God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

不切、一枚折り!!

2005-07-09 22:37:54 | その他
というと、なんか新しい必殺技かとおもうけど、ちょとこれを見ていただきたい。
robert j. lang の作品である。


あなた、折り紙は折れますか?まあ、紙飛行機ぐらいは折れるでしょう。鶴を折れる人も普通です。風船や奴さんだって折れるはずです。でも、折り紙で巻 貝を折れる人は、そうはいません(笑)これには、「左右比対称」と「ねじり」という普通の折り紙には無い概念が導入されています。
ほかにエルク



ゲジゲジ



なんてのもあります。

これらは、いっさい切れ込みを入れていない、一枚の紙から折りだされています。凄いですねぇ。
折り紙が世界のどこで始まったのか、未だに決定的な説は無いらしいのですが、今のところ最古の折り紙は日本にあるといわれております。幣束や熨斗、形代や雛人形なんかがそれなのでしょうかね。そこを出発点に、折り紙の基本形が整備され、意外にも正方形の用紙が使われ始めたのは比較的新しく明治期らしいです。そして、折り紙の一つの究極の形が「不切一枚折り」による複雑な立体造形です。複雑化することに目的があるのではなく、いかに実物に近づけるかというのがポイントであり、結果的には折り方が複雑にならざるを得ない、らしいです。しかも、「長方形ならばもっと簡単なのだが、あえて正方形で挑んだ」とか、「角を使わずに内側から角を作り出した」とか、パズル感覚で難易度を上げていている。
 もちろん、その一方で伊藤万燿(伊藤深水のご子息!)のようにシンプルな造形と簡単な(?)手順で極めて完成度の高い作品を生み出した作家もおります。

 折り紙に興味がわきました??でも、追ってたたんで裏返しという「折り紙」的な思考のプロセスを幼少時に獲得していない人は、折り紙に対する理解をあきらめたほうがいいです。私のように何回教わっても、折り方を覚えられないから。
そういう人は北條高史 神谷哲史 を見て、その複雑さにあきれながら、ため息をつこう。