いつまでもぼちぼち

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実在する全てと無関係です

読書録「少年陰陽師 闇の呪縛」ほか

2022-06-21 | Weblog
読書録「少年陰陽師 闇の呪縛」3

著者 結城光流
出版 角川文庫

p18より引用
“ 闇にまぎれて京の街を散策するのが趣味
のおとなしい妖怪「車乃輔(仮名)」さんは、
思いもかけずにばったりと陰陽師に遭遇して
しまい、慌てふためいて脱兎の如く逃げ出し
た。が、それを見た少年陰陽師は条件反射で
車乃輔さんを追いかけ、追い詰められ足留め
された憐れな車乃輔さんは、必死に助命を乞
うのだった。まる。”

 安倍晴明の孫を主人公とした、和風ファン
タジー長編小説。シリーズ第二弾。角川ビー
ンズ文庫「少年陰陽師 闇の呪縛を打ち砕け」
改題作。
 都の異変は他国の妖怪の存在が原因である
ことを知り、夜毎に街を見回る主人公・安倍
昌浩。相棒の物の怪と共に、出会った妖怪を
追いかけるのだが…。

 上記の引用は、見た目に反して害意を持た
ない妖怪を祓いかけた場面の一節。
昼間に公園を散歩しているだけで、警官に職
務質問される、見た目いかついおじさんといっ
たところでしょうか。公の場でゆっくり出来
ないような、息苦しい世の中ではなくなって
ほしいものです。
 主人公・昌浩だけが「清明の孫」と呼ばれ
るその理由が、良く描かれた巻。王道少年漫
画的な展開に、胸が熱くなること請け合いで
す。

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読書録「少年陰陽師 鏡の檻」4

著者 結城光流
出版 角川文庫

p12より引用
“ 清明は何も言っていないが、微笑ましく
思っていることだろう。否、微笑ましいどこ
ろか、孫が認められたのが嬉しくて仕方がな
いかもしれない。”

 安倍晴明の孫を主人公とした、和風ファン
タジー長編小説。シリーズ第三弾。角川ビー
ンズ文庫刊「少年陰陽師 鏡の檻をつき破れ」
改題作。
 外から来た大妖怪の手下との戦いで、大怪
我をし、その上気候の急変で体調まで崩した
主人公・安倍昌浩。病み上がりの身で眠る昌
浩の部屋に、突然大きな気が降りるのを感じ
た相棒の物の怪は…。

 上記の引用は、清明の式神が昌浩を認めた
様子についての一節。
敵との戦いを経て、反目していた仲間にも認
められる。主人公の成長を描く物語の定番で
王道ともいえる展開です。
 一巻目に感じた軽さは、主人公と相棒やそ
の他の式神との掛け合いにだけ残して、後は
殆どシリアスな話の流れに。最後の話の展開
は、権力者なら地位を保つためにこの位の事
はしていたのかも知れないなと思わせられま
す。
 日本史や古典を学校で習っている年代なら、
もう一段評価は高くなるのではないでしょう
か。主人公に年が近い方が、感情移入もしや
すいでしょうし。

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読書録「田所さん4」ほか

2022-06-14 | Weblog
読書録「田所さん4」4

著者 TATSUBON
出版 キルタイムコミュニケーション

p19より引用
“マナー 広く言えば
相手に対する思いやりのことです
お互いが楽しければ
何も問題ありません”

 絵を描くのが好きな地味な子と全方位完璧
に見られるお嬢様の、女子高生二人を主人公
とした、百合百合しいラブコメ漫画。
単行本版完結巻。
 主人公・田所さんの作品を一緒に盛り上げ
ようとする雑誌編集者・大山。しかし、賞レー
スに臨むライバルの原稿を、田所さんの作品
を否定した同僚編集者に見せられ…。

 上記の引用は、田所さんの人生初のアフタ
ヌーンティーでの、二階堂さんの台詞。
お互いに不快な思いをしないためのはずのマ
ナーなのでしょうが、それを知らない相手に
対して、優位性を示すことに使われているよ
うな気が、しないでもありません。
 商用出版はこれで完結とのことですが、web
では続きが描かれています。より一層百合の
香りが濃く感じられるので、好きな人にはた
まらない作品ではないでしょうか。

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読書録「少年陰陽師 異邦の影」3

著者 結城光流
出版 角川文庫

p84より引用
“ 占術は、ひとつの事柄に対し、日に一度
だけ。それ以上は行ってはならない。占いと
いうものは、最初に出た結果が全てを左右す
る。納得できなかったり、希望どおりではな
かったとしても、一度きりとー。”

 安倍晴明の孫を主人公とした、和風ファン
タジー長編小説。角川ビーンズ文庫刊「少年
陰陽師 異邦の影を探しだせ」改題版。
 時は平安、京の都。妖を祓う為に、暗闇の
中張り込みをする少年とその相棒。気心知れ
た会話をするその少年は陰陽師、相棒は物の
怪。人と怪異が共にある世の物語…。

 上記の引用は、内裏の火事の原因を式占で
探ろうとする場面での一節。
結局主人公・安倍昌浩は、よくわからない結
果に何度もやり直していますが…。自分の望
む結果を求めるよりも、出た運命にどのよう
に対処するかが、大切なのかもしれません。
 元は角川ビーンズ文庫から、ライトノベル
として刊行されているそうです。アニメ等そ
の他のメディアでも展開されているそうなの
で、活字を読むのが苦手な方は、そちらを探
されると良いのではないでしょうか。
こちらの文庫版は、まったくイラストも挿絵
もないので、そちらも併せて楽しみたい方は、
ライトノベル版を求められた方がいいでしょ
う。
 会話等のやり取りが現代調で、読みやすい
作品です。しかし、時代小説としてみると、
全体的に軽さを感じるかもしれません。

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