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「らき☆すた」と「マリみて」

2007年05月22日 22時06分45秒 | 2007春アニメ
作品としての評価は別として面白さでは現在最も見るのが待ち遠しいアニメ「らき☆すた」。第7話ではいきなり「マリみて」パロにクリティカルヒットした。ちょうどAT-Xで「マリア様がみてる」及び「マリア様がみてる~春」を月金で2話ずつ放送中。それを見ている最中だったから余計に面白かった。

「マリみて」は2002年頃にブレイクした時に、私のサイト「青天、一迅の風」内でも一部に流行ったのだが、たまたま乗り遅れてしまい読まずじまいだった。その後、アニメ化の話も聞いていたが見ることもなく今まで経過してしまった。もちろん少女向けだから触れなかったのではなく、めぐり合わせの問題だ。
今回興味を持ってアニメを見ているが、さすがに面白いと感じている。アニメとしては構成が物足りなく思うが、キャラクターの個性と、何より舞台となる学園の雰囲気をうまく表現している。今更ながらだが原作も読んでみたくなった。

「らき☆すた」の場合、楽しむにはある程度元ネタを知らないと無理かなと思う。ラノベ系などはさすがに分からないが、元ネタのジャンルの幅が広く、意外と古いネタも多いので「ホンマに女子高生かよ!」とツッコミを入れたくなるが、それこそが楽しいとも言えるわけで。特に毎回変わるエンディング曲は、世代的にツボにハマるものも少なくない。
6話ED「バレンタイン・キッス」はおニャン子クラブ時代の国生の歌。当時、反「おニャン子クラブ」派だったので番組は見ていなかったがそれでもこの曲は耳に馴染んでいる。その頃に引き戻される曲とでも言おうか。ティモテやマンダムネタなんかもかなり古いしね。
あとネトゲ話。5話はリネ2が元ネタっぽいが、2話ではかなりFFXIっぽかったし、まあノリとして共通する部分もあるし。ゲーム関連のネタはネトゲに限らず共感しやすい。

オタクを題材にした作品と言えば「げんしけん」があり、あれはあれで面白かった。ただ「げんしけん」はオタクを扱っているがテーマは青春期の人間関係であり、徹底したパロディの面白さを追及する「らき☆すた」とは方向性が違う。まあ原作が4コマだからテーマとは無縁で違って当たり前だから。
ただエロゲや同人誌などにあまり興味がない身からすると、「げんしけん」のオタクは自分とはちょっと違う感じで、「らき☆すた」のこなたの方がダイレクトに感じられるというのもある。

最後に「らき☆すた」の元ネタまとめサイトを挙げておく。
まだ、その域に達していない『らき☆すた』ファンサイト


『天元突破グレンラガン』第8話「あばよ、ダチ公」

2007年05月20日 15時00分10秒 | 2007春アニメ
最初は微妙に感じたし、途中で作画崩壊の危機や総集編っぽい回を挟み、外部では舌禍事件やら起きたグレンラガンだけど、ここに来て非常に面白くなった。話のテンポの良さは一級品。意図的にハイスピードでインフレを狙い、話を凝縮することで速度と密度を生み出している。エンターテイメントにおいて速度と密度は快感を与える最高のスパイスだ。

以下、ネタバレ。

戦い前のキスシーンは完全に死亡フラグ。まあ何でもありの作品だから生き返る可能性も無きにしもあらずだが、この作品をシモンの物語と見れば、必要な出来事とみなせるだろう。
最初はそうでもなかったが、回を重ねるごとにかっこよくなってきたカミナ。それは最初は口ばかりって感じだったのが、どんどんと行動を伴うようになったからだ。その熱さはガイナらしいケレン溢れるものだった。
ただカミナがかっこよくなればなるほど、シモンの影は薄くなる。シモンの成長のためにはカミナから離れる必要があった。そのための戦いとして描かれた今回はカミナの魅力に満ちたものだった。演出や作画に作り手の力の入り具合が見て取れた。

しかし、一方でカミナを失うことで作品の求心力が問われることとなる。これまでカミナが物語を動かし、人々の中心となり、見る者を惹きつけてきた。シモンが今回の出来事を乗り越えるだけでなく、物語のコアとなり得るかどうかでこの作品の価値が定まってくるだろう。目が離せない作品になってきたと同時に今がまさに分水嶺だ。



「天元突破グレンラガン」他、アニメの感想

2007年05月06日 19時19分01秒 | 2007春アニメ

○天元突破グレンラガン

第6話にして総集編模様。とはいえ、終盤の爆走ぶりは久々に面白いと感じるアニメだった。
一社員のSNSでの失言から端を発したトラブルはアニメーションプロデューサーの辞任にまで発展した。その悪影響は今のところ作品には現れていないようだ。
4話あたりは作画や演出面で不満があった。6話で半ば総集編と作画では苦労しているようだが、この勢いで乗り切って欲しいものだ。

○らき☆すた

今期のアニメで面白さではトップ独走中だが、突然の監督交代。これまたネットでの発言が原因らしいが…。その影響がどう出るか心配なところだ。

○キスダム -ENGAGE planet-

第1話の質は驚くほど高かった。作画、演出、物語どれを取ってもエキサイティングだった。だが、2話目から作画が不安定となり、3話目で崩壊、4話は全編総集編となってしまった。
5話も作画は酷い状態だ。問題は作画だけではない。演出も回を追うごとにレベルが低下、物語もどんどんとつまらなくなってきた。正直、作品自体が崩壊したと言ってもいいだろう。

○ぼくらの

設定は面白いのだが、キャラクターが極端すぎてリアリティを感じない。それがこの作家の持ち味なのかもしれないが、肌に合わない感じだ。

○怪物王女

第2話を録画失敗。今期のアニメでは初の失態。まあ1話を見てかなり微妙に感じたので、2話で終わりかなと思っていただけにダメージはないが。

○ヒロイック・エイジ

結局、今期のSFアニメではこの作品がトップと思う。キャラクターに重点を置いてないので人気では苦戦するだろうが、設定の壮大さと過酷さをうまく描いている。

番外として
○ブレイブ・ストーリー

半分くらいで挫折。どこが面白いのか全く分からない。ファンタジーではなくゲームが舞台と言うべきだろうが、RPGを自分でプレイしてる方がよっぽど楽しいだろう。RPGとしても古いタイプの一本道系っぽくてもうついていけないし…。
小説ならまた違った印象かもしれないが、アニメでは演出のあざとさが目に付いた。私の嫌いなディズニー臭さというか…。


アニメ・春の新番組【関西編】ランキング

2007年04月24日 12時25分40秒 | 2007春アニメ
アニメ・春の新番組【関西編】」に記したように今春スタートしたアニメは47本。このうち続編3本(魔法少女リリカルなのはStrikerS,彩雲国物語 第2シリーズ,英國戀物語エマ 第二幕SECOND ACT)、関西での放送予定の無い2本(エル・カザド,CLAYMORE)、関西で今後放送予定の3本(怪物王女,大江戸ロケット,スカルマン THE SKULL MAN)、記事内で評価対象外と記した7本を除いた32本の作品をこれまでに視聴した。
各作品最低1話を見て、現時点でのランキング形式で改めて語ってみよう。ただし、Rank Eの視聴を断念した作品は当然その後見ていないので評価は見た範囲内限定である。
([]内の数字は見た話数。/で区切られているものは、見た話数と現在の放送話数)

★Rank A 命に代えても視聴すべし

該当作なし

★Rank B 見る価値あり

該当作なし

★Rank C 見れば面白いと思えるレベル

○ひとひら[4]
高校の演劇を素材にした作品。丁寧な演出に好感が持てる。地味だが出来が安定しているので、相対的に高評価になった。

○らき☆すた[3]
オープニングの出来は文句なくナンバーワン。エンディングのシュールさも特筆もの。げんしけん女子高生バージョンのような感じの作品。面白いが対象はオタク限定。オープニングはよく動くが、内容は動きではなく会話の面白さだけで成り立っているのでアニメとしては評価しづらい。

○瀬戸の花嫁[3]
オープニング、エンディングともに「らき☆すた」に次ぐナンバーツー。一般向けギャグアニメとして完成度は高い。このレベルをどこまで保てるかが鍵だろう。

○おおきく振りかぶって[2]
王道的野球マンガ。演出もしっかりしている。野球好きなら目が離せない作品かも。

○ラブ★コン[2]
少女マンガ原作だが、この面白さは万人受けするだろう。展開が速すぎる点が今後に不安を残すものの、大阪弁の会話がまったりしていてとても心地いい。

○風の少女エミリー[3]
NHK制作の名作もの。さすがに作りが丁寧だ。本当はこのレベルが基準であって欲しいところだが、それに達する作品のいかに少ないことか。

○ヒロイック・エイジ[3]
数多い同期のSFアニメでは現時点では一番ましな感じ。主人公に課せられた過酷さは設定の妙として興味深いものだ。今後の展開が気になる作品だ。

○精霊の守り人[3]
作画や細部の描写はさすが。だが、それが作品の面白さと直結しているわけではない。戦闘シーンも少し軽い感じがして物足りなかった。

○天元突破グレンラガン[4]
2話3話と進むうちに面白くなってきた。しかし、4話目はいきなり南の島編?って感じで再び微妙な雰囲気に。スピード感をキープして駆け抜けていく展開でないと面白さ自体が失速してしまうかもしれない。

○キスダム―ENGAGE planet―[3]
第1話のインパクトは凄かったが、2話目にして作画が崩壊。演出も一話ごとにみるみる低下していった。クールさが消えてしまったのが惜しい。下手をすると評価は地盤沈下していくかも。

○ぼくらの[3]
1話ごとに評価が上がっている。ロボットのアニメではなく少年少女たちの群雄劇だが、ストーリーのシビアさが興味深い。このレベルをキープしてくれればかなり面白くなりそうだ。

○風のスティグマ聖痕[2]
ベタな内容だが、設定、キャラ、演出をきっちり押さえるべきところを押さえているため楽しめる。特に語るべきものはなく気楽に見ていればいい作品。

○アイドルマスターXENOGLOSSIAゼノグラシア[3]
何故にアイマス?な作品だが、美少女系ロボットアニメの王道はキープしている感じ。主人公の魅力でもっている感じは否めないが……。

○地球へ…[3]
SFコミックの古典的傑作だが古さは感じない。まだ導入部なので本当の評価はこれからといったところだろう。

★Rank D 当落線上

○Darker than BLACK―黒の契約者―[3]
面白いとは言えない。面白くなるかもしれないとは思うが。登場人物たちが何を目的としているのかが見えないので、共感できない点が厳しい。

○ハヤテのごとく![4]
ギャグとしては「瀬戸の花嫁」の、パロディとしては「らき☆すた」の足元にも及ばない。期待していただけに非常に残念だ。ただのハーレム系になってしまうのなら見る価値なしとなるかもしれない。

○機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ[2]
主人公に違和感ありまくり。設定も微妙。キャラも微妙。演出はそこそこだが、楽しめるレベルとまでは感じない。もう少し様子見といった感じだろう。

○ウェルベールの物語~Sisters of Wellber~[2]
キャラや世界観はそう悪くはないが、全体に平和ボケなのが気になるところ。ファンタジーとして薄っぺらな印象は拭えない。

○Over Drive[2]
リアリティがあればいいって訳ではないが、無駄にリアリティのない展開をしているようでついていけない感じがする。スポーツの部分がもう少し前面に出てもこの調子なら見る気になれないが……。

★Rank E 見る価値なし

○かみちゃまかりん[2/3]
演出が雑すぎ。他はそう悪くはないのだが。

○セイント・ビースト~光陰叙事詩天使譚[2/3]
男同士の友情(?)以外で見せる部分がもう少しあれば面白かったかもしれないが。

○ロミオ×ジュリエット[1/1]
主題歌は印象的だったが、キャラや世界観が薄すぎる。

○神曲奏界ポリフォニカ[2/3]
特に世界観の薄さが気になった。それを払拭するほどのキャラの魅力も感じない。

○陸上防衛隊まおちゃん[1/3]
萌えのためだけのアニメ。

○ながされて藍蘭島[1/3]
ハーレム系はもうおなかいっぱい。

○この青空に約束を―~ようこそつぐみ寮へ~[1/3]
キャラにリアリティがなさすぎる。

○sola[1/3]
同上。

○爆丸-バトルブローラーズ[1/3]
おもちゃを売るためだけのアニメ。

○鋼鉄三国志[1/2]
世界観があまりにひどい。キャラも魅力がない。

○BLUE DRAGON[1.5/3]
主人公がバカすぎる。

○桃華月憚[1/4]
イメージビデオだった……。

○シャイニング・ティアーズXクロスウィンド[1/2]
批判する言葉もない。


「おおきく振りかぶって」「ラブ★コン」「ロミオ×ジュリエット」

2007年04月23日 18時56分35秒 | 2007春アニメ
まだコメントしていない今春新作アニメの感想を書いておく。

○おおきく振りかぶって

コミックは興味があったが未読な野球もの。2話まで見たが、非常に面白い。
主人公は投手だが、周りのキャラが生き生きと描かれている。キャッチャーからの視点が多いあたりは今の野球ものの基本通りと言ったところか。高校野球で女性監督と言えば、川原泉の「甲子園の空に笑え!」という傑作があるが、こちらはこちらでパワフルでいい感じ。
ただ気になった点としては、硬式野球部が復活ということで新1年生しか部員がいないという状況と、そういう状況の割りに部員が経験者ばかりみたいなところがどうかなと。部員集めや先輩後輩の軋轢って手垢だらけのありがちな展開だけど、そう簡単にチャラにしていいのかみたいには思ってしまう。
まあこの手の野球ものの模範は「キャプテン」「プレイボール」で、どうしてもそれとの比較をしてしまうけれど、いかにオリジナリティを出していくか楽しみにしている。


○ラブ★コン

「瀬戸の花嫁」の広島(?)あたりの方言で喋るヒロインもなかなか可愛いが、全キャラこてこての大阪弁なこの作品には敵わない(笑)。原作は少女マンガで、恋愛メインの作品だけど、ほとんどギャグマンガだしね。
ヒロインの「あかん、召喚獣も全滅や!」シャウトで心を鷲づかみにされた。言葉がフツーで心地いいし、テンポは良いし、展開は速いし、まあちょっと速すぎやろ!とツッコミ入れたくなるほどだしね。2話まで見たところで、ツカミはOKって感じ。今後の展開が非常に楽しみな作品だ。


○ロミオ×ジュリエット

ファンタジー世界を舞台にしたロミオとジュリエット。1話しか見ていないが、問題は面白さを全く感じなかったこと。
ジュリエットの父がロミオの父に殺されたところから物語が始まる。これまで代々その地を修めてきたジュリエットの一族が滅ぼされ、かろうじて彼女だけが逃げ延びた。それから時を経て、男装して暮らすジュリエット。変装して正義の味方として活躍したりしている。そんなジュリエットがロミオと出会う話だったのだが。
1話を見た限りではあるが、キャラクターに魅力がない。キャラデザがイマイチってこともあるけど、惹きつけるような個性が感じられなかった。例えば、ジュリエットの嫌疑がかけられて罪もない少女が公開処刑されようとしているところを変装したジュリエットが助けに入る訳だが、そのとき現領主の息子ロミオは友達とお茶しているところだったりする。気まぐれでジュリエットを助けはしたが、正直このキャラに思い入れを持てというほうが難しい。一方のジュリエットもその出生の秘密を知らされていないせいもあるだろうが、芯が通っている印象を持てない。ロミオの父はいかにも悪という感じだし、全体に厚みがないように見えてしまった。


「瀬戸の花嫁」「風の少女エミリー」「精霊の守り人」

2007年04月16日 22時44分08秒 | 2007春アニメ
○瀬戸の花嫁[第二話]

テンポとノリの良さは今春スタートしたアニメでは随一。主人公の顔の変わりようは田丸浩史を髣髴とさせる。
そうしたギャグの部分はもちろんだが、物語としても押さえるべきところはキチンと押さえていて安心して見ていられる。お婆さんからデート代5千円渡される場面など小憎らしいまでの演出だ。
ヒロインの方言もぐっと来るものがあるし、魅力的に描けている。ギャグマンガとして目に付くような欠点もなく、非常に楽しめる作品だ。
45点。


○風の少女エミリー[第二話]

NAの気風、気概が感じられる。原作の持つそうした雰囲気をキチンと表現しようとする姿勢がいい。エミリーの強さはまだ恐れを知らぬがゆえでもあるが、見ていて気持ちがいい。
手堅く、丁寧に作られたアニメだけに特段の批評の余地がないくらいだ。名作ものはそれで十分だろう。
35点。


○精霊の守り人[第二話]

よく出来ている。よく出来ているのだが、流麗に描かれる世界の中に入っていけない。ただそれを呆然と見送るしか出来ない感じだ。原作のファンであれば十分なのかもしれないが、原作を知らない者には世界が遠い。
良質のファンタジーにはその世界の理がある。小説ならともかく、細切れとなるアニメであれば、それをまず見る者に伝える必要があるだろう。世界の肌触りを。
よく出来ているだけに余計それが気になってしまう。このまま淡々と、原作を知らぬ者を置き去りに、話が進んでいくようでとても残念だ。
35点。


この形態でアニメ評を書くことが負担になってきたので、とりあえず休止ということに。書きたいことがあればその都度書く形になると思うが、毎回追いかけたい作品ができればそれは単独で取り上げたいと思っている。
もう少ししたらまとめ記事のような形でとりあえずの総括も書く予定。


「セイント・ビースト」「Darker than BLACK」「かみちゃまかりん」「風のスティグマ」

2007年04月15日 11時01分42秒 | 2007春アニメ
○セイント・ビースト~光陰叙事詩天使譚[第二話]

第1話での振りが興味深くて楽しみにしていたが、残念ながら平凡な落ちでがっかり。天使(♂)たちの交流や心の葛藤はあまり興味を持てないだけに、設定面でぐいぐいと引っ張って欲しかったがそれは期待外れに終わった。
面白ければBL系でも平気だが、見たいと思わせるレベルには達していない。そんなに悪い作品ではないが、もう少し何かが欲しいと思ったがそれは欲張りすぎか。作り手が見せたいと思っている相手にはこれで十分なのだろうから。
20点。


○Darker than BLACK―黒の契約者―[第二話]

饒舌すぎるという印象は落ちを見て納得できた。決して悪い作品ではない。演出もきちんとしている。だが、問題はキャラの顔が見えない点だ。
何を求め、何に従い、生きているのか。それが見えてこない。更に言えば、どう描きたいのかが見えない。話の軸となる部分が雲を掴むような状況では、何を楽しめばいいのか困ってしまう。
細部をどれだけ丁寧に描こうと根幹が無ければ物語として成り立たない。というか、枝の付け根に幹が無いという印象だ。これでは本末転倒。2話で一つの話という構成なので、これからどうなるかもう少し見定めてみたい。
25点。


○かみちゃまかりん[第二話]

キャラも描こうとしていることも悪くないのに、演出が全てをぶち壊している印象だ。
今時風な少女漫画のキャラクターに、分かりやすいテーマを与えて物語としている。十分に面白くなりそうなものを持っているが、それを生かせていない。
要は見せ方の問題。場面場面の構図も酷いし、テーマの描き方もセリフでしか表現できていない。大事なシーンを効果的に見せるために、逆算して積み上げていくのが演出だ。それが無ければ薄っぺらくなってしまい、面白さは消散する。原作は面白そうに見えるのに残念だ。
20点。


○風のスティグマ聖痕

精霊使いとか次期当主はハネッカエリ娘とか炎の聖剣とかありがちなネタのオンパレードだが、押さえるべきところをきっちり押さえているため、十分に楽しめるものとなっている。キャラや設定、筋立てに目新しさがなくても、要所がしっかり描かれているので次を見たくなる。
奇をてらった演出ではない。炎や風を操る表現はよくあるものだし。それでもキチンとした演出が作品をしっかりと引き立てている。
第1話を見た限りだが、よくまとまった印象を残す作品だ。
30点。


「ヒロイック・エイジ」「ひとひら」「ギガンティック・フォーミュラ」「ウェルベールの物語」

2007年04月14日 16時19分11秒 | 2007春アニメ
○ヒロイック・エイジ[第2話]

同時期スタートの他のSFアニメに比べると少しパッとしない印象だったが、第二話はその見方を変えるものとなったかもしれない。
エイジの圧倒的強さは前回も垣間見えたが、その強さと普段の様子とのギャップが際立った回となった。数の概念すら理解していないというあたりは上手い描き方だ。
そして語られる12の契約の内容。そのあまりの過酷さに唖然としつつも、この物語のスケールの大きさに感嘆した。サル扱いされるエイジと強すぎるエイジ、極めて激烈な契約に縛られるエイジとそれぞれの姿の隔たりを巧みに描き切れれば傑作と呼べるものになるかもしれない。
そんな契約を求めた人類の側も決して愉快な状況ではないらしいことが会話の端々から見て取れる。これだけの大風呂敷をきちんと畳めるかどうか非常に注目だ。
35点。


○ひとひら[第3話]

早くも初舞台。主人公の麦にこれを乗り切らせるために用いた演出は、野乃先輩の抱えている問題を明らかにすることだった。神奈の使い方が上手く、手堅い演出が見られた回となった。
周りに助けられながら少しずつ前へ進んでいる、そんな麦の様子が巧みに描かれているのがこのアニメの魅力だ。初舞台は乗り切ったが、まだまだこれから先が長そうで、でもその分楽しみもあるという感じ。
派手さはないがよく出来ているアニメだけに、これからもとても楽しみだ。
40点。


○機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ

作画は綺麗だが、キャラデザに独特なものがあり、ちょっと生理的に受け付けがたく感じるが、それも個性のうちだろう。
世界観や設定にも力が入っているが、それに主人公がマッチしていない。ゲーム大会がロボットの操縦者適正試験と言えば、同じバンダイの「スーパーロボット大戦OG」が思い浮かぶが、第1話を見る限り主人公の凄さは全く伝わってこない。彼が乗った途端にロボットが強くなったが、操縦シーンがなく、何が強さを引き出したのかが見えないからだ。
ユニークな戦争の開始と庶民の反応までは上手く描けているのに、主人公がそこから浮いている点もかなり気になった。折角面白い舞台装置を用意しているのに、主役がこれでは作品は台無しになる可能性を秘めている。もう少し様子見するが、もったいないという印象だ。
20点。


○ウェルベールの物語~Sisters of Wellber~

ファンタジーで逃亡、護衛ときたら、「精霊の守り人」を連想させるが同じProduction I.G制作(アニメーション制作はトランス・アーツ)だったりする。いきなりベッドシーン(の終わった後)だったり、裸の妖精やら、姫様が抱こうとした王子を全裸で刺し殺すなどなかなかインパクトはあった。
それでも世界観や設定などで興味を惹かれる要素に乏しく、キャラクターもまだなんとも言えない感じだ。妖精にせよ、自ら喋り動き回る戦車にせよ、どんな世界なのか見る側に理解させる演出が乏しく、特に戦車は唐突に出現しすぎだった。
姫と女盗賊が追っ手から逃れながら遠い国を目指すという奇譚はファンタジーではありがちなものだ。予想される展開をいかに裏切り、どう見せていくかが問われるが果たしてどうだろうか。もう少し様子見が必要そうだ。
25点。


「鋼鉄三国志」「シャイニング・ティアーズ クロスウィンド」「Over Drive」「アイドルマスター」

2007年04月14日 04時10分47秒 | 2007春アニメ
○鋼鉄三国志

三国志を下敷きにしたアニメということで期待していたのだが、大きく裏切られた。
同じ三国志を下敷きにした一騎当千は主人公は女性だが、バカだけど真っ直ぐで見ていて気持ちいい。こちらは主人公は男性だが、女々しくて見ていられない。
玉璽の力や運命に翻弄されるだけで、定めに抗う気概が見えてこない。世界観もよく分からない。当時の気風で描きたいのか、現代的な心性を表現したいのかなんとも中途半端。戦闘の描写もあまりにちゃち。
女性向けとはいえ、こんなのでいいのかと思ってしまう。見続ける気が起きないアニメだ。
15点。


○シャイニング・ティアーズXクロスウィンド

見始めて5分で心が折れそうになった。Aパートを見終わった段階でもう拷問に等しかった。これを書くために決死で最後まで見たが、もう二度と見ようとは思わない。
シャイニングシリーズは、セガが誇る看板RPG。とはいえ、その評価は決して高くない。その一作目「シャイニング&ザ・ダクネス」を除くとどれもありきたりの世界観、ありきたりの設定、ありきたりのキャラクター造形が目立っている。システム的にも斬新という言葉からはほど遠い印象だ。それでも、よくまとまっている作品も多く、決して悪いシリーズだとは思わないのだが……。
しかし、そうした陳腐なままアニメを作るとこれほど酷いものとなってしまうのか。現代風からスタートしてもそこにはリアリティが微塵も存在せず、出てくる魔物なども手垢にまみれたものを何の考慮もなく描いている。女の子から剣が現れる描写は『X』でお馴染みだし。よくも恥ずかしげも無くこんなものを作るなと感心してしまうほどだ。
0点。


○Over Drive

日本ではマイナーな競技、ロードレース。しかし、世界基準では超が付くメジャー競技だ。とはいえ、スポーツ観戦オタクな私でもロードレースは見ない。見る機会がほとんどないせいだが……。
そんなロードレースを題材にしたコミックのアニメ化作品。その第1話は微妙な内容だった。ただスポーツ系は実際の試合などになって初めて面白さが見えて来るものだ。その意味ではもう少し様子を見てみたいと思う。
心の動きなどの追い方は実は悪くない。時折見せるマンガ的演出が作品の雰囲気を壊している感じだ。原作を知らないのでよく分からないが、少なくともアニメ作品として見た場合、不必要な演出に思う。
20点。


○アイドルマスターXENOGLOSSIAゼノグラシア[第二話]

ロボットアニメとして見れば割と普通。というか、全体にどこかで見たような印象が漂うような内容だ。意思のあるロボットや敵の勢力の様子など既に食傷気味と言いたくなる。
更なる問題はやはりアイドルマスターという名前だろう。作中のセリフではないが、詐欺だ!と言われても仕方が無い。作り手としては遊び感覚なのかもしれないが、面白い仕掛けとはお世辞にも言えない。
キャラは悪くないので設定等にひねりがもう少し感じられればそう悪い作品ではないだけに、こうしたあざとさは却ってマイナスに働いていると思う。一種のスピンオフ企画とも言えるが、原作から何を引き継ぐのかという部分でどうしても肯定できないものが残ってしまう。
25点。


「ぼくらの」「陸上防衛隊まおちゃん」「sola」「らき☆すた」+「一騎当千Dragon Destiny」

2007年04月10日 23時51分47秒 | 2007春アニメ
○ぼくらの

ロボットのアニメだが、ロボットは脇役に過ぎない。描こうとしているのはそれに乗る少年少女たちだ。
主役級が15人と非常に多く、特定の主人公はいない。こうした群像劇はうまくいけばかなりのインパクトを与えるが、なかなか難しい手法でもある。人数が多いのでキャラの描き分けがしっかりしていないと見る者は付いていけなくなる。原作はコミックだが、コミックならすぐに読み直すこともできるが、アニメは基本的にその時限り(まあ録画して見れば巻き戻して見れるが、それを想定して作る訳にはいかないだろう)。
第1話の印象はユニーク。面白くなるかどうかは未知数に感じた。少年少女たちはリアルな感じで、今風の冷めたキャラに見えた。ただちょっと薄い感じもしたので、厚みを出せるかどうかが鍵になるだろう。
演出などはしっかりしている。キャラの描き方次第で楽しめるかどうか見えてきそうだ。
35点。


○陸上防衛隊まおちゃん

過去に放映された15分のアニメを2話分まとめて、更にOPとEDを一新しての再放送。
内容はゆるゆるの萌えアニメ。ゆる過ぎて正直ついていけない。本当に萌えしかないと断言できる。
昔、「地球防衛少女イコちゃん」という隠れた傑作特撮ドラマがあったが、それとは雲泥の差。
10点。


○sola

何を描きたいのか意味不明。
主人公の少年は、空が好きでその写真ばかり撮っている。彼の描写はそれなりにきちんとしているのだが、周囲の世界がとても薄っぺらくて、全体を通して見ると空っぽに感じてしまう。
主人公以外のキャラがいかにも典型的なキャラばかりで、しかも主人公との関係もおざなりにしか描けていないため、ひとかけらのリアリティも伝わってこない。学校や病院の場面があっても、教師や医者などの大人が全く出て来ず、それも世界の薄さに拍車を掛けている。
どんな物語かさえ定かでない状況で見切るのもどうかと思うが、これが見られるレベルまで激変するとも考えにくい。見たいと思わせる要素もないので、早くもパスかな。
15点。


○らき☆すた

女子高生日常系ギャグアニメ。京都アニメーション制作でオープニングはよく動く(笑)。
本編は動きはほとんどない。というか、会話ばかり。ただのお喋りが楽しめるかどうかというアニメだ。
主要キャラは4人。主人公はアニヲタ。時折ディープな話もあるが、チョココルネの話とかそんな感じで間口は広いかも。4コマ漫画が原作だが、アニメも4コマみたいな印象。物語性は皆無だ。
キャラがどうとか演出がどうとかではなく、本当にお喋りのネタ勝負といったアニメなので、感覚的には深夜ラジオとかを聴くのに近いかもしれない。肩の力を抜いて気楽に楽しむにはいいアニメだろう。
30点。


☆一騎当千Dragon Destiny[第7話まで]

前作の『一騎当千』は語るような作品ではないが、気楽にノリやバトルを楽しむアニメとしてよく出来ていた。DDはその続編。
前作は、孫策伯符(ヒロイン)が主人公で、彼女を中心にバトルを描いた。彼女のバカっぷりも魅力だった。それに対しDDは、曹操や劉備らにも焦点を当てた群像劇となっている。第1話に伯符が登場しなかったことからもそれがよく分かる。
三国志を下敷きに、現代を舞台にしたバトルアニメであり、それゆえに曹操や劉備の勢力の争いを描きたい気持ちはよく分かるのだが、正直前作と比べると魅力は半減した。
下敷きがある分、キャラの個性の書き分けはそれなりにうまくできているものの、伯符の魅力で引っ張っていった前作と比べて勢いが乏しい。更に、最もつまらなくなったのが戦闘だ。DDでは気?(オーラ?)をぶつけたりして戦っていて、肉体同士のせめぎ合いが全くなくなってしまった。強さのインフレがそうした表現の連発になってしまった。
変にあれこれ入れるのではなく、前作同様バカマンガとして描いて欲しかった。次回、第8話のサブタイトルは「小覇王散華」。小覇王とは孫策伯符のこと。彼女がもし死んでしまったら、もうDDを見続けることはないかもしれない。それほど『一騎当千』とは彼女の物語なのだから。