ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

イカルイット帰還

2011年03月11日 03時42分45秒 | 探検・冒険
フロビッシャー湾沖合での計9日間にわたる耐寒訓練を終了し、本日、イカルイット(正確にはイカルイットの隣のエイペックスという集落)の宿に戻ってきた。耐寒訓練といっても、基本的にはテントの中でコンロをがんがん焚いて、本などを読みつつぬくぬくと過ごし、午後に数時間あたりをぶらつくといった程度で、訓練というより、極寒地でのキャンプ生活への慣れと、装備の点検のほうにより大きな意義があった。実際、放っておくとなんでも氷ってしまうので、クマスプレーなど氷らせてはいけない装備をどうやって保持するかとか、テントも極地用のでかくて使ったことがないようなやつなので、それを風が強い状況下でどう立てるかとかがなんとなく分かり、非常に有意義な期間だった。

写真は訓練中に一日だけばっちりと現れたオーロラ。

それにしても宿に帰ってきて、さっそくシャワーを浴びて、きれいさっぱりした後に、いままで来ていたフリースのにおいを嗅いだ時は、思わず吐き気をもよおした。脂ぎった極地用の特殊食料と、特にキャンプ中においしくいただいていたオイルサーディンの魚臭い悪臭がこびりついており、ひどいことになっている。9日間でこの状況なのだから、本番の50日間の旅行のあとは、いったいどうなるのだろう。

今後の予定としては12日に出発地点となるレゾリュートベイに移動。レゾリュート沖の氷の氷結状態を見極めた上で、キングウイリアム島のジョアヘブンへ向けて出発となる。今年のレゾリュート沖の氷結状態は最悪らしく、2月に犬ぞりでほぼ同じルートを行く予定だった極地探検家の山崎さんは、いったんレゾリュートに引き返したようだ。

山崎さんのブログ
http://hidedogs.blog.eonet.jp/hidedogs/

今回のわたしたちの旅の模様をもっと詳しく知りたい人は、わたしのブログより同行している荻田泰永くんのブログのほうが詳しいので、そちらを見ましょう。

荻田くんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ogita_exp





コメント (4)
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