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「ORKの口伝」はフィクションです
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20111211ORKの口伝138

2011-12-11 | フィクション
20111211口伝138「サッカロン・ポームム・アマトウ」

この文章はすべてフィクションです。

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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝138」

サッカロン・ポームム・アマトウ

南米のジャングル奥深くで見つかった新種の植物である。
名前は今はまだ仮称であり、
発見者の名前とその木の実の特徴から名付けられている。
発見者はムシバモ・T・アマトウという自然保護官で、
野生動物保護活動の任務中に偶然発見したそうである。

この植物の特徴は何よりもその果実にある、
熟した果実の糖度は30とその他の果物と比べてかなりの高さ、
初めて口にしたときは砂糖水を噛んだとの感想だそうである。
発見したときにはジャングルの中の開けた、
陽だまりのようなところに数本だけ生えていたようで、
その周辺にはまるで見当たらない不思議な生え方だったそうだ。
アマトウ氏の発見の報告を受けて学者たちが調査したところ、
どうやら古代人の住居跡であることがわかった。

この植物の特徴を調べると現在の植物の中では、
柿に一番近いことがわかった。
柿はもともとアジア固有の植物で、
現在は世界で栽培されている果樹であるが、
この植物の発見により大きく学説が動く可能性が出てきた。
DNAを詳しく調査したところ、
今まで原種だと思われていたものよりも、
古い品種である可能性が出てきたためである。
そのため周辺での発掘調査が更に進み、
古代人の遺骨の化石が多数出て来ると共に、
この植物の種の化石も非常に多く出てきたのである。

その化石を更に詳しく調べると、
頭骨について残ってるはずの歯の化石の数が極めて少ない、
残っている歯の化石を更に調べると、
どうやらこの古代人たちはほとんど虫歯で歯をやられてようで、
その比率は現代人並の罹患率だったであろうと言われている。

こうして学識者たちには興味のつきないこの植物だが、
園芸家たちにかかればたちまち栽培品種に育て上げられる。
最初研究用に持ち帰られた種を植えたところ、
ほとんどの柿と同じように渋柿になってしまった。
古代人たちは数多く植えた中から、
甘柿になった木だけを残して食用にしたのだろう。
しかし現在は園芸技術の発達によって、
接木をすることで甘柿の苗木を数多く育てることができる。
こうして今現在商品化に向けて量産体制に入っているところで、
今後が楽しみな植物である。

ありとあらゆるコネを使い、
この柿を手にいれて食べることに成功した。
確かに甘みが強く砂糖水を咬んだみたいとはうまい表現だ、
甘みが強いのはいいのだか正直バランスが悪いと思う。
私が思うに、
この果物は砂糖原料として利用する方が、
これからの人口増加に備えた食料対策として、
有効なのではないであろうか。

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この文章はフィクションです。

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