バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

リード工具(随時更新予定)

2016年08月05日 | リード調整
 以前から、リード工具についてまとめようと思っている。リード調整やリード製作を始めるにあたって、最低限必要なものから、あると便利なものまで、私視点でまとめていくつもり。

 とりあえず、思いつくものを並べていく。価格が分かるものは載せ、お勧めのメーカーがあればメーカー名も載せる。

※価格は平成28年8月現在のもの。
※リーガー等のメーカー物の価格は、日本国内のダブルリード店のホームページ掲載価格。
 お店によって価格が異なる。直接店舗で購入する場合は割引価格となる場合もある。
※このページ情報は随時更新予定。


【リード調整のための道具】


1、最低限必要な道具

〈マンドレル〉




・リードを差し込んで固定する道具で、調整並びに製作に必須。
・リード工具のメーカーから各種出ているが、リーガー製が入手しやすいかも。
・価格はリーガー製(4,320円~)、ピゾニー製(3,000円~)。
・自作する場合は、リードドライングボード用のピンの部分だけあれば、それに持ち手をつければよいかも。もっと安くする場合は、丸橋の先端をちょうどよいところでカットし、持ち手に布を巻き付けるなどして持ちやすくすれば、できるかも?(未作製)
・しかながら、マンドレルは、削る際に削りやすくするだけでなく、内径の形を一定にしたり、リード作製時にはきれいな内円を作るのに必要なため、メーカー製を1本持っていたほうがよい。


〈プラーク〉



・削る際にリードにはさんで使用する。
・価格はリーガー製(400~600円)。
・各種あるが、私的にはリーガー製が大きめで使いやすい。
・金属製のものもあるが、刃があたるのでプラスチック製がよい。
・刃のあたる箇所がへこんできたら新しいものと交換。

 
〈棒ヤスリ(精密ヤスリ/ダイヤモンドヤスリ)〉   







・調整するだけなら、棒ヤスリと紙ヤスリでも可能(ナイフがあるにこしたことはないが)。・目の荒いものを1本(三角)と、細かいものが何種類(三角、平丸、丸)かあるとよい。・加えて、さらに細いものがあると、ピンポイントで調整することができる。
・ダブルリードの専門店でも購入できるが、ホームセンターなどのもので充分。
・目が細かいもの(400~600番くらい)を選ぶ。
・私的に一番使いやすい形は三角。平丸(片面が平らで片面が平らなもの)は、リードのサイド(羽)あたる部分を薄くするのに便利。丸は、チューブ内にささくれがある場合、それを除くために必要。
・価格は1本数百円~、セットで1,000円~くらい。


〈耐水ペーパー〉



・私は、主に600番と1000番を使用。
・1枚数十円~。


〈ラジオペンチ〉



・リードの開きを調整したり、ワイヤーの締め直し等に必要。
・リード専用のもの(リーガー製7,000円前後)もあるが高価。普通のもので充分。
・普通のもので1,000~2,000円。
・先端が細すぎない普通のものがよい。細すぎるとワイヤーが締めにくい。


〈金属製物差し〉



・リードのサイズを確認するのに必要。自分にとって一番合うサイズを見つけたら、そのサイズになるように調整する。
・価格はシンワ製(200円/アマゾン)。


〈リード清掃ブラシ〉



・リード内部を掃除。最低でも三日に一度は清掃しよう。私は使用後は必ず実施。
・羽もあるが、お好みで。私はブラシのほうがよく汚れが落ちると思う。内部が傷つくので羽を使う、という人もいる。
・私が使っているものは、台所清掃用品。大~小5本セットで500円くらいのものの一番小さいもの。
・羽は、1本何十円~。


2、あると便利なもの

〈リードナイフ〉



・リード専用のナイフがあると、リード先端や根元の処理が容易(ヤスリだけだと削る量や箇所を狙いきれない)。
・それなりに高価。アンドウ製(12,312円~14,440円)。刀鍛冶が作ったリードナイフ(15,000円前後)。
・できれば1本持っていたい。
・私のお勧めは、「刀鍛冶の作ったリードナイフ」。両刃で、かなり繊細に削ることができるので、リード調整だけならこの1本。


〈切り出しナイフ〉



・利き手と逆用。右利きの人なら、左利き用。
・ブレードの根元の処理にあると便利。
・専用のリードナイフを使わずに、切り出しナイフでされている方もいる。
・価格は1,000~10,000円と幅広いが、5,000円前後のものがよさそう。


〈アートナイフ〉



・先端にカーブを持ったナイフがあると、ピンポイントで削ることができる。
・文具用品で探すとよい。(数百円~)
・アーミーナイフを使っている人も多い(数千円~)


〈ヤスリその他〉



・ヤスリは種類が多いので、適当なものを見つけたら試してみたい。写真は、少し幅広の砥石状のヤスリ。リードのサイド幅を調整するときに使っているが、結構便利。
・他に爪用のヤスリや、爪みがき用のほんとに細かいなどがある。


〈リーマー〉



・チューブ部分をボーカルに合わせるために必要。高価なため、あると便利に入れたが、できれば持っていたい。
・刃のついたもの(スパイラル状、一枚刃等)、ダイヤモンド粉のものがある。刃のついたものは基本的に乾いた状態で使用する。チューブは水に浸さないという人は刃のついたものでよいが、水に浸す人はダイヤモンドのほうがよさそう。
・各メーカーある。リーガー製(スパイラル刃12,000~16,000円/ダイヤモンド12,000~16,000円)、ピゾニー製(7,000~10,000円)、その他(3,000円~)。


〈ふで・歯ブラシ〉



・削った木カスを取り除くのに便利。
・習字用ふでは、楽器の清掃にも使える。


〈リード乾燥台〉



・リードケースでもよいが、乾燥台に立てておけば、うん、調整してるな、って感じになる。
・ゴルフのティーを適当な台に接着剤でつけるだけで完成。
・ゴルフのティーは、乾燥用にはタバタ・ショートティ(プラスチック)GV0474がお勧め。リード製作には別のお勧めあり。

3、懐に余裕があれば……


〈キャリパー〉



・リードの厚さを測定する。
・目分量や指先の感覚、吹いた感触だけでもいけないことはないが、ある程度一定のリードにするためには基準となる厚さを保持するほうがよい。問題が起きたとき、調整するための基準ともなる。
・一般工具としてのもの(10,000円~)もあるが、リード用(リードに差し込めるもの)のほうがよい。
・価格は、リーガー製(47,000円~)。


〈リードカッター〉



・先端をカットする。
・EやCisがぶら下がってしまうときなど、先端をカットしてブレードを短くすることで修正できることもある(短くすることでバランスが崩れるのでその他の箇所も修正する必要あり)。
・刃のまっすぐなつめ切りでも代用可。金尺をあててナイフでカットする方法もある。
・ハサミはまず失敗するのでお勧めしない。
・価格は、リーガー製(29,160~42,300円)。その他各種あり、価格ももっと安いものもある。



【リード作りのための道具】※以下、引き続き執筆予定。


 リードを作る場合は、上記の道具に加えて下記の道具が必要。

1、GPSケーンから作る場合


〈組み立て用マンドレル〉



・組み立て用マンドレルは、先端(第1ワイヤー部分に相当する箇所)が細くなっているものを使う。普通のマンドレルでも可能だが、割れがブレードまでいってしまうことが多い。
・クリストリーブ製などは、にぎりの両端に先端開き用の細いものと普通のものが一体となったもの(17ドル程度)もある。
・私は、普通のマンドレルを金ヤスリで削って細くした自作のものを使っている。


〈乾燥兼形成用リード立て〉



・私の場合は、乾燥時にチューブが丸くなるように、乾燥用のリード立てにしっかりと差し込んで乾燥させている。
・専用のドライングボードもメーカーから各種出ている。
・自作する場合のお勧めは、タバタ・プラスチックティー・段付超ロングティーGV0467(私が使用しているものは、すでに生産中止になったぽい、ロングではないティー)。


〈ワイヤー〉



・0.6/0.65/0.7㎜が一般的のよう。
・私は、第1ワイヤー0.6㎜、第2・3ワイヤー0.7㎜。
・専門店で短く切ったものも売られている。多く作る人は巻きで購入したほうがよいかも。
・リーガー製は、普通のものとソフトタイプのものがある。私は現在はソフトタイプを使用。


〈糸〉



・ナイロン糸、コットン糸等があり、太さも色々。細い糸を使っている方のほうが多そう。
・巻く糸の種類、太さ、糸玉の大きさなどで、音色や吹奏感が変わる、という人もいれば、変わらない、という人もいる。
・私は、コットン糸使用。太めの糸(編み物用)で、糸玉は大きめ。
・細い糸の場合は比べたことがないので分からないが、太めの糸の場合、ナイロン糸とコットン糸では明らかな違いがある。竿巻糸(ナイロン100%)だと、音の響きがコーンとした感じの固い音になる。試したリードすべてそんな感じになった。
・細い糸を二本に合わせて巻く方法もある。
・糸を巻く回数はほぼ一定にしている。巻き始め方と巻く間隔を同じようにし、巻き終わる位置もいつも同じ位置で巻き終わるようにする。



〈接着剤各種〉




・私が使用しているのは、マニュキア、ラッカー、雨樋用ボンド3種類。
・糸を巻く前にお尻から第2ワイヤーまでにマニュキアをまんべんなく塗布し、それから糸巻。巻き終わった糸にラッカーを染み込ませ乾燥。それから仕上げに雨樋用ボンドを厚めに塗布。
・糸を固める接着材や回数などは製作者によって異なる。



〈イーゼル〉



・ケーンに割線を入れるときの台になる。
・専用のものもあるが、ホームセンター等で直径3センチメートルほどの丸材を購入し、適当な長さに切ったもので充分。


〈カッターナイフ〉



・ケーンのチューブ部分の割線、面取り、シェイプ等。
・シェイプには少し厚めの刃の大きい方を、その他は小さい方でやっている。


〈つめ切り・食い切り〉



・ブレード先端の角のカットと、チューブ部分の長さを調整するときに使用する。
・足爪用の刃が真っ直ぐなものがよい。
・チューブ部分のカットには、刃が本体に斜めではなく直角についているものが使いやすい。私が使っているものは、プラモデル工作用のもの。




〈ノギス〉



・主にチューブの太さを計測するのに使っている。あると便利。
・これは知人から頂いたもの。

〈メーキングマシン〉



・無くても問題ない。が、あると便利。
・メーキングマシンでほぼ仕上げる、という方もいる。
・私は、きっちりと仕上げるためのガイドとなる型を持っていないので、あくまで、先端の処理(削る量を少なくして)を楽にするためのもの、と思っている。
・色々なメーカーのものがあるが、入手しやすいのはリーガーとリーズンスタッフ。
・写真はリーガー。


2、丸材、GPケーンから作る場合


〈シェイパー〉



・かまぼこ型ケーンから作る場合、シェイパーは必須。
・リーガー製のように二つ折りにして型をカットするタイプと、Fox製のようにそのままカットするタイプとある。そのままのタイプの場合、シェイプしてからプロファルすることも可能。
・シェイパーには多くの種類があり、大雑把に、サイドのラインが銀杏の葉のようにカーブをもって外側に広がっていくもの、ストレートライン、先端に向かっての広がりが少なくワインのボトルのような形をしたもの、の三種類がある。
・シェイパーによって吹奏感や響きが異なるので、好みのタイプを選ぶとよい…が、種類が多すぎて何が何やら。


〈プロファイラー〉



・ケーンの表面の皮むきマシン。
・プロファイルでケーンを薄く仕上げると、組み立て後に削る量は少なくてすむが、あまり薄くしすぎると組み立て乾燥時にへんな形のくせがついてしまった場合、修正がきかなてくなるので、あくまで皮むきぐらいに思っていたほうがよさそう。
・入手しやすいメーカーは、リーガー、リーズンスタッフあたり。
・写真は、リーガー。


〈ガウジングマシン〉



・ケーンの内側を削るマシン。
・内径の削り方は、メーカーによって異なり、外側に向かって薄くなるものと、均等に削るものがある。私が使っているリーガーは前者。
・このガウジングの厚さがリード製作においては、かなり重要だと個人的には考えている。自分の好みの厚さをみつけることが大切か。
・一般的な市販のケーンは、だいたい(乾燥時)1.25㎜前後(リーガー、メディールなど)。ダンツィは1.3㎜くらいか。私の好みは、今現在、1.35㎜。
・メーカーに直接オーダーする場合は、ガウジングの厚さを変更してもらうことも可能。
・入手しやすいメーカーは、リーガー、リーズンスタッフあたり。
・写真は、リーガー。
・後ろについているギロチンはケーンを適宜な長さにカットするためのもの。


〈プレガウジャー〉



・ガウジングの前に大雑把に裏面を削るマシン。これがあるとないとでは、ガウジングの大変さがおそらく天と地。
・写真は、リーズンスタッフ製。


〈ケーンスプリッター〉



・丸材を四つに縦割りする器具。
・メーカーによって形は異なる。写真は、リーガー製。


〈硬度計〉



・材の硬さを測る機器。
・組み立てる前に、自分の好みの硬さの材を選択することができるので、完成リードの質をできるだけ均一にもっていける。というか、もっていきたい、と思って使っている。
・写真は、リーズンスタッフ製。

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メンテナンス

2016年08月01日 | 楽器
 今年もピュヒナー零号機を釼持バスンーンワーク様でメンテナンスをお願いした。

 今回は、零号機が事故にあったためにロングジョイントとベルでキー連結その他に不具合があり、その箇所の調整を主にお願いした。それと、釼持様から提案があり、U字管の止めネジを既存のものよりも長くし扱いやすくしていただいた。





 これまではネジがかなり短くてネジを回しにくかった。それもあって、U字管をはずすことはめったになかった。溜まった水を捨てる際にブーツジョイントを逆さにしていたのだが、その水が音孔(Cis-tri)に入ってしまい木部が黒く変色してしまっている。悪化させないためにも、これからはU字管をはずして水抜きと手入れをしたい。

 少しずつ削りためたメディール材のリード(ブレード27㎜・チューブ29㎜)。だいたい同じような感じで仕上げることができてきたので、この方向でこれからも作っていくことにする。



 こちらはリーガー材のリード(ブレード28㎜・チューブ28㎜)。糸巻が終わったところ。



この後、最初に削った2本のうち1本は、バスーンアンサンブル仲間のお一人に気に入ってもらえたので差し上げようとしたのだが、それでは申し訳なくて受け取れない、ということで、材料費+αでお買い上げいただくことになった。
 こちらはまだ削る方向性が決まっていないので、しばらく色々と試してみたい。

 色々試すといっても、まったく違う削り方をできるわけもないので、基本は同じとして、
先端やハート部分、根元、サイドなどのポイントとなる箇所の厚さの加減を試している。

 それにしても作業部屋が暑すぎる。中二階でほぼ屋根裏のため午後3時の時点で33.6度。楽器やリード材のためには良くないのだが、他に場所を移せないのでしかたない。
空いた時間にリードを削ろうと思っても、これでは暑すぎてやる気がでない…。クーラーかけても涼しくなるまでに1~2時間かかってしまう。うーん、しばらくはリード作りのペースは遅くなりそうだ。
 
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