みんなから注目される美人の亜美ちゃんと、親友で彼女の「マネージャー」と呼ばれるさかきちゃんとの、高校から大学、社会人、そして亜美ちゃんが結婚するまでの奇妙な友情を、駆け足で描いた短編です。
題名を見たときに嫌な予感はしたのですが、案の定でした。
一読、ひと昔前の少女マンガ(例えばくらもちふさこなど)か、群ようこのエッセイの世界のようです。
設定も描き方も、非常に観念的なステレオタイプで新鮮さがありません。
特に、作品内に漂うジェンダー観の古さは目を覆うばかりです。
もっとも、不況による就職難のせいで、綿矢の主な読者である若い女性の間にはジェンダー観の揺り戻し(女性の幸せは結婚する男性次第、結婚には何より男性の経済力を求めるなど)が起こっているので、共感は得られるかもしれません。
でも、なんで芥川賞を取った純文学系の綿矢が、こんな作品を書かなければならないのか非常に不思議です。
まわりの編集者たちは、本や雑誌を売ることばかりに熱心で、文学的なアドバイスはぜんぜんしないのでしょうか。
この短編のおかげで、「かわいそうだね?」という本はずいぶん値打ちを下げてしまいました。
他の記事にも書きましたが、つまらない「オリジナリティ」のために、賞を取った短編や中編に抱き合わせで低レベルな短編をおまけにつける悪習はいい加減にやめてもらえないでしょうか。
題名を見たときに嫌な予感はしたのですが、案の定でした。
一読、ひと昔前の少女マンガ(例えばくらもちふさこなど)か、群ようこのエッセイの世界のようです。
設定も描き方も、非常に観念的なステレオタイプで新鮮さがありません。
特に、作品内に漂うジェンダー観の古さは目を覆うばかりです。
もっとも、不況による就職難のせいで、綿矢の主な読者である若い女性の間にはジェンダー観の揺り戻し(女性の幸せは結婚する男性次第、結婚には何より男性の経済力を求めるなど)が起こっているので、共感は得られるかもしれません。
でも、なんで芥川賞を取った純文学系の綿矢が、こんな作品を書かなければならないのか非常に不思議です。
まわりの編集者たちは、本や雑誌を売ることばかりに熱心で、文学的なアドバイスはぜんぜんしないのでしょうか。
この短編のおかげで、「かわいそうだね?」という本はずいぶん値打ちを下げてしまいました。
他の記事にも書きましたが、つまらない「オリジナリティ」のために、賞を取った短編や中編に抱き合わせで低レベルな短編をおまけにつける悪習はいい加減にやめてもらえないでしょうか。
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