現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

本谷有希子「哀しみのウェイトトレーニー」嵐のピクニック所収

2017-12-27 09:09:28 | 参考文献
 ボクシングの試合を見たことをきっかけに、平凡なパート主婦がボディービルのトレーニングとそのための食事を始めます。
 彼女はだんだんボディービルに熱中して、素晴らしく大きな筋肉の体を手に入れます。
 ボディービルに関して、職場は理解がありますが、夫は無関心です。
 トラブルをきっかけに職場でも孤立を深め、彼女にはボディービルしかなくなってしまいます。
 彼女の過激な熱中には、本谷らしいシュールな感覚があるのですが、ラストは夫や職場の理解が得られる平凡なハッピーエンドで意外でした。
 一つのことに偏執的に熱中する主人公の話は児童文学でもよくありますが、要はどれだけ徹底して面白く書けるかが作者の腕の見せ所です。

嵐のピクニック
クリエーター情報なし
講談社
  
コメント
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