ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

ザ・クレージーマン

2009年04月03日 14時11分10秒 | 探検・冒険
 ツアンポー峡谷のあとに行きたい場所がニューギニアにある。マンダラという名前の山だ。

 昔、ニューギニアに行った時、地図を眺めながらこの山の南側に大きな岩壁があるんじゃないかと目をつけた。たぶん、誰も登ったことなんてないだろうし、地元住民をのぞいて目にした人間もいないんじゃないだろうか。

 しかも、この山の南側は広大な湿地帯になっており、ここもすごく探検のし甲斐がありそうだ。ああ、行ってみたい、行ってみたいと、この10年ぐらいずっと考えていたら、なんと同じことを考えていたやつがイギリスにいた!

 このイギリス人、湿地帯からカヌーで川をさかのぼり、未踏のマンダラ南壁を目指した。恐ろしいことにこの男、僕が地図を見て、湿地帯を遡るのはこの川がいいな、と適当に目星をつけていたのと同じ川を実際にさかのぼっている。すべてが僕が考えていたのとまったく同じ計画なのだ。

 だが、彼はマンダラまでたどり着けなかった。湿地帯の途中で人食い族に行く手を阻まれたらしいのだ。いま時、人食い族……。すげえ、行きたい。

 イギリス人はこの冒険の模様をペーパーバックにまとめていて、僕も1年ほど前に入手したが、まだ読んでない。そのペーパーバックに載っている筆者の写真が、この写真だ。



 ペニスケースにユニオンジャック……。完全にいかれている。モザイクが必要だとしか思えないものが、一部見えているような気がするのだが。イカレポンチとはまさに彼のこというのだろう。

 まあいい。僕も来年、行こう。誰か一緒に行ってくれないかなあ。日の丸もって。
コメント (9)
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