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20120115ORKの口伝140「スリーパーハウンド」

2012-01-15 | フィクション
20120115ORKの口伝140「スリーパーハウンド」

この文章はすべてフィクションです

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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝140」

スリーパーハウンド

 体長180cmにもなる大型犬の一種。
かつては長毛種のみであったが、
ペットとしての需要が高まるに連れて、
世界のあらゆる気候でも飼いやすいように、
複数の毛並みの種が開発され多様な国で愛されているのである。
 この犬種が開発された主な目的は狩猟犬としてであり、
特に大型の獣を狩るために育種されたため、
主人に忠実で大変勇敢な性質の持ち主である。

 狩猟における犬の役割は、
獲物の追跡・包囲・追い込み・ポイントなどであるが、
この犬種は直接戦闘が主な役割である。
相手がどれほど大型の獣であったとしても、
主人が銃を使う前に開いての動きを止めることができる、
極めて優れた能力を持つように育生された犬種である。
 その獲物の動きを止める優れた能力とは、
実は牙や爪などではない。
その他の猟犬にはない優れた能力とは、
その前足の脇の下から任意に出すことができる強烈な臭いである。
前足脇の下で獲物の顔及び鼻先を抱え込むようにして、
そこにある臭腺から臭いを放ち失神させるのである。
 その時の格好が、
脇の下で顔を締めるタイプのスリーパーホールドににているのが、
名前の由来だそうである。
 この臭いは熊ですら一撃で失神させるほどであるため、
熊より嗅覚の劣る人間であっても、
かなりの苦痛をともなう。
そのため狩猟だけでなく番犬としても実に有用な犬種である。

 この犬種の最大の特徴で武器であるこの臭いだが、
ペットとして飼うにはあまり歓迎されないようだ。
もともと愛玩用として育種されたわけではないため、
狭い室内や込み入った住宅地などには向いていないのだろう。
 狩猟を趣味とすることのできる裕福な広い家なら、
この犬専用の場所を確保することで、
臭いの問題は解決することができるだろう。
または家と家の距離が広い田舎などのほうが、
この犬にとってはありがたい環境であると思われる。
 犬を家族として大切に想うならば、
相手が馴染めない環境に迎え入れるのは、
お互いに苦しむ事になるのではないだろうか。

 忠実で勇敢な性質のこの犬種はそれでも人気があり、
最近では脇の下の臭腺を外科的に除去した者を、
ペットショップに依頼して飼い始めることもできるそうである。
 しかしこの手術を施した者は、
臭腺から体内の分泌されるホルモンが欠落しているため、
体長を崩しやすいのがかわいそうな所である。
幸い餌から取り入れることが出来るので、
その専用の餌を忘れないように気をつけることで、
体長の悪化は防げる。
 だがたとえこの様な手段で防げるにしたとしても、
相手の体をいじってまで自分のそばに置いておこうとするのは、
いかがなものかと思うのである。

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この文章はすべてフィクションです
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