50年もお母さまと暮らせたのは
主人のおかげだと気が付いたと彼女は語りました。
お葬式の会場で、これからも、どうかMをよろしくお願いしますと
直角に腰を折って、私にご挨拶なさるご主人に感動して
思い出すと今も涙がこぼれそうになります。
病院の先生が、彼女にあてたお手紙を読ませていただくと
生前のリハビリの時のご様子や、慰めの言葉、
そして、先生を信頼したお母様の葉書を手元において
自分の励みにしていますという 近況がつづられていました。
同封されたコピーの文字は、震えが丁寧に再現されており
どれほど、時間をかけて 懸命につづったかが、伝わってきました。
強い絆というのは、
どちらか一方だけの愛情で、形をなすものではありません。
親子でも、友人でも、ご近所でも、たぶん そういうものだと感じます。
愛情を求める前に、私はちゃんと提供できているか
振り返るチャンスをいただきました。