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アニメ感想:『ソードアート・オンライン』

2012年12月30日 16時54分34秒 | アニメ・コミック・ゲーム
録画してあった『ソードアート・オンライン』全25話を一気に見た。
原作4巻までのアニメ化ということで、ストーリーは既に知っている。それでも引き込まれて、最後まで見続けた出来の良さだったと言える。

川原礫は『ソードアート・オンライン』しか読んでいないが、王道の物語を力強く書き切る作家だと言えるだろう。キャラクターに独創性があるわけでもなく、ストーリーもそれほどひねった展開は見せない。普通なら照れて描けないようなところをストレートに大胆に描くことで読者を惹きつけるタイプだ。

前半14話がアインクラッド編、後半11話がフェアリィ・ダンス編となっている。

アインクラッド編は、ほぼ時系列順に並べ替えられた。丁寧な描写もあって、原作を知らない人にも入り込みやすい作りと言えるだろう。ただ原作1巻のキリトとアスナの関係性が作られる展開はやや弱まったかもしれない(一方で時間を掛けて描いたプラス面もあっただろうが)。

フェアリィ・ダンス編は……原作自体よい出来だとは言い難い。基本的にキャラクターはストーリーのために存在し、特に悪役が薄っぺらになってしまうのは『ソードアート・オンライン』シリーズ全体につきまとう特徴と言える。唯一例外と言える茅場晶彦だが、どうしても帆場暎一とキャラがかぶって見えてしまう。
アニメでは直葉をヒロインに立てようと涙ぐましい演出が繰り広げられていたが、アスナの存在感に比べると最後まで成功したとは言えないものだった。キャラクターを立てる点については例えば『とある魔術の禁書目録』と比べると雲泥の差があり、物語を動かす主人公たるキリトとアスナを除くと、印象に残るキャラクターがいない。

第4章途中までしか読んでいないが、どうしても2巻以降は蛇足の感がぬぐえない。強いストーリー性は魅力だが、1巻の完成度の高さに比べると霞んでしまう。これはストーリー主体の作品を好まない私の傾向による評価に過ぎないが。逆に言えば、そんな私でも引き込まれずにいられない力のある作品だった。それはアニメも同様である。

MMORPGが舞台だが、見ていて休止しているFF11をプレイしたくなったということはなかった。むしろ、アクション性の強さからPSOやモンハンの方が影響するかもしれない。或いはオフラインのアクションRPGあたり。
ひとつだけ、MMORPGプレイヤーとして、良くも悪くもあの世界には激しく心動かされるものがあると改めて感じた。フルダイブのMMORPGなんてもし完成したら、プレイヤーは相当高齢かもしれない。だってプレイヤーの多くはあの世界の楽しさを心に刻み込んでいるのだから。


2012.12.29 つぶやきし言の葉

2012年12月30日 02時20分05秒 | Twitter