1971年4月1刷の古典的な絵本です。
私が読んだのは、1987年5月の24刷ですが、その後も増刷を重ねてロングセラーになっていることでしょう。
この絵本も、児童文学研究者の石井直人が「現代児童文学の条件」(「研究 日本の児童文学 4 現代児童文学の可能性」所収、その記事を参照してください)において、赤羽末吉の「おおきなおおきなおいも」や長新太の「キャベツくん」などと並べて、「これらの絵本の画面には、およそ(読者の)「内面」に回収できない、とんでもない力が充溢している。」と、評しています。
「しばてん」とは土佐に伝わる河童に似た妖怪のことですが、このお話ではその生まれ変わりと思われるたろうが縦横無尽に活躍します。
画面をはみ出しそうな豪快で奔放な絵が、民衆の生きるエネルギーを余すところなく表現しています。
また、民衆を単純に正義とするのではなく、その狡さ醜さも描いたお話し作りも優れていると思います。
教訓的な絵本が幅をきかしている現代にこそ、媒介者(両親、先生、図書館の司書など)の人たちは、こういう絵本を子どもたちに手渡してあげてほしいと思います。
私が読んだのは、1987年5月の24刷ですが、その後も増刷を重ねてロングセラーになっていることでしょう。
この絵本も、児童文学研究者の石井直人が「現代児童文学の条件」(「研究 日本の児童文学 4 現代児童文学の可能性」所収、その記事を参照してください)において、赤羽末吉の「おおきなおおきなおいも」や長新太の「キャベツくん」などと並べて、「これらの絵本の画面には、およそ(読者の)「内面」に回収できない、とんでもない力が充溢している。」と、評しています。
「しばてん」とは土佐に伝わる河童に似た妖怪のことですが、このお話ではその生まれ変わりと思われるたろうが縦横無尽に活躍します。
画面をはみ出しそうな豪快で奔放な絵が、民衆の生きるエネルギーを余すところなく表現しています。
また、民衆を単純に正義とするのではなく、その狡さ醜さも描いたお話し作りも優れていると思います。
教訓的な絵本が幅をきかしている現代にこそ、媒介者(両親、先生、図書館の司書など)の人たちは、こういう絵本を子どもたちに手渡してあげてほしいと思います。
しばてん (田島征三) | |
クリエーター情報なし | |
偕成社 |