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「ORKの口伝」はフィクションです
実在する全てと無関係です

ORKの口伝125

2010-03-07 | フィクション
この文章は全てフィクションです
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「オレヴァホ・ラフ・クノダイスキーの口伝125」

ミタマクイ

体長4cm前後の小型のサソリの一種、
森林性で湿度の高い場所を好む。
体色は暗緑色をしており、
じっとしていると苔むした小石の様である。

このサソリの特徴はその獲物の食べ方にあるのである。
毒をもったサソリであるが、
その毒性自体は大変弱く獲物の局部を麻痺させる程度である。
だがしかし、
非常に集団性が高く群れをなして獲物に襲い掛かるため、
標的にされた獲物が生き残ることはまず無いのである。
そしてこのサソリが恐ろしいのはここからである、
標的にした獲物を麻痺させるのであるが、
決して頭部等の生命活動の要である器官には毒を注入しない、
生かして生命活動が活発なまま食料とするのである。
このとき獲物は麻痺していない頭部を必死に動かすので、
まるで魂を齧られている様に見える所から、
この名がつけられたそうである。

獲物を捕らえるときは群れで円を描くように陣取り、
待ち伏せするのであるが、
このとき必ず頭を内側に向けて整列する。
この円の内側に入った標的めがけ、
まず円の内側に入るときに踏みつけられた一匹が反射的に攻撃、
それに驚いてあわてた獲物に向かって次々と、
その他の個体が攻撃を加えるのである。

この様に聞けば恐ろしい生物のように思われるが、
それは同程度の体の大きさの生物に限っての話である。
このサソリが標的とする生物は、
せいぜい自らの体長の二倍程度の大きさである。
それ以上の大きさの生物にこのサソリの毒が注入されても、
それほど深刻な症状は引き起こされることは無い。
大型のねずみくらいになれば、
皮膚がかぶれる程度で済んでしまうのである。
もちろん人間の子供でもさして変わりないのである。
それに動きが俊敏ではないため、
ちくりとやられてもすかさず逃げれば、
群れの攻撃全てを食らうことはまずないのである。

これらのことから、
人間にとっては一度に多量に手に入る蛋白源として、
生息地では重宝されているのである。
子供でも簡単に取ることが出来るので、
夕食のおかずにこのサソリを指定されたとき、
調達してくるのは子供たちの役目である。
食べ方としては素揚げがもっともポピュラーで、
尚且つ一番おいしい食べ方の用である。
油で揚げてしまえば、
甲殻もからりと香ばしく仕上がり丸ごと食べることが出来る。
反対にやってはいけない調理法は、
茹でることである。
茹でると甲殻がぐにゃぐにゃになり噛み切ることが出来ず、
中身だけを搾り取って食べることになるのだが、
もともとあまり大きさが無いため、
食べるところがあまりにも少なくなってしまうのである。
ちなみに揚げると色合いが変わり、
暗緑色だったものが鮮やかな黄緑色になる。
まるで合成着色料を使って色付けした駄菓子の様になる為、
子供たちにはおやつとしても人気が高いのである。

私も揚げたてを食べたのだけれども、
そのときの味付けは塩だった。
シンプルな味付けが香ばしさを引き立て、
大変美味であった。
もう少し違う味付けを楽しみたいのならば、
揚げたものにソースをかけるより、
下ごしらえの段階で、
しっかりと味付けするのがよいのではないだろうか?。
湿らせてしまうと甲殻が、
グニャグニャとなってしまうと思われるのである。
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この文章は全てフィクションです

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