goo blog サービス終了のお知らせ 

奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

第78回オールスターゲーム@MLB

2007年07月11日 19時44分08秒 | スポーツ
こう言っていいかどうか分からないが、MLBはワールドシリーズよりもオールスターの方が格式を感じる。まあ毎年最低4試合はあるワールドシリーズより、1試合しかないオールスターの方が密度が濃いのも確かだ。またMLBはプレーオフ以降地元のチームが活躍していないと盛り上がらないので、出場していない地域はもうMLBにあまり関心を持っていない人が多いのもそう感じる理由だろう。

そんなオールスターを久しぶりに見た。イチローは7年連続7回目の出場だが、これまでの6年はあまりいい結果は残していない。最初の頃はワクワクしてイチローを見ていたが、最近はそういう事情で特にオールスターを見たいと思わなかった。今回はイチロー以外に斎藤隆、岡島が出場するので見る気になったというのもある。
イチローの第1打席は簡単にライト前。盗塁を見たかったが走らず。第2打席は追い込まれた後に外角のボール球をレフト前に落とす技ありのヒット。今回はジーターがすぐに打ったので盗塁の機会なし。そして、第3打席。1点ビハインドの場面で1死1塁。ホームランが出れば逆転でMVPのチャンスだと見ていた。恐らくこれが最後の打席だろう。狙ってくるかなと見ていたら、案の定フルスイングでホームラン性の当たり。行ったかなと思ったが、深い右中間でわずかに届かない。ところが、フェンスの変なところに打球が当たり、ボールは誰もいないところへ転々と。こうなるともう悠々のランニングホームラン。さすがにイチローの喜びようも弾んでいる。ベンチの盛り上がっていいムード。

こうなるとイチローのMVPに期待がかかる。6回にホームランで追加点を取ったものの、その裏あっさり1点を返され更にピンチが続く。ブルペンには岡島。打たれると出番が出てきそうだが、打たれるとイチローのMVPが消える可能性も。ハラハラして見ているとなんとか打ち取り岡島は出番なし。斎藤は1イニングを3人でピシャリ。三振は取れなかったがいい内容だろう。その後2ランが出て3点差に広がり最終回に。簡単に2アウトを取って安心して見ていたのだが……。
イチローの同僚若き守護神プッツがソリアーノに2ランを浴びて1点差。その後もストライクを取るのに苦労し、ロドリゲスに交代。しかし、このロドリゲスもボール球を連発してしまう。勝ったと思った場面から1点差に縮まり2死満塁までピンチが広がった。まるで筋書きがあるかのような展開だ。ナショナル・リーグは9連敗中だが、一打出れば逆転サヨナラの場面となった。
岡島出せ!と思いつつ、ただ祈るのみ。まあここで岡島が出てくるわけはないのだけどね。最後はライトフライを打ち上げてジ・エンド。最後まで手に汗握る試合になったのはやはりイチローのMVPが掛かっていたからでもある。

78回の歴史の中でオールスター初めてのランニングホームランだという。まあプロではそう見られるものではないから。イチロー自身にとっても初めてのランニングホームラン。そういう歴史的なシーンを見ることができただけでもなかなか楽しかった。やっぱりオールスターは1試合が密度が濃くなっていいね。

ちなみにNFLのオールスターに当たるプロボウルはもうひとつ盛り上がらない感じ。どうしてもその前週のスーパーボウルでシーズンが終わってしまう印象が強いせいだろう。まあ戦術的な面白さが魅力のフットボールにオールスターは合ってないのも事実だし。だからオールスターだけはMLBなどの盛り上がりを羨ましく思ったりする。

追記:イチローが5年1億ドルで残留というニュースが飛び込んできた。まだ確定情報ではないが、イチローのインタビューで今シーズンのシアトルの試合に手応えを感じているようだったので残留の可能性が高そうだ。入団した当初はシアトルは強豪チームだったのに、ここ数年の体たらくで弱小チームとなっていた。比較的強いチーム弱いチームが固定化しているMLBだけど、周期的なチームの強弱のリズムもあるし、そろそろ本当に強くなるかもしれない。ただ他のチームで活躍するイチローも見てみたい気もするのだけどね。


ボナンザ

2007年04月21日 23時37分46秒 | スポーツ
適当にチャンネルを回していたら、NHK-BS2で「運命の一手 渡辺竜王VS人工知能ボナンザ」という番組をやっているのを知り、途中から興味深く見た。
渡辺明竜王は若き気鋭の棋士。一方のボナンザは最強と謳われる将棋ソフトだ。この対戦自体は結果も含め知っていたが、その詳細は知らなかった。番組ではボナンザの健闘ぶりが素人にも分かりやすく説明されていた。

将棋ソフト同士による世界一決定戦のような催しは行われている。その成績優秀なソフトは確かアマチュアの棋戦にも参加している。ボナンザはここ数年そうした場で実力を発揮し、多くの将棋ファンに最強と認識されているソフトとなっている。
将棋連盟は公の場でコンピュータソフトとの対戦を原則禁じて、正式な対戦のみ行われるようになった。要はスポンサーがキチンと付いた試合以外は禁止という感じだが。その初めての対戦がこの渡辺竜王対ボナンザだった。

チェスでは世界チャンピオンがコンピュータソフトに敗れるという衝撃が世界を駆け巡った。将棋はチェスより複雑でまだプロを負かすレベルではないと言われている。この対戦もあっさりと敗北するという予測が多かったが、結果は善戦と呼べるものだった。
チェスの場合プログラムもそのチャンピオンに特化させたものが組まれたと言われる。相手の研究は人間同士の場合も普通に行われることなので、当然とも言えるやり方だ。番組前半を見ていないので確定はできないが、ボナンザの場合はそうした特殊な要素はなかったのではないかと思われる。もちろん、そうした要素を入れることができるかどうかもまたひとつの課題だろうが。

人がコンピュータに負けると言っても、実際はコンピュータは所詮機械でしかない。戦うのは人と人だ。将棋を指すことに全力を尽くす者と、将棋というゲームをコンピュータという場で表現する者との戦い。人工知能はSF的なものではなく、あくまで人が作りし範囲を逸脱することはない。今回の番組でも最も興味深かったものはボナンザ制作者の様子だった。
それと同時に人の頭脳の凄みも認識させられた。将棋というルールの枠内でさえ未だ人の脳に追いつけない。人が人を超える知能を作り上げる日は来るのかと思わざるを得ないようなそんな戦いでもあった。

そんな最強ソフト、ボナンザは実はフリーソフトである。制作者一人というのも驚きだ。ネット文化のひとつの極みって感じで、こういう文化風土をネット上でもっとしっかりと支援していく環境や精神の拡大がいま必要なんだけどね。
私も以前ダウンロードしたけれど、100年かかってもまともにやって勝てないのは分かっている。実は中学のときに囲碁・将棋クラブができてそこに入り、入ったときは一番強かったのに数ヵ月後には一番弱くなっていたという実力の持ち主なのよ(爆。上達していないというか、上達しようという意欲に欠けるというか、全く成長していないというか。見るのは好きなんだけどね。

今回のカテゴリをあえて「スポーツ」にしたのは、将棋をスポーツと捉えているから。これはチェスがスポーツのジャンルとされていることからの派生でもあるが、スポーツという文化の本来の姿はこうした娯楽なのだから私にとっては違和感はない。私の場合、自分でするものでなく見るものになっちゃってる点も他のスポーツと同様というか。
だらだらと書いたが、いつの日かコンピュータソフトが名人を破るのを見てみたいね。

Bonanza


フィギュアスケート世界選手権女子フリー

2007年03月24日 23時17分24秒 | スポーツ
優勝は安藤美姫。2位に浅田真央と日本勢がワンツーフィニッシュとなった地元開催の世界選手権。
世代交代が鮮明な女子の中で、アジア勢の強さが目立った大会ともなった。

トリノ五輪の時は技術点の詳細までネット上にアップされていて、各選手の演技の評価を知ることができたが、今大会ではそれがないので微妙な部分はなかなか分からない。採点結果自体は順当だと思っているが、細部を知ることで競技の面白みが分かるのにもったいない気がする。

細かな点は従って語らないが、今大会の女子の印象は、二人の若きスター浅田とキムの大会というものだ。優勝した安藤には悪いが、強く印象付けられたのは16歳の二人の滑りだった。
キムのSPは完璧と言ってよい。今日の演技も中盤までは決して悪くなかった。練習不足か腰痛の影響か二度の転倒で勝負からは脱落してしまった。それでも音楽との融和という面では他を圧していた。
一方、浅田は昨日のミスから立ち直り今日は彼女らしい演技を見せた。技の精度という点ではベストとは言えなかったが、非常に高い技術があちらこちらに織り込まれた演技は見る者を圧倒した。
音楽を表現するスケーターとしてのキムと、自身を表現するスケーターとしての浅田。対照的な二人だが、ライバルとしてお互いが意識しあうことで高めあってきている。

昨年のジュニアの世界選手権、グランプリファイナル、今回の世界選手権と二人の対決は興味深いものではあったが、惜しむらくはどちらかがミスをしている点だ。二人が完璧な演技をして対決する試合を見てみたい。それが一ファンの希望だ。


フィギュアスケート世界選手権女子ショートプログラム

2007年03月23日 23時04分48秒 | スポーツ
さすがに世界は凄い。

トリノに比べてもレベルが格段に上がっている。上位4人はトリプルトリプルのコンビネーションを決めて、他の部分でも非常に優れた演技を見せた。
中でも成長を見せたのはキム・ヨナ。ジャンプはもちろん、スピンやステップなども素晴らしかったが、更につなぎの部分まで曲に合わせていて、その細部までの演技力に驚嘆した。腰痛で心配されたが、これまでに見た彼女の演技を遥かに越える演技を見せてくれた。この71.95はライバル浅田真央のパーソナルベストすら越えるもの。明日のフリーが楽しみだ。

地元で堂々とした演技を見せたのは安藤美姫。得意のジャンプだけでなく、他の要素も見るものを魅了する高レベルの演技ができていた。怖いもの知らずだった頃から、壁にぶつかり、かなり苦労した経験が今に生きているのだろう。その精神力の強さに感嘆した。

イタリアのカロリーナ・コストナーの演技は残念ながらちゃんと見なかった。昨年まではきびきびした演技は評価されていたが、ミスも多かった。今シーズンそれが一皮向けてかなり安定感と自信を得たようだ。明日のフリーの演技をじっくりと見てみたい。

昨シーズンの世界選手権王者キミー・マイズナーも堂々とした演技を見せた。1つ年下の浅田、キムに注目が行くが、彼女も確実に力を付けていることを証明してみせた。つなぎ部分でやや物足りなさも感じるが、ジャンプの精度は世界トップクラスだ。

期待された浅田真央はコンビネーションジャンプに失敗し5位。失敗があってこの順位というのは、彼女のスケーティングレベルがずば抜けていることの証明でもあるが、それでもトップのキムとの差が10点以上というのは非常に厳しいと言わざるをえない。もちろん、上位陣にミスがあれば十分にチャンスはあるが、今日の流れが明日に繋がると難しいだろう。今シーズンの浅田はショートプログラムではほぼ完璧な演技をしながら、フリーにミスが目立った。昨シーズンのジュニアの世界選手権あたりから続くこの流れは、高い次元の目標への挑戦をしているところという面もあるが、プレッシャーに対処できていないという面も垣間見える。最初は怖さ知らずにやっていけることでも、周りの期待や勝利がちらつくと誰しも重圧を受けるものだ。それをどう乗り越えるかが彼女の今の課題だろう。

中野友加里は7位。とはいえパーソナルベストなので健闘と言えるだろう。演技自体は悪くなかったが、上位陣と比べるとやや見劣りする。フリーではやはり得意のジャンプで巻き返しが期待される。

明日の見所。
もちろんジャンプ以外の部分も重要だが、今回の女子はジャンプが見所になりそう。今日のショートプログラムでも上位陣がトリプルトリプルを決めたように、明日もコンビネーションの選択が重要となりそうだ。また、トリプルアクセルに挑む選手にも注目したい。
女子は世代交代が顕著で、その代表格として浅田真央やキム・ヨナがいる。今後も彼女たちが世界の中心となりそうだが、そこに割って入る選手たちの意地も見てみたい。


フィギュアスケート世界選手権男子フリー

2007年03月22日 23時51分45秒 | スポーツ
上位の競技を見たので、ちらっと感想を。

優勝はフランスのBrian JOUBERT。正直今日の演技はつまらなかった。ショートプログラムである程度点差を付けてトップに立ち、大きなミスさえしなければ優勝できるという状況だったので、手堅く堅実に演技したその選択は決して間違いではないし、重圧の中でそれをやり遂げたことは評価できるが、それでも見ていて惹き込まれるものはなかったのは事実。フリーだけなら3位の成績。プルシェンコ不在ということでもあり、誰もが納得する優勝とまでは言えない。今後の結果でそうした声を払拭してもらいたい。

2位に高橋大輔。最初の4回転で手を付き、ややジャンプでキレの無さを感じた。また後半は疲れも感じられたが観衆の声援もあって最後まで見せる演技が出来た。フリーだけならトップの成績は見事。やや点が高めにも感じたが、ジャンプ以外の部分は明らかに他の選手より上だったので、妥当な評価とも言える。地元ということで重圧もかなりあっただろうが、その中でこれだけの演技ができたことが何よりも評価したい。ただ世界のトップを狙うにはもうワンランクのステップアップが必要だろう。

3位スイスのStephane LAMBIEL。世界選手権3連覇を狙ったランビエールだが、昨日の出来が悪かったのが敗因。今日は昨日よりは安定していたが、絶好調とはいかなかった。高橋同様やや高いと思わせる点数だったが、他との比較でフリー2位は妥当。まあオリンピックイヤーの翌年のシーズンはどうしても実力者は低調になってしまうもの。今後に期待だろう。

4位チェコのTomas VERNER。今日の演技で最も溌剌としていた。最後の転倒がもったいないが、2度の4回転の成功は目を見張るものだ。トリプルアクセルの安定感と、ジャンプ以外の部分での成長があれば一躍トップに立つかもしれない可能性を感じた。

5位はアメリカのEvan LYSACEK。ハマれば高得点を叩き出せる実力者だが、安定感に欠けることの裏返しでもある。8位に終わったJohnny WEIRとともにアメリカ勢は精彩を欠いた大会となった。

6位カナダのJeffrey BUTTLE。昨日いい演技で2位につけ、彼の実力から2位キープは可能と思っていたが、予想外の悪い結果となってしまった。1位だったジュベールの点があまり伸びず、逆に3位だった高橋の点が伸びた中での最終演技者としての登場。堅実に2位狙いという選択もあっただろうが、ベテランは勝負に出た。最初に4回転。しかし、失敗。その後トリプルアクセルを2度失敗し6位まで落ちた。既に実績あるバトルにとって、ここでの銀メダルはそれほど価値がないのかもしれない。それよりも金を目指したその姿勢は理解できる。4回転失敗後の演技に精彩がなかったのは、転倒時にダメージがあったかもと心配したが大事には至ってないようだ。

7位に織田信成。残念ながら演技を見ていないのでコメントはないのだが、またも構成ミスをやらかしたようだ。3回目。さすがにシャレにならんだろ(笑)。彼には4回転を身に付けるという課題があるが、それより先にもう少し頭をどうしかしなきゃいけないようだ。

プルシェンコというトリノで圧倒的な強さで勝った王者が不在の世界選手権となった。プルシェンコが今後アマチュアを続けるかどうかは分からないが、彼を脅かすような演技は今大会で見られなかったのは残念だ。なお、今大会の上位8人とプルシェンコの年齢を比較してみよう。
プルシェンコ、バトル24歳。ジュベール、ウィアー22歳。高橋、ランビエール、ライザチェック21歳、ベルネル20歳、織田19歳。年齢がすべてではないが、3年後のバンクーバーを見据えると21歳前後の選手たちがどれほど成長するかとても楽しみになる。高橋や織田にも十分にチャンスはある。もちろん、ここには出ていない若手の台頭も楽しみだが。


西武裏金問題

2007年03月13日 20時31分36秒 | スポーツ
今まで語ってきたことの繰り返しになるので、改めて語ることもないかと思いつつ、ドラフト制度についてちょっと調べていたら、「スポーツビジネス from NY」さんというブログを発見した。言いたいことが全て書かれているので、正直書く気がなくなったのだが、他に思いつくネタがなかったので仕方なく書くとしよう(苦笑)。

本当なら、西武はドラフト停止くらいじゃなく、リーグ追放くらいの処分でもおかしくないと思う。そこまでいかないのは、西武以外が潔白なのかどうかかなり怪しいせいとも勘ぐれるし。一場問題のときも最終的には3球団が関与していたことが明らかになったように、西武だけなの?という思いは決して少数派じゃないだろう。
受け取った側の二人の選手、社会人に進んだ方は名前が出て、大学に進学した方は名前が出ていないがこの差にも疑問が湧く。社会人でないせいか、未成年なのかはよく分からないが、高校卒業したら責任ある大人として扱うのが筋のように思えるが(この辺りは国民投票をきっかけとした18歳成人の議論に繋がっていくが)。大学生の方は自分は知らなかったという発言をしているようだが、この二人に対する処分があるのかどうかも気になるところだ。フェアな野球界を目指すのであれば、一場の時のような救済ではなく、厳しい措置が取られるべきだとは思う。

プロ野球人気の低迷とはよく言われるが、ジャイアンツ戦の視聴率の低下を除けばあまり数字には表れていない。観客動員も悪くないし、メディアの露出でもライバルとされるJリーグを圧倒している。ただ球団経営が順調かというとそうではない。
先に挙げたブログでは、閉鎖型、開放型という名付け方をしているが、アメリカスタイルのリーグ構成とヨーロッパスタイルのリーグ構成では経営思想が大きく異なる。各国のサッカーリーグの多くが行っている開放型リーグ構成は、チーム間の戦力差が大きく異なるものの、入れ替え戦の存在によって下位チームにも真剣な勝負の場が用意されている。そのため、各クラブは身の丈にあった経営を行い、それぞれのクラブがそれぞれの目標をもって挑むことが許されている。Jリーグは規模ではプロ野球に及ばないものの、自身の理念に沿ったリーグを構成し、日本各地にクラブを生み出すなど一定の成果を上げている。
アメリカ型の閉鎖的リーグは、こうした入れ替え戦がないため、力の格差が生じるとリーグ全体としての損失に繋がりやすい。ドアマットチーム(下位低迷しているチーム)との対戦では視聴率の低下や観客動員の減少に繋がるからだ。歴史ある一部のチームは対戦相手に左右されないかもしれないが、チーム主体で考えるか、リーグ主体で考えるかで違ってくるだろう。
MLBは歴史が古くチームの発言力が強いため、リーグ全体の利益という観点からするとかなり不都合なシステムのまま運営されている。しかし、海外(とくにアジア)戦略に成功し、大きな市場を開拓したことで現在の繁栄にたどり着いた。
逆に、同じように歴史が古くチームの発言力が非常に強い日本プロ野球機構は、MLB以上に閉鎖型リーグの運営には不都合なシステムを取り続け、更に選手のMLB流出という厳しい状況も抱え込んでいる。

完全ウェーバー制ドラフトなんて、閉鎖型リーグでは前提条件のようなものだが、それさえなしでここまでやってきたその潜在力にむしろ注目すべきなのかもしれない。プロ野球の最大の強みはライバル不在ということだ。Jリーグ開幕当初の危機はイチローフィーバーなどの幸運に助けられた。Jリーグは百年構想じゃないが、じっくりと地方や子供への取り組みを優先しているため、その成果が実を結ぶにはまだしばらく時間が掛かるだろう。それまではプロ野球は腐っても鯛であり続けるだろう。
この猶予期間のうちにどのような方向に進むのかを決断できるかどうかが問われている。閉鎖型リーグとして確立するには、相当の合理主義的な改革が必要で日本人にそれができるかは疑問の余地が大いにある。いっそ、開放型リーグ化した方が向いているのではと思うが、野球というスポーツがそれに適しているかどうかは未知数だ。ただずるずると場当たり的に小手先の改革を繰り返す中でいつしか人気を失い衰退していく可能性が最も高いが、その予想を覆すような何かが起こりえるのか……。



北海道日本ハムファイターズ

2006年10月12日 21時57分35秒 | スポーツ
ペナントレースを1位で通過した北海道日本ハムファイターズがついにパ・リーグを制した。

過去2年間、福岡ソフトバンクホークスが1位通過しながらプレーオフの舞台で力を発揮できず、今シーズンは1位通過チームに1勝のアドバンテージが与えられるようになった。この1勝が、ホークスに重くのしかかったのは皮肉なことだ。

シーズン中、ファイターズの試合を見る機会はほとんどなかったが、シーズン終盤からこのプレーオフにかけて非常に魅力的な試合を見せてくれた。特に若い投手たち、高卒二年目のダルビッシュや大卒ルーキーの八木のピッチングは若々しくて素晴らしい。豪打ではなく、守って勝つ野球は、昨年の千葉ロッテ同様、野球自体の面白さを垣間見せてくれる。

セ・リーグを制した中日と良く似たチームカラーだ。投手中心で、特に救援陣が力を発揮した。外野守備はそれぞれのリーグ屈指で、広いドームスタジアムを駆け回った。日本シリーズは経験のある中日が優位だが、日ハムの若さが昨年のロッテのように勢いという形で発揮できればどうなるか分からない。

北海道の地にプロ野球チームが根付いたということが感慨深いものとなった。TV中継でファンの縦揺れによってカメラがまともに映せないなんて普通には考えられない。昨年のロッテが素晴らしいファンによってもたらされたものだとすれば、今年の日ハムはファンと共にチームが作られていったように感じる。
その中で新庄の存在は特別だった。新庄が注目されることで、チームが注目され、新庄の存在がチームに活気と勢いを与えた。そして何より彼の存在がファンを惹きつけ、北海道移転3年目にして真の意味で北海道のチームとなった。彼が野球界から去ることは非常に寂しいが、彼なりの美学を笑顔で見送りたい。

敗れたソフトバンクは、第1ステージこそ西武を打ち破ったが、第2ステージはわずかに1得点に終わってしまった。過去2年不振にあえいだ松中は、結果こそ出なかったが決して悪い出来ではなかった。しかし、1番バッターの川崎の不振、下位打線が非力なのは仕方ないとしても小技などの面で物足りなさを感じてしまったことが、この結果に至った。
投手陣はプレーオフを通して良く投げたと言えるだろう。特にエースの斉藤が素晴らしいピッチングを見せながら勝てなかったことにぐっと来るものがある。シーズン中、松坂を上回る結果を残し、松坂が大リーグに行く来期は押しも押されぬ日本ナンバーワン投手と呼んでもいいだろう。プレーオフの2試合の投球はどれほど高く評価してもいいくらいのものだ。サヨナラ負けした後、ズレータとカブレラに両脇を抱えられながらマウンドから降りる姿は目に焼きついて離れない。

改めて、北海道日本ハムファイターズを讃えたい。機動力や守備力、走塁やバントなどの野球らしい野球を高い次元でやってのけた。今日の試合でもサヨナラの場面で二塁にいた森本が一気にホームを突いた。次の塁を狙う姿勢はチーム全体の意識付けがなくてはなかなか試合で発揮できない。シーズンを通して成長し、大舞台でそれを表現できたことは見ている者に感動を与えてくれる。日本シリーズでも明るく前向きな今のチームカラーを見せてほしい。


中田引退

2006年07月04日 01時00分33秒 | スポーツ
中田英寿が現役引退を発表した。

私が日本サッカーを見続けて20年以上になるが、多くの日本人プレイヤーの中で彼は別格だった。若い頃の中田は「天才」の言葉が似合う選手だった。視野の広さとパスセンスは絶品で、その才能はそれまでの日本人になかったものだった。イタリアに渡り、経験を積み、中田は成長した。それは長所を伸ばすというより短所を無くす方向だった。守備力、運動量、コンディショニングも含めて様々な点で優れたサッカー選手となっていった。

サッカー選手の評価は難しい。野球のように個人の結果が残るスポーツであれば、チームの強弱に関わりなく、ある程度の客観的な能力を見ることができる。しかし、サッカーではフォワードのようにゴール数で評価できる部分もあるにはあるが、それすらその選手の決定的な評価となり得ない面もある。
歴史のある欧州や南米ですら、一人の選手の評価が分かれる場面はいくらでもある。サッカー文化の歴史と厚みに欠ける日本では、ピッチ上だけで判断できる人がどれくらいいるか。

中田の偉大さは、人よりもほんのわずか、サッカーに真剣に向き合った点にある。それは、イチローや伊達らがそうだったのと同じように。プロのスポーツ選手といえど、すべての時間をその競技に費やすことはできない。気分転換によるリフレュシュニングなどを考えれば、それはむしろ非効率と言える。ただ他の選手たちが妥協する部分で妥協しないがゆえに、世界で結果を残すことが出来た。そのひとつひとつは決して大きな差ではないが、毎日の積み重ねの中でその差は大きく大きく広がっていく。
テニスのような個人種目であれば問題ないが、チームスポーツでは一人のスーパースターがいてもチームに勝利をもたらすことはない。そして、こうしたある意味精神的な部分は伝えようとしても上手く伝えることは難しい。中田にせよ、イチローにせよ、追随者は現れなかったし、一度たりとチームを変えることもできなかった。ただそれは彼らの責任ではない。プレイヤーにそこまでの責を負わせることは本来間違っている。

イチローの場合WBCで結果を残すことができた。メジャーでの個人成績が絶対的な存在感を生み出していたこともあるが、むしろ彼は「魔術」を使ってチームをまとめてしまった。イチローの過去の発言で、チームワークは個人個人が自分のために全力でプレーする結果から生まれてくるといった内容があったが、彼はおそらくその考えを変えていないだろう。少なくとも今のシアトルでのプレイを見る限りでは。だが、WBCではチームワークを重視する発言や姿勢を見せ続けた。彼はWBCで勝つために、自分の主義主張を封印し、ベストと思う行動をした。仰木魔術の本質は人心掌握術にあったが、そこから学んだのかもしれないし、また年齢的にも成熟したからこそ取れる行動だっただろう。

中田にそれが欠けていたと言うのは簡単だ。しかし、たとえ「魔術」を使えたとしても、彼は使わなかったと思う。野球なら既に世界的に誇れる実力がある。サッカーはまだまだ世界との距離はかなりある。チームワークを誇って勝利したとしても、実力の差は埋まらない。今の代表世代の多くは、最強世代と呼ばれるようにユース時代から世界を経験し、実績を残してきた。そして、年齢的に今回がピークであるのは間違いない。個々の実力が身につき、一人一人が世界と対等に渡り合えるようになって初めて、チームワークを口にすればいい。それだけの可能性が期待できたからこそ、4年間彼は怒鳴り続けた。前回大会で代表から落選した中村を除いて、当時のメンバーのうち飛躍的に向上した選手は見当たらない。中田自身もクラブで苦しみ続けた。そして本番。川口と中田しか残念ながら記憶に残らなかった。

今大会を見て分かるように、アジアで勝って喜んでいても何の成長も望めない。マスコミ、サポーター、サッカーファンのレベルももっともっと高めていかねば代表チームは強くならない。もちろん、それ以上に選手の実力を上げなければ、到底世界と太刀打ちできない。

それでも。

中田がいたからこそ、いつか日本代表が世界の強豪に対等に戦う日が来るのではないかという夢が見れた。彼を継ぐ者が現れぬままに、彼がピッチを去ることは非常に残念だ。彼が果たした役割を正当に評価できる人がどれくらいいるかも心もとない限りだ。いまだ日本に文化としてのサッカーが根付いていると言えないだけに、惜しい想いも募るが、逆にそうした状況でこれまでやってくれたことに心からの感謝を捧げたい。

ほんとうにありがとう。そして、おつかれさまでした。


大相撲夏場所

2006年05月21日 22時00分30秒 | スポーツ
久々にスポーツの話題。

今日の千秋楽、優勝を争う雅山は朝赤龍、白鵬は把瑠都との本割り。雅山は好調の朝赤龍相手に完璧な相撲内容。重い体を存分に生かした突き押しが素晴らしい。対して、注目の対戦となった白鵬対把瑠都の一戦。本来の取り組みを崩してまで組まれた一番だけにどんな相撲になるか非常に興味を持って見ていたが、白鵬の厳しい相撲の前に勝負はあっという間にケリがついた。
かなり前からその強さが話題となっていた把瑠都は、盲腸で全休などのアクシデントもあったが、先場所は十両を全勝優勝で突破し、初入幕の今場所いきなり優勝争いに顔を出すまでの活躍を見せた。それでもやはり上位との力の差はまだあることが昨日今日の相撲で分かった。ただ来場所もこの差がまだあるかどうかは分からない。少なくとも彼にとって今場所のうちに上位との厳しい相撲を経験できたことは財産になるだろう。

本割りを共に完璧な相撲で飾った二人の優勝決定戦。場所中の対戦では白鵬がいい立ち合いからいい体勢を作りながらも逆転負けした。力で負けたのではなく、単なるミスでの敗戦だったので、白鵬の方が気持ち的にも優位に立っていたと思う。
そして、決定戦は、立ち合いの踏み込みは明らかに白鵬。雅山もまわしは許さなかったが、前に出る圧力がない。結局、白鵬に組み止められ、体勢は白鵬十分。しかし、土俵際の逆転の可能性も大いにある場面。白鵬は前回の対戦を活かして、慌てて寄らずにじっくりと攻める。これが功を奏して、最後は見事な寄り切り。白鵬の強さを印象付ける勝負だった。

白鵬はその相撲の上手さから、早くから注目され、期待された。三役までは順調に来たが、ここで壁にぶち当たった。それが立ち合いの甘さだった。特に朝青龍相手だとそれが際立っていた。大関候補と言われながら、琴欧州に大関の地位で先を越され、上手い力士で終わってしまうのかと思われたが、ここ数場所、立ち合いに厳しさが現れると、まるで別人のごとく相撲が大きく変化した。上手い相撲から強い相撲へ。今日の雅山戦はまさにそれを象徴する一番だった。

来場所は白鵬の横綱昇進、雅山の大関昇進が注目となる。これに今場所旋風を巻き起こした把瑠都がどう絡んでくるか。そして、ケガで休場した横綱朝青龍の復活なるか。また、先場所のケガからバランスを崩して今場所苦しんだ琴欧州が復調できるのか、日本人期待の新鋭稀勢の里が新三役として期待に応えるだけの力を示せるのか、そしてもう一人期待される下田が十両でどんな相撲を取るのかなど、話題に事欠かない。特に万全の状態で、今の白鵬対朝青龍の対戦を見てみたいところだ。

(個人的には、もっと外国人力士が増えた方がいいと思っている。実力制の社会なのだから、入りたい者にはもっと広く門戸を広げていい。琴欧州や把瑠都のようにパワー溢れる相撲では対抗できなくとも、朝青龍や白鵬のような相撲なら日本人でも取れるだろうし。切磋琢磨の中からしかいい相撲は生まれない)


WBC ワールドベースボールクラシック

2006年03月23日 20時51分39秒 | スポーツ
今更ながらWBCのお話。

開幕前、盛り上がるかどうか微妙な気配だったが、特にアメリカ戦の誤審以降非常に盛り上がり、日本国内では大成功の大会となった。個人的には日本以外のカードも見たかったのだが、時間的に見ることができず、日本の試合もアメリカ戦を見逃すなど熱烈な観戦者ではなかったのではあるが、優勝にはかなり興奮したし、感動もした。
とりわけファンであるイチローの活躍には目を見張ったし、またメディア等が彼を再評価する姿が素直に嬉しい。

イチローに対しては、「鈴木」時代から注目していた選手で、当時既に野球に対する情熱は薄れていたもののかろうじてそれを繋ぎとめていたのが彼の存在だった。
今回イチローの変化について語られることも多いが、よく言われる「クール」なイチローというのはあまり彼のプレーを見たことのない人の意見で、彼ほど熱いプロ野球選手はいないと昔から思っていた。ただ今回大きく変わったのは、メディアに対する姿勢。言葉だけが独り歩きしたり、あることないこと書かれてしまうスポーツ報道の世界に対して、彼なりの対応策が「クール」なイメージを築き上げる要因となった。
WBCでの彼のはしゃぎっぷりは、オリックス時代に優勝したときに見た姿と変わらず、もともとの彼の「いちびり」な部分が久しぶりに見ることができて嬉しかった。

プロ野球選手の中でも、とりわけ野球に対する熱意が多い分、他の選手との温度差は常に彼につきまとう点だ。プロと言えど野球に賭ける姿勢には個人差があるし、イチローの目からすれば真剣さに欠ける選手たちも大勢いたと思う。今回のようなトッププレイヤーだけが参加し、一つの大きな目標に短期決戦で挑むチームは、ある意味彼の理想だったのだろう。
イチローやサッカーの中田英寿のように貪欲な向上心を持ったプレイヤーは、日本ではなかなか真っ当に評価されない。イチローの再評価もスポーツメディアの向上ではなく、彼自身が分かりやすくアピールした結果に過ぎない点は残念だ。

WBCでもうひとつ、巨人偏重、セ・リーグ偏重のプロ野球にわずかながらでも風穴を開けられたとしたら、日本の野球にとって大きな価値があったということになるだろう。スポーツが日本で文化と呼べるものとなるには、まだまだ足りない要素が多い。選手自身もモデルロールとしての意識が低いし、オーナー等の関係者も文化として認知しえていない。特に課題の多いメディアはいまだ惨憺たる有様で、ほとんど絶望的な状況だが、それでも変わっていって欲しいという想いだけは失わずにいたいと思う。

アメリカ国内でのこの大会への評価は思いの外高く、意外な驚きだった。3月と言えば、言わずと知れたマーチマッドネス。カレッジバスケットのトーナメントに全米が熱狂することで知られる3月に、野球がある程度の関心を得たということは、大成功と呼べる成果だ。人気低迷にあえぐMLBにとって、今後に繋がっていく第1回大会となった。課題の多い大会でもあったが、第2回にそれが改善していけるかどうか、そしてアメリカがそこで力を発揮できるかどうかが3年後、そしてその後の大会の意義に大きく関わってくるだろう。