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ゲーム脳

2005年02月16日 10時35分35秒 | ニュース
大阪寝屋川で起きた教職員3人殺傷事件。

教職員3人殺傷の17歳、引きこもりTVゲーム

犯行を行った少年は、事件のあった小学校の卒業生で、中学生の頃から不登校となり、また小学生の頃からTVゲームに熱中していたという。
今朝放送されたワイドショーのうち、日本テレビ系とテレビ朝日系において、この少年の事件と「ゲーム脳」との関連が報じられた。「ゲーム脳」とは2002年に日本放送出版協会より発売された『ゲーム脳の恐怖』という書籍から生まれた言葉で、完結に説明すると、ゲームをやり過ぎると前頭前野が退化し、痴呆のような症状や突然キレやすくなるといった性質を持つようになるということである。
著者は日本大学文理学部体育学科教授森昭雄氏。氏は今朝の2番組にVTRでコメントされていた。「ゲーム脳」の専門家としてという立場ではあるが、残念ながら世界中探しても他に「ゲーム脳」の専門家と呼ばれる方はいないと思われる。

『ゲーム脳の恐怖』はそのタイトルのインパクトもあり、広く話題とされた書籍だがその内容は非科学的との批判されることが多い。以下、いくつか挙げておこう。

井上明人氏による完結にまとめられているもの

と学会会長山本弘氏によるとんでも本認定

著名な精神科医斎藤環氏による批判

森昭雄氏はゲームだけでなく、パソコンやメールなども批判している。

脳を活性化させて コミュニケーション上手になりたい

痴呆のような『メール脳』

氏は今朝のコメントで、(ゲーム脳によって)人殺しした少年は反省しないといった主旨の発言をされていたが、ゲーム脳と関連性の高い少年による殺人事件は、断言できるような統計が取れるほどの数があったのだろうか。日本テレビ系は、奈良の少女殺害事件の小林被告が携帯メールなどを頻繁に使用したことで関連性のあるような構成になっていたが、どう考えても事件の背景に関連性は考えられないと思うのだが。
なお、余談だが、氏がゲーム脳関連の論文を発表している日本健康行動科学会は氏が設立し理事長を務めている。

ゲームが人体に与える影響は小さくはないと思うし、好影響も悪影響もあるだろう。ただ明らかにゲームに対して無知な人物が、非常に短期の実験で調べられるようなものではことは間違いないだろう。単純ではない複雑なことを、一見科学的な装いを持って明瞭に断言することで、漠然としたイメージを補完してもらえて喜ぶ人たちに受け入れられた。世界は2色で成り立っていると思っている人もいれば、12色だと思う人、64色の人、256色、65536色、1600万色、60億色といった具合に世界の見方は人それぞれ。まあ少なすぎるのも問題だが、多ければいいというものでもない。マスコミはインパクトがあって分かりやすい意見に飛びつくが、その悪影響はゲームのそれより大きいと思う。

本題からどんどんとずれてしまった。
今朝の日本テレビ系の番組で気になる点が。この少年は、昨年大検に合格。免許を取りバイクを運転していたが事故に遭った。その後、髪を茶髪というより金髪に染め、最近はゲーム雑誌でなくファッション雑誌を読んでいたとのこと。茶髪・喫煙と言う点でいわゆる「オタク」っぽくない感じがしていたが、「ゲーマー」もしくは「ゲーマー卒業」という印象を受ける。それがどんな意味を持つかは分からないが。
あと小学生時代から深夜3時4時までゲームをしてたのは、親に問題があるでしょう、普通。ゲームがどうこうというより、しつけの部分に問題の本質があると思う。

あともう一点。TBS系の朝の番組の中で、昨日小学校から保護者への説明が行われその感想を保護者にインタビューしていたのだが、保護者の一人が、学校側から謝罪がなかったと怒っていたが、その精神構造が理解できない。確かに校門に施錠していれば防げた事件かもしれないが、卒業生が訪ねてきたら普通は学校内に案内すると思うのだが。まさかその時に身体検査しろというのか?学校側の落ち度を点検するのは大切だが、保護者が責めるべき事柄だとは思えない。むしろこういう親から問題のある子供が育つ気がしてしまった。


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