もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

原発労働者の声が聞こえてくる

2010-11-01 17:18:31 | Weblog
  おととい「原発被爆労働者を追ってーその実態と救済を求めて」の講演を聴いた。
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 テレビや新聞では、エコブームにも乗って毎日「原発の必要性と安全性」をしつこく宣伝しているが、そこで働ているのは管理室でコンピュータを操作している職員だけ。
 近くのスーパーでもパチンコ屋でも、商品の出し入れや掃除をする人たちが影で働いていて成り立っている。
 原発でも、目に見えない所で働いている人たちがいて動いているのに隠されている。 
 なぜ?<emoji code="a010" />  それを知りたかったのだ。

 「熱くてよ!苦しくてよ!ほれこそ面(マスク)ば外して働いたさ。アラームも無視して」
 全面マスクははく息と高温ですぐ前が曇り見えなくなった。

 ○原発で働く労働者の数は?
  ・年間8万人にもなろうとしているという。
  ・1970年~現在までの原発労働者の延べ人数は200万人。
  その内40万人~50万人が被爆したとみられている。
 ○原発労働の形態は?
  ・原発(電力メーカー)→元請け(財閥系)→下請け→孫請け→ひ孫請け→親方(人出し   業や暴力団)→日雇い労働者(農漁民・被差別集落民・元炭鉱マン・大都市寄せ場・都市   労働者のほか未成年者(住民票は偽ってー暴力団の資金源の一つとなっているーも集め    られている重構造。
学生が原発でアルバイトをしているということもあるそうだ。
 ○報酬は?・・・1時間3万円が1万円に。ピンハネの世界ー命のピンハネだ。
 ○仕事の内容は?
  ・除染作業・床掃除など・ランドリー(作業服の)・パイプの補修、掃除・サンダーが     け・スラッジタンクの掃除・ヘドロはがし溶接作業など何百種類にも及ぶ原発内作業
 ○労務条件は?
  「放射線管理手帳」の管理は会社。
  書き換えも行われているという。
  ※自分で労働日誌を書いておく必要がある。   
○労働者の被爆管理は?
  1990年の国際放射線防護委員会の勧告に基づく。
  ・5年間の平均が年間20mSv(ミリシーベルトー被爆線量の単位)以下で、どの年も  50mSvを超えないこと。 
 ○労災認定される基準は?
  ・5mSv×(被爆を受ける業務に従事した年数)に相当する被爆をした事実があること。
  (年間5mSvでも放射線障害を発症する可能性があることを示唆している。
  慢性骨髄性白血病・多発性骨髄腫・悪性リンパ腫などで死亡し労災認定を受けた人たちは
  15.6、16.5、15.8各mSvで発症している)
  労災認定は、わずか6例に過ぎない。
 ○年間20mSvでも危ないのに、50mSvを許可しているのは?
 そうしなければ、原発の保守管理も運転もできないからにほかならないから。
 ○闇に葬られてきた原発被爆労働者のガン死者数は?
  ・放射線障害を発症するのには個人差があるが、集団被爆の場合、集団の被爆総量(人数   とそれぞれが浴びた線量の合計)とガン死者数に一定の法則性があることが分かった。
(ただ、研究者等によって評価の仕方に差がある。)
  これまでに分かっている日本の原発での総被爆線量は3162.95人・シーベルトとし   て、幾つかの計算では158人~1265人のガン死者が推定されるという。
 
 「長靴の中は、20分くらいで汗でぐしょぐしょになった。」
「わしらが規則を無視してやらなかったら定検は日程内では終わらんだった。」
 原発被爆労働者の声が聞こえてくる!

 想像をはるかに上回る原発労働者の実態にあきれるばかり!<emoji code="a005" />
 民主党政権はこのような実態を知らないわけはあるまいに、原発推進。<emoji code="a003" />
 昨日のニュースでは、ベトナムに原発2基売り込んだと手柄話になっていた。
 外国にまで原発被害者を作るとは嘆かわしい<emoji code="a004" />

 さて、では、被爆労働者の救済策はあるの?
 この問題は、国策として幾重にも隠されてきたため国民への広がりがない。
 医療機関も労基所も福祉関係も認識が不足している。裁判所は政権よりときている。
 
 大変厳しい。放射能のこととなれば手の届かない問題だ。
 でも、生活の問題として捉えれば、我々(生活と健康を守る会のようなボランティア団体)でも専門家(原子力資料情報室や医療機関、弁護士など)とタイアップして協力できるのではないかと思う。
 
 一番の原因はこの社会にあるのだ!
 みんなでなんとかしよう!!!