今年は砂浜を走らず水中からスタート。
バトルはなくスムーズにスタートした。左に集団がいる。
100mほどでばらけた。前には越川くん・尾塩くん。そして番長さんがいる。
くらげ番長さんの右で泳ぐが並んで泳げず後ろに付いた。くらげ番長さんはこの夏、1週間に10000mを3回というとんでもない練習をして、そしてウェットを装着している。四万十の状態でも勝てるかどうかわからないのに今回は四万十より間違いなく遅い。まっ・負けるか・・・。とにかくこのまま付いていきラストスパート勝負だ!!
何も持たずに生まれてきた俺は、中学・高校と水泳をしてきて「才能の差」という超える事も破る事も出来ない壁がある事を痛い程理解してた。しかし40を過ぎてその考えは少し変わってきた。時間が足りなかったのだ。たかだか5年や10年の修練では決して超えられなかった「才能の壁」。しかし、20年30年という膨大な努力の時間が少しずつ才能差を埋めていく。当然向かう先はオリンピックのようなゴールではないが、練習を続ける限り辿り着けるかもしれない。今のような練習をずっと続けるのは大変な事だ。何度も挫けそうになる。就職し、家庭を持ち、子供が生まれ、その中で練習を続けていくのは本当に難しい。くらげ番長さんはスゴイ。忙しい仕事をしながら家族との時間を大切にし、その上で尋常ではない努力量。 心から尊敬する。
400mのブイに来ても越川くんが近くにいる。越川くんが調子が悪いのか?俺たちが速いのか?
くらげ番長さんが遅れてきた。ちょっと前に出てみた。
800mを超えて後ろを振り返りたかったが遅れるのを恐れて見れない。右後方から誰か来た。あの泳ぎは下平さんだ。 あっ足に触られた! 間違いなくくらげ番長さんだ。ちょっとペースを上げる。
1200mで下平さんが上がってきた。去年はこの位置ですでに20m離されていた。今年はマシだな。
1600mで前に出られた。すぐ後ろで付いていく。何とか行ける!! 大型船の影響か、時々大波が来る。翻弄され思わず泳ぎながら笑ってしまう程の波だ。
2000mに来た。さらにペースを上げる。下平さんは後半加速型だが、俺もそうだ! ラスト勝負です。
2400mに来た。ロングスパートを仕掛ける。併泳する形で家島に着いた。コースがおかしい・・・。下平さん、右に行きすぎでは? メチャメチャ遠回りになっている。右に寄ろうとして何度もぶつかった。スミマセン・・・。後ろを確認するとかなり離れている。遠回りしても後続に抜かれる事はない。このコースで付き合います!!
去年は下平さんが他の人とデットヒートを繰り広げているのを遥か後方で見ていた。悔しくて、そして羨ましかった。今年はその場で闘えている。苦しいのは苦しいが体も心も充実感で一杯だった。
残り400m!! 並んで泳ぐがまだ余力はある。スパーとした。体一つ前に出たがまた追いつかれた。・・・失敗・・・。
残り200m再びスパートした。引き離せない!! ゲートブイが見える。並ばれた!!
スパートをかけられた!! 付いていけない。強い!!
結局2m以上離されてゴールした。立ち上がった後、走る力も残っていなかった・・・。
負けたか・・・。 しかし満たされた敗北だった。
去年のリベンジ。「全力を出す」は達成できた。
結局3位だったけど・・・。(笑)