキの位置に停めていき、交換作業が始まりました。そして交換が終わると、同じ線路に下ろされ、同じホームへと戻るのです。

これって、台車を変える意味はありますか? 台車を変えたなら当然車輪の幅が8センチ5ミリ広がったはずですが、交換前の同じホームに帰りました。何で??

皆さん、お分かりでしょうか?


考えれば考えるほど分からなくなりますが、正解は至って単純でした。


台車交換をする国境の二連駅の線路は、中国側の標準軌(1435mm)の車輪も、モンゴル側の広軌(1520mm)の車輪も、両方載せることができる中間幅なのだそうです。

中国とモンゴル、2つの線路幅の差が8.5センチと少なく、線路を3本線や4本線にできないのでこうしたそうですが、中国側の台車はゆるゆる、モンゴル側の台車はガチガチという状態の中間幅レールでは、列車は無論ソロソロという徐行運転しかできません。




列車は深夜にモンゴルへと入りました。夜が明けるとモンゴル高原の草原を走っています。終点のウランバートルには昼過ぎの到着です。



次の写真はオルホン川。カラコルムの都が置かれたのは、この川の流域です。



カラコルムはチンギスハーンの後を継いだ息子のオゴタイが築いたモンゴル帝国の都です。遊牧を行ってきたモンゴルは折りたたみ可能なテントに住み、家畜と共に移動する生活をしていましたが、さすがに世界帝国となると皇帝が移動生活を続ける訳にはいかなくなったのでしょう。

下記は現在のカラコルムの町。




馬が草を食む、美しい風景。広大なモンゴルの草原には、馬と遊牧民がいて初めて絵になるように思います。

内藤でした。


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