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プロスポーツリーグのサラリー事情

2012年05月02日 22時26分04秒 | スポーツ
各国主要プロスポーツリーグの選手の平均サラリーのランキングが発表された。

REVEALED: The world’s best paid teams, Man City close in on Barca and Real Madrid

ESPNのサイトでは各チームの総額も表示されている。

Highest-paying teams in the world

1. バルセロナ
2. レアル・マドリード
3. マンチェスター・シティ
4. チェルシー
5. ロサンジェルス・レイカーズ
6. ニューヨーク・ヤンキース
7. ACミラン
8. バイエルン・ミュンヘン
9. フィラデルフィア・フィリーズ
10.インテル

こうして見ると、サッカーのビッグクラブが上位を占めている。チーム総額でも上位10チームのうち6つがサッカーで、残る4チームがMLBとなる。

一方、リーグ別のチーム平均で見るとがらりと様相が変わる。取り上げられた14のプロリーグをランキングしてみると、
















リーグチーム数チーム平均
NFL32$112,626,563
MLB30$98,021,906
EPL20$79,494,543
Bundes.18$68,321,986
NBA30$62,874,348
NHL30$58,173,982
La Liga20$49,256,581
Serie A20$49,002,008
NPB12$20,297,149
SPL12$11,164,270
AFL17$8,091,624
IPL10$7,925,508
MLS19$5,349,646
CFL8$4,318,088


各リーグは、
















リーグ内容
NFLNational Football League アメリカンフットボール
MLB米・加Major League Baseball 野球
EPLPremier League サッカー
Bundes.Bundesliga サッカー
NBANational Basketball Association バスケットボール
NHL米・加National Hockey League アイスホッケー
La Liga西La Liga(リーガ・エスパニョーラ) サッカー
Serie ASerie A サッカー
NPB日本野球機構
SPLScottish Premier League スコットランドのサッカーリーグ
AFLAustralian Football League オージーボール
IPLIndian Premier League クリケット
MLSMajor League Soccer サッカー
CFLCanadian Football League カナディアンフットボール


である。

次に、これを平均サラリーの標準偏差の大きい順に並べてみる。
















リーグチーム数標準偏差
La Liga20221901822.81
EPL20184717210.30
Serie A20167237714.59
MLB3011397333.35
Bundes.1810853544.28
NBA306839841.86
SPL1251501919.18
IPL103662571.41
NHL303474881.99
NFL322771671.86
NPB122204522.26
MLS191282946.22
AFL1766601.15
CFL858681.20

※は、リーグ内で最も高額のチームの平均サラリー割る最も低額のチームの平均サラリー。

標準偏差とはばらつきを表し、標準偏差が大きいほどばらつきが大きいことを意味する。
サッカー界で三大リーグとも呼ばれるスペイン・イングランド・イタリアのリーグが抜きん出ていることが分かる。特にリーガ・エスパニョーラはバルセロナとスポルティング・ヒホンで22.81倍の差となっている。

サッカーの場合は下位リーグとの入れ替え戦が存在するオープンなリーグなので、こうした差があってもリーグとしての健全性が保たれていると見ることはできる。ただ、それでも度が過ぎているという批判は十分に成り立つだろう。

入れ替え戦のないクローズドなリーグでは戦力均衡がリーグ運営の基本だが、MLBは例外となっている。野球という競技の特性や試合数の多さでカバーできている部分は大きいが、国内経済の状況によっては30チームを維持できるのか心配になる。

標準偏差はそれほど大きくはないが、19.18倍という大きな差があるスコットランドリーグ。セルティックとレンジャーズの2強が突出するリーグだが、そのうちの一方であるレンジャーズが財政難により破産に至った。

サッカー界ではFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)制度の導入などクラブ経営の健全化を進めている。欧州は経済的にも不安定さを増しており、特にスペイン・イタリアはリーグ運営上の問題も大きい。
また、ロシア・中東・中国といった国々から資本の流入があったり、これらの国のリーグへ高額オファーによって選手が流出するという流れも進んでいる。欧州への選手供給の最大の国であったブラジルは経済成長により国内リーグでの選手の年俸高騰があり、アフリカやアジアからの選手供給が求められるようにもなった。

日本は、プロ野球やJリーグで選手の流出が続いており、国内経済の低迷と相まって国内プロスポーツ界は厳しい状況にある。そうした状況に対して危機感の乏しさこそが最大の難問だろう。


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