奇想庵@goo

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アニメ感想:純情ロマンチカ

2008年07月05日 11時05分40秒 | 2008春アニメ
「お風呂にする? ご飯にする? それとも、オレ?」

とウサギさんに言う妄想をしてしまい悶絶する美咲萌え(爆)。

それはさておき、下手したら2008年最も面白いアニメと呼ぶかもしれない作品。バリバリのBLジャンルだし、キャラクターもそうオリジナリティがあるわけでもない。シナリオが絶品と言っていいだろう。演出も悪くない。

金持ちの御曹司で売れっ子作家の宇佐見(ウサギさん)とその親友の弟美咲との関係を描く「純情ロマンチカ」。宇佐見に想いを寄せつつその想いが届かないことも理解する上條弘樹と、突然彼の前に現れ猛烈にアタックする野分との関係を描く「純情エゴイスト」。そして、宮城庸と元妻の弟高槻忍との関係を描く「純情テロリスト」。この3つの物語がかなり独立した形で描かれている(各話ごとに主人公が異なる形)。始めはそうした描き方に違和感も覚えたがすぐに引き込まれた。

この純ロマでは、Hシーンの過激さもポイントだろう。映像的には濃厚なキスシーンなどはあったが、過激さをもたらしたのはセリフによるもの。その点では絵でいやらしさを追求した『かのこん』とは方向性が異なる。

この作品を見るたびに思うのは、「恋愛」を描くにはBLじゃないとダメなのかということ。
宇佐見と美咲は、美咲視点で美咲が女役。宮城と忍は宮城視点で忍が女役。上條と野分は上條視点だが、どちらが女役かとは断言しにくい(やや上條が女役)。男同士を描いてはいるが、普通に男女に置き換えてみることもできる。
BLだから面白いという部分もたくさんあるので、この作品を否定するつもりはないが、どうしても男女でこのレベルの恋愛を描く作品がつくれないのかという思いを抱いてしまう。

ラブコメやハーレム系作品は再生産されるうちにどんどん薄っぺらくなってきたように思う。始めはそこに意味があったのにやがてそういうお約束となってしまう。お決まりな展開、ありがちな悲劇、受けを狙うだけの演出。そんなものばかりが積み重なってできた世界に見るものはない。
しかし、お決まりな展開、ありがちな悲劇、受けを狙うだけの演出があちこちにあっても純ロマは面白いと感じてしまう。キャラクターの心情をシナリオを通してきちんと描いているが故に、楽しめるのだ。

アニメは他のメディアと比べても規制が多いのは事実だ。だが、恋愛を軸にした作品だっていくらでも作れるはずだ。需要があるかどうかは分からないが。


補足:18禁PCゲームなどの原作で恋愛アニメは存在する。その手の作品はあまり見ていない。ただ、昔「願望充足小説」と呼ばれるものがあったが、恋愛ではなく「願望充足」アニメに感じてしまう。偏見かもしれないけれども。


モグボナンザの真実

2008年07月05日 09時59分50秒 | FF11
■ヴァナ・ディール経済への影響

1等1億ギル56本。全員がギルに変えたとして56億ギル。
2等1千万ギル1234本。ギルだと123億4千万ギル。
3等100万ギル6854本。ギルだと68億5400万ギル。
4等10万ギル60461本。ギルだと60億4610万ギル。
ギル総計308億4010万ギル。

総売上は発表されていないが、5等837,417本から800万~900万口と想定される。これを売上に換算すると、80億~90億ギルとなる。

当選しても、期日内に賞品をもらい忘れたり、ギルではなく装備品や素材を選択する場合もある。少なめに見積もって、1等で5%、2等20%、3等30%、4等80%として、ヴァナ・ディール内に増えるギルの総額は212億ほど。
売上分を差し引くと、120億~130億程度。32ワールドなので、単純計算で1ワールドあたり4億ギル程度の増加となる。

参考に、今年1月から6月までSTTによって凍結された資産は約202億ギル。ヴァナ・ディールのデフレ傾向が弱まることはなさそうだ。

■4等素材品の価値

4等では、クロマ鉄鉱、ベヒーモスの毛皮、ダマスクインゴット、ダマスク織物が交換できる。60461本なので1ワールドあたり2000弱の当選本数だ。FFXIAHによると、カーバンクルサーバでは、ベヒーモスの毛皮が30万ギル、他が20万ギル台で取引されている。ばらつきはあるものの、全ワールドの平均的な数字だろう。
ベヒーモスの毛皮は60万ギル程度で推移していた。半値まで落ちたわけだが、現在は30万ギルで安定し、非常に高速で売れている状況だ。これより価格が下がれば、他の素材を交換する人が増えて、在庫が減り、再び値が上がる循環になりそうだ。
クロマ鉄鉱は、もともと戦績BFによって供給量が多いので、あまり影響を受けていないように思う。他の2素材はもう少し下落していく可能性があるが。

メインで当選していれば装備品との交換も視野に入るだろうが、倉庫キャラでの当選ならば素材を選択するだろう。すぐに売るかどうかは別として、確実に換金したいならばクロマ鉄鉱かベヒーモスの毛皮かを選ぶのが良さそうだ。

■不具合の問題点

PS2でモグボナンザの番号を選ぶ際に、「おまかせ」を利用すると、選ばれた番号は必ず、奇数-偶数-奇数-偶数-奇数か、偶数-奇数-偶数-奇数-偶数となった。そして、今回の当選結果では、下1桁の5等以外これでは当選しないと分かった。

私自身はPS2だが全番号手打ちで入力したので「おまかせ」は利用していない。だが、PS2利用者でこの「おまかせ」を利用して、この不具合により「嫌な気分」になった人たちのことは理解できる。

ネット上では、この「嫌な気分」に対して否定的な意見も目立つ。もともと当たるか当たらないかの1/2だといった暴論はともかく、いくつかの批判例を見てみよう。
まず、「自己責任」論である。自分の行為の結果なのだから受け入れるべきだという意見だ。騙される方が悪い、自業自得といった、被害者のアラを見つけて喜ぶ低脳な考え方が基調にある「自己責任」論をここでも振りかざしている。PS2でこのような不具合があることをどれだけのプレイヤーが知っていたのか。
また、「おまかせ」を選択したことを批判する意見もあるが、そこまで開発陣を疑って行動するものなのか。PS2以外でも「おまかせ」で購入した人も少なくないと思われるが、PS2プレイヤーだけが不当な扱いを受けたことに対する言及はない。

この不具合に関して不満の表出の仕方が悪くて批判的な意見が続出してしまった。それは、PS2の「おまかせ」が始めから当たらないように仕組まれていたのではないかという不満である。しかし、これに対して、インフレ防止のために当選番号のコントロールは已む無しという意見が多くみられたのは驚きだった。
確かに1等の当選本数56本は他の当選本数に比べ極端に少ない数字だ。5等の約83万が平均的なものだと見なすと、その2/3しか当選していない。2等と比べれば1/2だ。もし2等並に当選本数が出ればあと56億ギルがヴァナ・ディールに流れ込む。この数字は先に見たように、今回の流入量の約半分だ。確かにこれだけ増えればインフレの可能性も出てくる。
しかし、それでもこの程度の額ならばコントロール可能だと思われる。依然としてデフレ傾向のあるヴァナ経済にとって、もう少しインフレ要素があってもいいのではないか。特に持続的なシステムではなく限定的なものならば尚更だ。
実際に当選番号のコントロールがあったかどうかは不明だ。動画などで公開していてももちろん疑う余地があるわけだが、それでも今ほどそんな不信感を持たずに済んだのも事実だ。

今回の不具合に関して、ほとんど語られていないが、問題点はPS2「おまかせ」購入で当選しなかったことではない。PS2「おまかせ」購入だと5等以外当選なしという情報が流れて、当たったかどうかドキドキしながら番号をチェックする楽しみを奪われたことが問題なのだ。
宝くじを例に取るまでもなく、当たったかどうかを調べる時がそのイベントの最大の楽しみだ。もちろん大量購入で自分で調べない人もいるし、買っただけで忘れてしまう人もいるだろうが。今回の不具合はその楽しみを根こそぎ奪った。当選しなかったという金銭的被害でなく、精神的被害が問題なのである。

だから、抽選のやり直しなどといった金銭的保証は必要ない。明確な謝罪こそが救済となる。しかし、被害を受けた側が不満の方向性をきちんと出せなかったせいで、「嫌な気分」を抱え込みながら他のプレイヤーに非難される悪循環を生み出してしまった。こういう事態を招いたのもやはりスクウェア・エニックスにあると思うが、未だに今回の不具合に関してなんのコメントもしていない。

■モグボナンザが示したもの

モグボナンザ結果発表」で述べたが、開発陣のプレイヤーを楽しませようという意識が以前にも増して低下しているように思える。モグボナンザは多くの関心を集めたイベントであったが、最後には盛り上がりに欠け、負の感情まで残す結果となってしまった。

これまで何度か発表されているがFFXIは50万アカウントを保っているという。50万アカウントが毎月1000円を払うと5億円。実際にはもっと稼いでいる。5000円のソフトを10万本売るのと同じ売上だが、コストはFFXIの方が相当少ないだろう。この利益がスクウェア・エニックスの他の作品に回っているのが現状だ。

金を掛けなくてもプレイヤーを喜ばすこと、楽しませることはいくらでも出来る。創意工夫と熱意さえあれば。モグボナンザに関しても打ち上げただけで終わりではなく、いろんな演出、楽しませ方はあったはずだ。
金を掛けずに楽しませられないのなら、もっと金を掛けろと言いたい。バージョンアップの質や量、頻度がここまで低下して唖然としてしまう。課金に見合うサービスを受けているとは思えなくなってきた。

プレイヤー数が減らないこと。プレイヤーの不満が想定内(ジョブ格差など)であること。ライバルがいないこと。これらが大名商売に拍車を掛けさせている。不具合の問題点で述べたように、プレイヤーの楽しみを奪っておきながら何の反省も示さない現況には呆れるばかりだ。