2009年にイギリスで書かれた、不思議な味わいを持った中編です。
主人公のハティは小学生ぐらいの女の子です。
ハティは、放課後、おかあさんが仕事を終えるまでの間、大叔父さんのやっているおもちゃ屋「テディとメイ」の手伝いをしています。
テオ(テディ)おじさんは、メイ大叔母さんが亡くなった後、一人でお店をやっているのです。
そんな「テディとメイ」に一匹の猫クルリンがやってきて、居ついてしまいます。
それ以来、お店は、おおにぎわいになります。
そうです。
クルリンは、まさに福をよぶ招き猫だったのです。
その猫を中心に、いくつかの小さな事件(怪しい老年のカップルが、お店に謎の箱を置いていきます。ハティがクルリンを家にもらったために、お店の商売がうまくいかなくなります)が起こり、やがて収まるところに収まってハッピーエンドを迎えます。
登場人物はみんないい人ばかりなのですが、中でもテオおじさんが魅力的です。
商売は下手(お金を取りはぐれてばかりです)なのですが、おもちゃと子どもたちが大好きで、こんなテオおじさんだからこそ、クルリンのような福をよぶ猫が居ついたのでしょう。
この作品はファンタジーではないのですが、不思議な魅力に富んでいます。