いつまでもぼちぼち

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実在する全てと無関係です

読書録「トリックスターズ」ほか

2020-11-05 | Weblog
読書録「トリックスターズ」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p68より引用
“ 人間には『可聴域』というものがある。
人が実際に、ただの振動を"音"として感知で
きる周波数範囲のことだ。いわゆる人間の機
能限界を示した言葉だが、世界には稀に(そ
れこそ数千万人に一人という確率で)この可
聴域外の"音"を感知し、さらにその"音"を発
することのできるー人間としての機能限界を
遥かに突破した超越者が生まれてくることが
ある。
 すなわち、それが魔術師である。”

目次より抜粋引用
“魔学部入学ガイダンス
 魔術師の殺人ゲーム
 魔学的観点からの密室殺人アプローチ
 課外授業・佐杏ゼミの捜査と推理
 魔術師の回答弁論”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。
 友人との約束で、医学部女子との合コンに
参加した主人公・天乃原周。周が巻き込まれ
た事件について聞きたがる女子たちだが、真
相を話すことの出来ない事情に頭を悩ませる…。

 上記の引用は、魔学と音楽の似たところに
ついて書かれた項での一節。
物質が持つ固有振動数に働きかけるとか、超
ひもの振動に干渉するとか、そんな感じでしょ
うか?進んだ科学は魔法と見分けがつかないと
の言葉を聞いたことがありますが、今後もっ
と魔術・魔法のようになるのかもしれません
ね。
 魔術ありのミステリなので、先の展開を予
測しにくくて、それが面白いところでしょう。

ーーーーー

読書録「トリックスターズL」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p79より引用
“ 古来日本では、いわゆる『裸の付き合い』
というものが大切にされている傾向にあるが、
ぼくはそういうのにはどうも抵抗がある。同
性であろうと異性であろうと、裸を見るのも
見られるのもつくづく遠慮したいのだ。”

目次より抜粋引用
“嵐の山荘への招待状
 密室魔術実験
 迷刑事臨場、名探偵退場
 凛々子と周の捜査と推理”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第二弾。
 ゼミ仲間の凛々子の車を運転し、大学付属
の研究所へと向かう、主人公・周。後部座席
で寝る、ゼミの教授であり世界的に希少な魔
術師とともに、実験に協力するために研究所
へ行くと…。

 上記の引用は、ゼミの友人・凛々子と一緒
にお風呂に入る主人公・周の胸の内。
若い時から平気な人はいるでしょうが、苦手
でも年を取ると平気になることもあるようで
す。人からどう見られているかについて、あ
る程度鈍感な方が、気持ちが楽に過ごせるよ
うになるのかもしれませんね。
 過去の事故で不幸に見舞われた兄妹の絆に
よる、切ない物語が綴られています。

ーーーーー

読書録「トリックスターズD」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p149より引用
“"機械仕掛けの神"-それは小説、戯曲など
で、困難な場面に突然現れて、不自然で強引
な解決をもたらす存在のことを指す。”

目次より抜粋引用
“in the "D"aylight
 in the "D"aylight2
 in the "D"ark
 in the "D"ark2
 in the "D"ark3”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第三弾。
 友人との待ち合わせよりも早めに目的地へ
向かい、コーヒーを一杯飲んでからその場へ
向かおうと思った主人公・周。しかし目当て
の喫茶店はclosedの札が出ており…。

 上記の引用は、突然暗闇へ閉じ込められた
場面での一文。
主人公達で解決できないことは、神様にでも
出てきてもらわなければ、物語が前に進まな
いのかもしれませんね。現実にもそんな都合
のいい存在が欲しいところですが、一人一人
にそんな存在がついていたら、結局諍い事ば
かりになりそうです。
 学校や大学を舞台にした作品では付き物の、
学園祭での話が描かれた巻。楽しいイベント
の様子より、ミステリならではのトラブルが
起こります。魔術が絡む物語なので、本格ミ
ステリとはその手の専門家からは見られない
のかも知れませんが、謎が主人公たちによっ
て解決されるさまは、ミステリ以外の何物で
もないのではないでしょうか。

ーーーーー

読書録「トリックスターズM」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p82より引用
“「物事ってのは一見単純そうなことでも、
実際には目に見えない様々な要素が絡んで成
立してるだろう。お前が今すぐ雨の降る外に
出て服を濡らすにしても、傘を持っていれば、
そもそも雨が降っていなければーという具合
に、ある現象を発生させるには無数の条件が
必要で、そのうちの一つでもそろっていなけ
れば未来はたちまち別のものになる。結果に
は必ず原因がある。逆に、その原因を完全に
把握できたとすれば、結果を予測することも
不可能じゃない」”

目次より抜粋引用
“魔術師師弟の夢見考察
 マスカレイド開幕!
 名探偵の条件
 彼女はなぜ死を選ぶのか?
 閉幕、そして未来”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第四弾。
 トラブルはあったものの、学園祭初日を終
えた打ち上げで飲んで、そのまま眠って朝を
迎えた主人公・周。目を覚ます直前に視たイ
メージのためか、周は混乱しつつも状況を確
認する…。

 上記の引用は、主人公・周の能力について
の魔術師教授の台詞。
原因を把握したという事実によって、また結
果に違う可能性が出たりもしそうです。量子
コンピュータが実用化されたら、全ての結果
の可能性が見られるようになるのでしょうか
ね。何一つ良い結果がもたらされる可能性が
ないことが分かってしまったとき、その人は
一体どう行動したらいいのやら…。何もかも
見えてしまうより、ある程度ぼやけている方
がいいこともあるのではないでしょうか。
 自らの能力と向き合い、一つ違う未来へと
進もうとする主人公の様子が描かれます。
自分の行動いかんで結果が変えられるのなら、
まあ頑張る気にはなるでしょう。そうであり
たいものです。

ーーーーー

読書録「トリックスターズC PART1」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p163より引用
“「精巧で緻密な嘘はーそれこそ芸術的とかっ
て賛美されるようなものはー嘘だけど嘘じゃ
ないんだ。そもそも嘘だと思われないし、逆
に嘘だとわかっていてさえそういうものとし
て信じられる、つまりその人にとっての真実
になるんだよ。それが僕の考えるきちんとし
たフィクションだね」”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第五弾前編。
 学園祭の運営で忙しく、寝不足の実行委員
会代表の下に、『魔術師からの挑戦状』が持
ち込まれた。多くの人員や参加者の協力で最
終日までこぎつけた祭りの成功のために、彼
は不安要素を払拭するよう行動する…。

 上記の引用は、作家志望の高校生の台詞。
物語の作者はこういう心情で、作品を書き上
げておられるのでしょうか。著者の気持ちの
代弁なのかもしれません。しかし、その人に
とっての真実ばかりを見つめていると、行き
つく先は狂信になるのではないかと思われま
す。程々に信じて楽しく生きたいものです。
 またも学園にちょっかいをかけてきた、魔
術師・アレイスター・クロウリー。無事に学
園祭は最後を迎えることが出来るのか、物語
は魔術師たちにどのような結末を与えるか、
続きを読まずにはいられない展開です。

ーーーーー

読書録「トリックスターズC PART2」3

著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫

p41より引用
“ どういう意味か訝ると、いみなちゃんは
すぐ後ろに並んでいた客に一度この場所を離
れる旨を伝えた。前後の事情など一切わから
ないだろうに、いみなちゃんが両手を合わせ
たお祈りのポーズを取ると、それだけで相手
はすべてを承知したとばかりに、同じお祈り
のポーズを返してきた。”

 体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第五弾後編、第一部
完結。
 学園祭の成功に不可欠なものが奪われ、解
決のために尽力する主人公・周たち。周の前
に現れた気味の悪い男・フィルと共に実行委
員会本部へ行くこととなり…。

 上記の引用は、同じアーティストのライブ
を観るために並んでいた、ファン同士のやり
取り。
こういう良い関係を築ける同行の士というも
のは、貴重な存在ですね。同じ物事が好きで
あっても、諍いになることも多いようですか
ら。
 佐杏冴奈編完結とのこと。続編も出ている
ようなので、ここまで読まれた人ならば、続
きを読まずにはいられないでしょう。

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