ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

朝日の雪男の記事

2011年11月01日 09時49分36秒 | 雑記
朝日の朝刊スポーツ面に、例のロシアでの雪男騒動の記事が掲載された。ロシア担当記者と、雪男担当記者で私の本にも主要人物として登場した近藤さんが共同で執筆したもの。ロシアの騒動と、ヒマラヤのイエティと呼ばれる動物についてまとめて紹介している。

ロシアの騒動のついては、私も三つぐらいのラジオ番組から電話でコメントを求められた。最初のラヂオプレスの配信記事を読んだ時は、面白いと思ったが、会議の結果、95パーセントが生息するという見解が発表されると、正直、ちょっとひいた。

95パーセントという数字に根拠はないだろうし、会議にどんな専門家が出席しているのかもよく分からない。マスコミは数字と初物が大好きだから、大きな数字が発表されただけで報道される。マスコミにとって重要なのはニュースが事実かどうかということより、ニュースがどこから発表されるかの情報源である場合が多い。95パーセントという数字が突拍子もないものでも、ケメロボ州という行政当局が発表したら、それはニュースとして権威づけされて、安心して報道できる。という報道の論理が透け透けで、ケメロボ州当局の観光誘致宣伝策に、世界中のマスコミがいいように利用されたようにしか見えない。

などという話を、ラジオ出演のたびに話したら、だいたいパーソナリティーの方から、「でもね、かくはたさん。雪男、いると思いませんか?」とたしなめられた。

雪男、いるんでしょうか。気になる人は、私の本を読みましょう。

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