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「ORKの口伝」はフィクションです
実在する全てと無関係です

ORKの口伝126

2010-03-13 | フィクション
この文章は全てフィクションです。
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝126」

ルーチェ・セーメ

受粉専用として開発された、
オレンジの一品種である。
およそオレンジであるならば、
どのような品種とでも交配させる事が出来、
新品種の開発育種のためにはもはや必需品である。

まず第一にこの品種の特徴としては、
この品種を使い交配させ開発された品種は、
元の品種の特性をさらに強く引き出すのである。
果実が大振りであったものはさらに大振りに、
果肉の柔らかさが際立っていたものはさらに柔らかく食べやすく、
という風に変化するのである。

第二の特徴は、
突然変異の起こる確率が非常に高いことである。
元々が酸味が強く生食にはあまり向かなかった品種が、
交配させる事によって格段に糖度が向上し、
すっかり違う品種になったりする事があるのである。
ただこの性質のせいで、
元の品種がもっていたよい所を全て悪いほうに変える事もある。
しかしこの様な悲惨な結果に終わった交配は、
現在一件しか確認されていない。
その残念な結果となった品種は、
「マル・デ・ダメダーニャ」と名づけられ販売されている。
しかし食品としてはまるで駄目な品種だが、
非常に病気に強い品種になったために、
観賞用の庭木としてそこそこ人気があるそうである。

その他の子孫たちについても紹介する。
まずその果実のオレンジの鮮やかさではその他の追随を許さない、
「セーラ・ネッビャ」
この品種は実をつける数も多く、
観賞用として非常に見栄えがよい。
しかし味は全体的に水っぽい。

次は糖度が高く中身の小袋が柔らかく生食に適した、
「フリギデュム・フォンス」
味が良く食べやすいため人気の高い品種である。
ただ外皮も中身も全体的に色が淡いため、
オレンジらしくないというのが難点か?

次は非常に果実が大きく多収な品種である、
「ヘルプスト・リーベ」
陶土は平均的であるがその実の大きさゆえに、
果汁が多く取れるのでジュースの原料用品種として重宝される。
また外皮も多く取れるので、
こちらもマーマレードの原料として量が確保しやすいため、
人気があるのである。
難点としてあげられる事は、
その実の大きさと量の多さゆえに木が風で折れやすいことである。

最後に非常に小ぶりな果実がかわいらしい、
「夕玉かずら」
この品種は非常に特徴的で、
外皮ごと食べる事が出来る珍しいものである。
オレンジだが温州みかんより小ぶりで、
金柑を一回り大きくしたくらいでまん丸な果実である。

この様にさまざまな特徴を持った品種が作られているが、
園芸に興味がある方たちは自分で育種に挑戦しては面白いのでは?
国によって変わると思われるが、
法的に問題がないのであるならば、
色々な品種と交配させ自分だけの品種を作ると、
世界に一本だけの自分の為だけのオレンジの出来上がりである。
ちなみに私は庭先に「夕玉かずら」を植えているが、
散歩から帰ってきたときなどの季節のおやつとして、
非常に美味しくいただいているのである。

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この文章は全てフィクションです。


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