奇想庵@goo

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2011年3月に読んだ本

2011年04月02日 20時57分57秒 | 本と雑誌
3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2009ページ

ストーリー・セラーストーリー・セラー
Side:Aは新井素子!って思った。私にとっては最上級の賛辞なのでこれ以上語る言葉がない。一方、Side:BはAに比べると普通過ぎてインパクトに欠ける。ラストの仕掛けはいいんだけど、もう少しSide:Aとリンクさせるとか何か欲しかったかなあ、と感じた。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:03月01日 著者:有川 浩
羽月莉音の帝国 3 (ガガガ文庫)羽月莉音の帝国 3 (ガガガ文庫)
スケールが大きくなるにつれて地に足がついてきた感じ。経済面が面白いが、経済は手段という点もユニーク。著者の熱さがようやく作品に伝わり出した。今後が楽しみだ。(☆☆☆☆☆☆)
読了日:03月02日 著者:至道 流星
田舎の紳士服店のモデルの妻田舎の紳士服店のモデルの妻
日々の心の動きを細やかに拾って描く技は作家の力を感じさせるが、ここまで考えているものなのかと思うこともちらほら。単に私が男だからなのか、愚昧だからなのか・・・。主人公のたどり着いた真理は納得できるものではあるけれども、それは普遍の真理ではなくひとりひとり異なる真理だろう。(☆☆☆☆☆)
読了日:03月15日 著者:宮下 奈都
羽月莉音の帝国 4 (ガガガ文庫)羽月莉音の帝国 4 (ガガガ文庫)
リアリティのある部分とない部分の落差が激しいため好みが分かれる作品だけれど、他にはない面白さは健在。世論操作のくだりは単純化されたものだが頷いてしまう部分も多かった。ラストの引きについては次回の展開次第で評価が変わりそう。(☆☆☆☆☆)
読了日:03月22日 著者:至道 流星
伏 贋作・里見八犬伝伏 贋作・里見八犬伝
読み終わった第一感は「スゲェ!」。読みやすいのに物語は崩れている。『製鉄天使』もそうだったけれど、このハチャメチャなところが楽しい。これまでの路線とは大きく異なるためファンの支持が得られるのかは分からないが、この路線を突き進んで欲しい。(☆☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:03月23日 著者:桜庭 一樹
謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
もともとミステリはキャラクター小説の面があるけれど、そちらに振り切ったことが成功した感じ。連作短編で読みやすい。ただシリーズとして続けるならばもう少し広がりが欲しいだろう。ミステリとしてはバラつきはあるもののフェアには描かれているので好感は持てる。(☆☆☆☆☆)
読了日:03月28日 著者:東川 篤哉
栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)
「享年56」に改めて早すぎると思う。他の作家の数倍、数十倍の仕事をやってのけたとはいえまだまだやり残したこともあったろう。あくまでエンターテイメントに徹した作家だから、評価されにくい存在ではあるけれど、物語の楽しさを教えてくれた貴重な作家だった。本書は資料としては物足りない感じもするが、手書きの原稿を見ているだけでグッと来てしまうので今はこれで十分かもしれない。
読了日:03月29日 著者:

読書メーター




震災は読書に没頭することを妨げた。連日報道される未曾有の事態に意識を奪われ、読書しようという意欲が湧き上がってこない日々が続いた。直接的な影響はなかったものの、精神的には影響を受けたのは間違いない。
他に私事でもいろいろあって今月は7冊のみ。目標の20冊には程遠い読書量に終わってしまった。

わずか7冊だが、読み応えのある作品が多かった。特に『伏 贋作・里見八犬伝』はフィクションの持つ力を思い知らされた気がした。これまで桜庭一樹は深いテーマ性を備えた作品が多かったが、『製鉄天使』といい本作といい単純なテーマ性を越え、物語の根源に迫るような勁さが感じられた。

『栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで』を読み、改めて栗本薫が私にとって特別な作家だったと実感させられた。好きな作家には決して挙げることはない、けれども常に気になる作家。読み返したい作品や読んでみたい作品がいくつも思い浮かぶ。

3月は読書ができなかっただけでなく、ブログの更新も著しく滞った。4月はなんとか改善したいと思っている。3月に読んだ本の感想も遅ればせながらも書いていきたいと思っている。