20101214読書録色々
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最近の読書
「にぎやかな未来」4
著者 筒井康隆
出版 角川文庫
p226より引用
“考えてみれば豚肉でも牛肉でも、
体内で分解されてしまえば同じアミノ酸なのだから、
合成食品だってかまわないのだが食欲と言う奴は、
そううまくなっとくさせてしまうわけにはいかない。”
SF作家である著者による、
商業誌第一作を含む短編集。
解説は、
ショートショートの大家・星進一氏。
上記の引用は、
全栄養をひとかけらで摂取できる未来での話の中の一文。
時間がかからないのは良さそうな食事ですが、
食べ物に関する話題が出てこない会話は、
とてもつまらなそうです。
たまにサプリメントばかり食べている人の話を、
聞く事がありますが、
未来にあこがれているのかもと思いました。
初版が昭和47年ですが、
古さを感じる事はそんなにありません。
皮肉な笑いが好きな方に。
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「ヘタな人生論よりイソップ物語」
著者 植西聰
出版 河出文庫
p29より引用
“他人の心を傷つけまいと思いやりをもって接してゆく姿勢は、
ほかならぬ自分のためでもあるのです。”
カウンセラーである著者による、
イソップ物語の従来の解釈に加え、
著者独自の解釈を加えた一冊。
誰でも一度は耳にした事のある話が、
具体例を交えた解説と共に掲載されています。
上記の引用は、
ワシとキツネの話の解説の一文。
情けは人のためならずの言葉を表す物語は、
かなりの数繰り返し出てくるので、
大昔も今も通じる本当に普遍的な考えなのだなと思いました。
大人になっていても、
これらのはなしの教えは役に立つでしょうから、
いつ誰が読んでも面白いと思います。
子どもから大人の方まで。
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「続・涼しい脳味噌」3
著者 養老孟司
出版 文春文庫
p196より引用
“自転車に乗れる、スキーで滑れる、泳げるようになる。
それを、なぜだと尋ねても、本人にも返事ができない。”
解剖学者である著者による、
独自の視点から世の中を見た雑誌連載をまとめた一冊。
昆虫標本のカビふきから戦争の話まで、
世の中の事柄を幅広く取り上げ解説されています。
上記の引用は、
学生に解剖を教える事についての一文。
物事を繰り返し身体で覚える、
これが身体知というものなのでしょうか。?
後半は書評なので、
読みたい本を探す為に活用されるのも良いかもしれません。
少し変わった視点で世の中を見たい方に。
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「新版 年収300万円時代を生き抜く経済学」5
著者 森永卓郎
出版 知恵の森文庫
p128より引用
“お金を使わなくても幸福に暮らす方法はあるのだ。
ただし、
それには働き方や生活の上での発想の転換が必要になってくる。”
経済アナリストである著者による、
収入が低下したとしても、
豊かに生きるための提案を記した一冊。
日本社会の変化から具体的な知恵と工夫など、
本人の子供時代からアナリスト時代までの、
経験をまじえて書かれています。
上記の引用は、
人生を犠牲にして働く事と言う発想に転換を迫る項の、
締めの一文。
この文庫版が刊行されて5年程経っていますが、
当時よりまたさらに厳しい状況になっているような気がします。
しかし、
この様な状況を何とかやり過ごすためにも、
お勧めの一冊です。
全ての年代の働く方に。
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「精神科の待合室」4
著者 斎藤茂太
出版 中公文庫
p106より引用
“やっぱり教えられなければ、人間はだめなんですね。”
精神科医である著者による、
多くの精神疾患の症状を、
著者が出会った実例と共に紹介・分析する一冊。
ノイローゼから薬物依存まで、
普段から耳にする症状の具体例に、
著者なりの対処が示されています。
上記の引用は、
佐藤愛子氏との対談の締めの一文。
親が無くとも子は育つなどと言われますが、
健在でいるのであれば、
自分の持っている経験などを伝えるのは重要である、
と言う事でしょうか?
単行本の刊行は1974年となっていますが、
30年以上も前から今と変わらない事件があったのかと思うと、
何ともいえない気分になります。
メンタルヘルスの基礎知識を得るための一歩として。
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「死体は知っている」3
著者 上野正彦
出版 角川文庫
p36より引用
“いや、目を閉じなければ見えないものもあるのかもしれない。”
法医学者である著者による、
死者とその死因にまつわるエピソードを綴った一冊。
著者の豊富な経験を元にした実例と、
まるでノンフィクションの様な短篇が収録されています。
上記の引用は、
魂の重さと題された項の締めの一文。
本当に大切な物は目に見えないとは、
星の王子様の中で使われた一言だったでしょうか?
死を科学的に分析する法医学者であったとしても、
感傷的な考えを持たざるを得ない、
理屈で分かる事の出来ない事が、
まだまだこの世には数多くあるようです。
事実は小説より奇なりを地で行く様なエピソードが多くあるので、
リアルさを追求される方に。
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「人類が消えた世界」3
著者 アラン・ワイズマン
訳 鬼澤忍
出版 ハヤカワ文庫
p462より引用
“ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、
地球もまたしかりだ。”
あらゆる科学的データを元に、
今突然人類が地球上から消えた時、
どの様な変化が訪れるかを考察した一冊。
近代都市の建築物から大海まで、
その行く末を科学的根拠に基づいてシミュレートされており、
自分達の普段の生活について考えさせられます。
上記の引用は、
最後の章の冒頭の一文。
少しでも元気に長く生きる事が出来れば、
今問題になっている事が次々に解決される所を、
見る事が出来るのでしょうか?
出来ると思いながら出ないと、
気分が滅入ってしまいそうな現状だとは思いますが。
想像をめぐらせるのが好きな方に。
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「裏ネタ全書」3
編 エンサイクロネット
出版 知恵の森文庫
p150より引用
“しばらくは、この長文欠落現象、
どうにも収まりそうにない。”
世の中にあふれる雑学の中でも、
少し怪しげな感じのするものを集めた一冊。
タイトルに示されるような、
裏ネタといわれるものばかりではなく、
身近な事が数多く取り上げられています。
上記の引用は、
コック後のテストに関する項目の中の一文。
多くの人に読んでもらえなければ、
世間に存在を知ってもらえないけれども、
無許可で使われるのも困る。
著作権の問題は本当に難しい物だと思います。
個人的に気になったのは、
焼きナスが海外で焼かれていると言う項目。
今後外食する事になっても、
焼きナスを注文する時には複雑な気持ちになりそうです。
雑学好きな方なら買って損のない内容だと思いますが、
既知のものがある場合が多いでしょうから、
目次だけでもチェックしてから買われた方がいいのでは?
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「大人のケンカ必勝法」3
著者 和田秀樹
出版 PHP文庫
p88より引用
“他人の気持ちなんて予想しても、読める物ではないから、
自分がどう見られているかということを
勝手に考えない方がいい。”
精神科医である著者による、
社会で生きていく為に有効な心理学的行動を紹介する一冊。
心理戦の重要性から負けても巧く立ち回る方法まで、
実用的に思える方法が詳しく解説されています。
上記の引用は、
認知的不協和に関する項目の中の一文。
まず自分の事を良く知り無理をしないと言う事が、
大切なのでしょうか?
目に見えないことを邪推するのは、
取り越し苦労を増やすだけと言う事でしょうか?
自分の感情をコントロールする為の一助として。
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「やっぱりイタリア」5
著者 タカコ・H・メロジー
出版 集英社文庫
p49より引用
“イタリアでは、ウサギの肉には必ず頭がついてくる。”
ライターでありイタリア在住である著者による、
イタリアの人々や料理に対するあふれんばかりの愛情を、
あますところなく書き綴った一冊。
著者のご近所さん達やレストランで習ったレシピが、
数多く載せられており、
エッセイとしても料理本としても楽しめます。
上記の引用は、
著者が苦手なウサギを料理する項の中の一文。
日本では一般的にはあまり売られていないウサギ肉ですが、
イタリアではメジャーな様です。
何かで聞いたのですが、
ウサギを1羽2羽と数えるのは昔は鳥として扱ったからだとか?
大昔は日本でも良く食べられていたのかと思うと、
今簡単に手に入らないのは少し残念です。
料理好きの方に。
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「朝バナナダイエット」4
著者 はまち。
出版 ぶんか社文庫
p9より引用
“実はダイエットは頑張らないことがとても重要です。”
予防医学の知識を基にした、
比較的続けやすいダイエット法を紹介する一冊。
太る原因から実践者の体験談まで紹介されており、
ネットでコミュニティも開設されているので、
ダイエットに参加するのも容易です。
上記の引用は、
朝バナナダイエットのコンセプトを解説した中の一文。
必死になって身体を動かしている人が見たら、
複雑な気持ちになりそうな一文です。
この方法は果物が好きな方には非常に簡単ですが、
辛党の人やフルーツが嫌いだと苦痛なのではないでしょうか。
著者はアレルギーの方や通院中の方は、
医師と相談する事を勧められています。
この方法が流行した時は、
バナナの売り切れが発生していたようですが、
今はまったくそのような事が無いので、
試してみるには良い時期ではないでしょうか。
健康で在りたい方に。
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