別冊オトナアニメ オトナラノベ (洋泉社MOOK) 価格:¥ 1,000(税込) 発売日:2011-02-22 |
書店で見かけ購入してからブログの記事に書こうと思いつつ1ヶ月余りが経過。1度はほぼ書き終えたところでPCがフリーズして、しばらく立ち直れなかったが今度こその思いで書いてみる。
『オトナアニメ』の別冊として2月下旬に発売されたムック本。160ページで巻頭と中盤にカラーページあり。
●メディアミックスの最前線!!
最近ライトノベルでアニメ化・実写化された作品の紹介。『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(4P)、『IS』『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(2Pずつ)、『電波女と青春男』『ドラゴンクライシス』『これはゾンビですか?』『とある魔術の禁書目録II』(1Pずつ)、『バカとテストと召喚獣 祭』『屍鬼』『緋弾のアリア』『けんぷファーfür die Liebe』(半Pずつ)。「みーまー」以外はすべてアニメ。
●オトナが読みたいラノベ徹底ガイド
本書のメイン。12人の作家が取り上げられている。作家紹介に1ページ、メディアミックス作品やコラムに1ページ、作品(シリーズ)紹介は1~2ページで作品数は作家によって異なる。最後に主要著作リストやコラムで1ページ。一人の作家ごとに4~8ページかけて紹介している。
作家紹介と作品紹介のページのサイドには見出しとして作家や作品内の言葉(セリフなど)が書かれてイメージを伝えている。
有川浩(自衛隊三部作、図書館戦争シリーズ、シアター!)
入間人間(嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん、電波女と青春男、探偵・花咲太郎はひらめかない/探偵・花咲太郎は覆さない)
桜庭一樹(GOSICK/GOSICKs、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない、推定少女)
竹宮ゆゆこ(とらドラ!、わたしたちの田村くん、ゴールデンタイム)
西尾維新(世界シリーズ、物語シリーズ、戯言シリーズ、物語シリーズ、新本格魔法少女りすか)
野﨑まど([映]アムリタ、舞面真面とお面の女、死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~)
野村美月(”文学少女”シリーズ、卓球場シリーズ、天使のベースボール、うさ恋。)
平坂読(僕は友達が少ない、ラノベ部)
深見真(ヤングガン・カルナバル、疾走する思春期のパラベラム、GENEZ、ゴルゴタ―Golgotha)
伏見つかさ(俺の妹がこんなに可愛いわけがない、十三番目のアリス)
森田季節(ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート、プリンセス・ビター・マイ・スウィート、原点回帰ウォーカーズ、不堕落なルイシュ、ともだち同盟)
米澤穂信(古典部シリーズ、小市民シリーズ、さよなら妖精)
●ラノベファンに街頭インタビュー!秋葉原で聞いたラノベ読者のホンネ&オススメ
取り上げられたコメントの数は少ないが挙げられた作品は当を得ている印象。
●脱ジャンルを確立したライトノベルの世界
『ライトノベルめった斬り!』の著者の一人である三村美衣による簡単なライトノベル史。6ページで主要タイトルを挙げながら簡単に流れを記してある。
●装画職人 片山若子さんの仕事場訪問
本書の表紙を描いた装画家の話。
●「日日日さん@がんばる」日々を教えてください
ラノベ界随一の速筆家とも言われる日日日へのインタビュー。
●編集部いちおし!春のオススメ新刊ガイド
各レーベル編集者による新刊紹介。電撃文庫、MF文庫J、GA文庫、集英社スーパーダッシュ文庫、HJ文庫、一迅社文庫、メディアワークス文庫、ガガガ文庫、なごみ文庫、ハヤカワ文庫JA、メガミ文庫、このライトノベルがすごい!文庫、スマッシュ文庫、星海社文庫、講談社BOX、C★NOVELS FANTASIA、幻狼ファンタジアノベルス、朝日ノベルズの各レーベル(+ソノラマノベルス)。
基本的に紹介なので批評的な内容ではないが、一部の作家論は興味深く読んだ。
徹底ガイドで取り上げられた12人の作家のうち9人が既読で、2人はまだ読んではないが関心を持っていた作家、ほとんど興味を持っていなかったのは深見真だけだった。ライトノベル境界線上という意味でもかなり妥当な選択に感じられる。
ただブックガイドとして適当かどうかは判断がつかない。オトナなラノベファン向けにこうした本が出てきたことは良いことだと思うが。