ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

若い冒険心縛っていないか

2010年01月24日 09時59分42秒 | 雑記
朝日の国際面に沢村亙記者の「若い冒険心縛っていないか」というコラムが載っていた。「元気よく日本を飛び出す若者が、実はみるみる減っている。旅行大手JTBの調査では、海外旅行に出た若者(15~29歳)はこの10年で34%減少。……貧乏旅行の代名詞だったバックパッカーすら、あまりはやらない」という。原因としてはネット社会の発達、経済停滞、若者の内向き化などが叫ばれているそうだ。

まったく同感。外国に行って思うのは、本当に旅行をしている日本の若者が少なくなったことだ。外国に行くかどうかの話だけではなく、現状から一歩も踏み出さず、安全運転で人生を乗り切ろうという人の数が、たぶん多すぎる。一昨年、雪男探しに出かけた時、還暦をとっくに過ぎた隊長が「若い隊員が欲しい。昔はもっとプラプラした、暇な人間がたくさんいたのに」と嘆いていた。夢や希望を持って「積極的ヒマ人」になる若者は、今の時代、ほとんど存在しなくなった。

そういう人間を養う余力が日本の社会から失われたせいで、実は困っている。来年あたり、ニューギニアに冒険旅行に出かけるつもりなのだが、一緒に行ってくれる「積極的ヒマ人」を見つけるのに苦労しそうだからだ。ひとりでもいいけど、期間が長いからなあ。半年くらい、飲まず食わずで山登ったり、ジャングルはいずりまわったりすることに興味がある人は連絡ください。


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