ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

講演会のお知らせ&アフガン諜報戦争

2011年11月02日 02時02分21秒 | 書籍
地元の北海道芦別市で講演会を開きます。

「冒険することと書くこと」
5日午後6時半から、芦別市総合福祉センター大ホール。入場無料
主に北極圏の冒険旅行について話す予定です。

   ☆   ☆

アフガン諜報戦争(上) ─ CIAの見えざる闘い ソ連侵攻から9.11前夜まで
スティーブ・コール
白水社


スティーブ・コール『アフガン諜報戦争』を読む。本文だけで約800ページの大冊。細かな文字がぎっしりで読み応え十分だ。

ソ連の侵攻からアフガンの歴史を振り返り、そこにCIAがどのように絡んでいたのかを膨大な資料と関係者のインタビューで構成している。サウジとパキスタンの情報機関と、アフガンの政治勢力、とりわけタリバンとの関係が興味深かった。タリバンやビンラディンの背後でサウジとパキスタンがどのような動きをしていたのか、この本を読むとよく分かる。同じ白水社のローレンス・ライト『倒壊する巨塔』と併読すれば、現代アフガン事情に精通すること間違いなしだ。ただし、双方とも分厚すぎて、読み終わった頃には細かなところを全然覚えていないという欠点がある。あともう少し話を先に進めて、ラストにしてほしかった。どっちか読むなら『倒壊する巨塔』のほうが面白い。

倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道
ローレンス ライト
白水社



実はアフガン、イラク関係のノンフィクションは大好きで、本屋で見つけたものは大体読んでいる。『誰がダニエル・パールを殺したか』とか『ホース・ソルジャー』だとか。これだけ読むと、いい加減アフガンに行きたくなってくる。最近はタリバンも息を吹き返しているようだし、米軍も撤退するし、また熱くなるのだろうか。

アフガンものじゃなくてもアメリカの分厚いノンフィクションはなぜかよく読む。最近は他にもA・J・ジェイコブズ『聖書男』を読んだ。これは約600ページ。現代ニューヨークで聖書の教えを教条的に守って生活した記録。企画は最高に面白いが、日記なので途中で飽きてしまった。家にある未読本としてはデイブ・カリン『コロンバイン銃乱射事件の真実』があるが、これは面白そう。こちらは約500ページ。

聖書男(バイブルマン)  現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記
A・J・ジェイコブズ
阪急コミュニケーションズ



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