奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

ローズボウル―全米チャンピオンシップゲーム

2006年01月06日 21時55分20秒 | スポーツ
BCSランキング1位と2位の直接対決であることはもちろん、NCAAディビジョン1Aで全勝はこの2校のみ、USC(南カリフォルニア大)は今シーズンと昨シーズンのハイズマンウィナーを揃え、テキサス大には今シーズンのハイズマンの次点となった選手がいる。まさに最強対決。全米が最も熱く注目した一戦。

前日のオレンジボウルはビデオに撮っていたら、放送時間4時間に1時間余裕を持たせていたにも関わらず、試合終了には全然足りないという事態で開いた口が塞がらない思いだった。まあトリプルオーバータイムまで突入し、試合時間だけで5時間をゆうに越えていたので、仕方ないのだが。ローズボウルも録画して見たが、最後までちゃんと見れて一安心(笑)。

試合はまさに二転三転の好ゲーム。平均50点を越えるハイパワーオフェンスのUSCと、バランスの取れたテキサス大。前半は、USCのオフェンスをコントロールしたテキサス大が16-10とリードして折り返した。
後半に入りランキング1位、現在34連勝中というUSCが猛攻に出る。昨シーズンのハイズマン受賞者QBマット・ライナートの安定したパスと、RBレンデイル・ホワイトのランが冴えた。後半最初の4ポゼッションを全てタッチダウンに結びつけた。対するテキサス大は、イージーなフィールドゴールを外すなどもあって、第4クォーター残り6分42秒の時点で26-38とこの試合最大の12点差をつけられてしまう。
ここからハイズマン次点となったQBヴィンス・ヤングが獅子奮迅の活躍を見せる。鋭いパスを決めたかと思えば、スピード溢れるラッシングでディフェンスを切り裂いた。一気にタッチダウンを奪い、5点差に迫る。
ここで、後半全くUSCの攻撃を止められなかったディフェンス陣が意地を見せた。ファーストダウン1つは取られたものの、2分13秒を残してフォースダウンに持ち込む。しかし、思いもよらないチョイスをUSCが行う。テキサス大陣45ヤード、フォースダウン2ヤードで”ゴー”の選択。セオリーではパント。確かにここまでRBホワイトのランがショートヤーディジを確実に奪ってきたが、あまりにも危険な賭け。USCのヘッドコーチはNFLでもその職に就いていたピート・キャロル。成功すれば、勝利はほぼ手中にできるが、失敗すれば逆転への道筋を許すことになる。このリスキーな判断の結果は、テキサス大の、南部のフットボールの、意地と誇りが制することとなった。
テキサス大はパスを主体にUSCのレッドゾーンに侵入し、USC陣8ヤード、フォースダウン5ヤードから、QBヴィンス・ヤングのスクランブルでタッチダウン。ちょうど乗っている時のマイケル・ヴィックばりの大活躍でついに逆転となった。このあと2点コンバージョン時に、USCが慌てて最後のタイムアウトを使ってしまい、残り19秒での反撃はならなかった。

MVPとなったテキサス大QBヴィンス・ヤングは、パスで30/40、267ヤード、ランで19回のキャリー、200ヤード、3つのラッシングタッチダウンを奪った。プレイスタイルは先にも述べたように、マイケル・ヴィックを髣髴とさせる。スピードは彼に劣るが、サイズがあり、パワフル。パスも安定度があった。USCディフェンスは最後まで彼のランに苦しみ、アジャストできずに終わってしまった。
USC攻撃陣も事前の評価を裏切らない活躍を見せた。特にQBマット・ライナートは、29/40、365ヤード、1TD、1INTと大舞台でしっかりとプレーして見せた。特に後半の落ち着いたプレイ振りは、NFLに行ってもすぐに通用しそうな内容だった。
ハイズマンウィナーのRBレジー・ブッシュは、13回82ヤードのラン、6回95ヤードのレシーヴとやや精彩を欠いたが、いくつかのプレイで大器の片鱗を見ることができた。RBとしては3TDを奪ったレンデイル・ホワイトが目立った。20回124ヤードの数字以上に、テキサス大を苦しめた。ビッグゲインはないが、確実に5ヤード前後を取れる走りは、派手ではないがUSCが勝利すれば最も貢献度の高いプレイヤーだったと言えるだろう。

疑惑の判定などもあり、ヘッドコーチの判断やプレイコールの是非など、話題に欠かない試合だった。その中でも両QBのプレイ振りは印象に強く残るものだった。普段はカレッジの試合はほとんど見ないが、見ると楽しいと思わせる内容。しかし、NFLの方もいよいよポストシーズン突入。気持ちを切り替え、プロの熱く激しい試合を楽しみに待とう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿