F老人の気ままな島暮らし日記

尾道市生口島で気ままな島暮らしの日々。

読書記録076「浄瑠璃長屋春秋記-1-照り柿(藤原緋紗子)」

2012年12月02日 21時48分55秒 | 読書記録

三年前、突然失踪した妻「志野」を探すため、家督を弟に譲り、浪人となって江戸に出てきた青柳新八郎は浄瑠璃長屋に住み、「よろず相談承り」という看板を出して、裕福な大店の用心棒など雑用をしながら妻を探しています。

物語は、妻の探索と新八郎の周辺の悲喜交々の事件を同じ浪人の多聞や同じ長屋に住む仙蔵や親切な元武士の妻八重とともに解決しながら進みます。

「照り柿」とは熟した柿のことで、失踪した妻の実家の元使用人にもらった柿を、理不尽ないじめに会って斃れた父親の仇を討とうとする少年とともに食します。八重が柿の皮をむく姿に亡き母親の姿を思い浮かべる少年・・別の事件の張本人が敵と同一人物で、新八郎の指導を受けた少年は見事仇を討ちます。

妻の失踪の陰に幕府に追われ逃亡する蘭学者(高野長英を思い浮かべます。)が新八郎の属した藩の山中で追捕された事件がかかわっていることが顕かになります。

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死刑廃止について、人権擁護や難民救済とともに死刑廃止を唱えるアムネスティという団体の視点の記事はよく見ますが、「仇打ち」という日本人のDNAに染みついている視点での記事を見たことはありません。仇打ちとは単なる肉親の恨みを晴らすということではなく、理不尽な死に対する抗議、正義を貫く手段という面もあると思います。死刑存続を後進的な文化と見るのか、日本人固有の精神に基づくものと見るのか・・F老人は日本人です。

死刑を廃止した後、凶悪な殺人を犯した人たちをどのようにするのでしょうか。疑問がわきます。


寒風の中、三原駅前広場骨董市&フリーマーケット・出店

2012年12月02日 21時07分19秒 | 日記・エッセイ・コラム

今日の最寄りのアメダスポストの最高気温は7.3℃、日照時間はゼロ、午後1時過ぎ、ついに雨が降り始めました。昨日から出店しましたが、悪天候のためお客の数は少なかったのですが、みかん部(部長:家人)が活躍してくれました。

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雨とともに閉店、撤収。次回は12月9日、同じ場所で開かれる「三原継ぎの輪祭」に参加します。